NHKの偏向報道に学ぶ、印象操作する見出しの作り方教えます
2013年 12月 25日
事実を捏造しないで、自分が望む印象を他人与えたい場合、どんな見出しをつければよいのか、
国営放送にもかかわらず、いや国営放送だからこそ、
偏向報道が得意なNHKニュースから学んでみましょう。
12月25日のNHKニュースの見出し
帰還困難区域 除染で放射線量半分以下に
どうですか、これ。
すごくないですか。
帰還困難=死の町と化した福島原発周辺の町が、
除染によって放射線量がなんと半分にもなったんですよ!
すごいでしょ!どうです!
ネットニュースや新聞なんかでもそうだけど、
多くの人はざっと見出しだけをまず見て、大まかなニュースを把握し、
よほど興味のあるものしか詳しく本文は読まないわけです。
だってネットニュースも新聞も全部読んでたらそれだけで1日終わってしまうから。
特にネットニュースなんかそうですよね。
「帰還困難区域 除染で放射線量半分以下に」
みたいな見出しがあったら、中身は見なくても、
なんとなく「除染って効果があるんだな」「すごい放射線量は減ってるんだな」
と思う人も当然いると思う。
あれ、かさこさん、さんざん除染は意味ない、無駄だ、即やめろ!とか、
言っていたのに、ウソじゃないですか。
線量半分以下にするならやった方がいいじゃないですか。
死の町なんてかさこさん使わないでくださいよ。
これなら帰れるかもしれないじゃないですか。
みたいに思う人も出てくるだろう。
で、NHKのニュースの本文をクリックしてみると、
除染効果がものすごいあったことをしきりに「PR」しているわけです。
・・・・
原発事故の影響で放射線量が高く、長期間、住民が戻るのが難しい福島県内の「帰還困難区域」で、
環境省が行っている試験的な除染の結果の速報値がまとまり、
除染後の放射線量は、住宅地では除染前の半分以下に下がったことが分かりました。
・・・・
半分以下だということを見出し通りに印象づける。
全文読まないではじめの文だけしか読まない人なんかも、
「ほら、除染すごいじゃないか!」と思わせるわけです。
で、読み進めていくと、具体的な数値が出ている。
・・・・
除染後の放射線量は浪江町の3つの地区の住宅地では平均で
1時間当たり3.51マイクロシーベルトから6.56マイクロシーベルトで、
いずれも除染前の半分以下に下がったということです。
・・・・
どうだ!半分以下に下がったぞ。
すごいだろ!と。
さらにダメ押し文が続きます。
・・・・
また、双葉町の幼稚園では除染後の放射線量が平均で
1時間当たり3.74マイクロシーベルトで、
除染前より70%近く下がったということです。
・・・・
どうです!70%も下がったんだぞ。すごいだろと。
ん?ほんとにすごい?
これだけ下がった下がったと強調しておきながら、
さすがにこのままだとNHKは虚構新聞か北朝鮮新聞になってしまうので、
しれっとフォローの文章が書いてある。
・・・・
2つの地区の住宅地と幼稚園では、住民に引き続き避難を求める
「居住制限区域」の設定の基準となる
1時間当たり3.8マイクロシーベルトを下回る水準まで下がったものの、
国が、除染が必要としている0.23マイクロシーベルトと比べると、高い水準になっています。
・・・・
バカかって話でしょ。何それ。
半分以下に下がった、70%も下がったってさんざん強調しておいて、
最後に「本当のこと」をちょろっと書く。
お金をかけて除染したのに、0.23マイクロシーベルト/時に比べて、
16倍以上もの高線量ってどういうこと?
つまりこのニュースの要点を的確に伝える見出しにつけるなら、
「帰還困難区域 除染で放射線量半分以下に」ではなく、
「除染しても基準値の16倍以上もの高放射線量」だよね。
つまり除染に意味はない、焼け石に水、除染しても人が住めません、
ってことがわかりましたってこと。
にもかかわらず、見出しだけしか見ない読者も想定し、
除染したから半分も下がったという印象を与える見出しをつける。
でも捏造でも虚偽でもない。
事実はねじ曲げずに見出しによって自分が望む方向へ印象操作する、
見事な見出しのつけかたです。
さすが、NHK。やることが違う。
国営放送だから国民のためじゃなく役人の大本営発表ってことがよくわかる。
このNHKのニュースをわかりやすく別の事例でたとえてみよう。
ある学習塾が「生徒の成績を2倍にアップ!」というキャッチコピーでPRしたとする。
で、2倍という根拠を調べてみると、
100点満点のテストで10点の生徒を20点にしたことをPRしている。
確かに成績を2倍にしたのは事実。
でも10点を2倍にして20点にしたところで、
まったくどうしようもない成績であることには変わりない。
70点、80点にしなければ合格点にならないのに、
2倍にしたと自慢されても、そりゃ意味ないよねと。
今回のNHKニュースはまさにそれ。
半分に下げても基準値の16倍もの高さなら意味がないわけで、
半分に下げたことを強調する見出しは偏向報道、印象操作といわれても仕方がないだろう。
でもウソではない。
どうですか。捏造や虚偽ではなく相手を印象操作する見出しのつけ方。
今回は国営放送のNHKの事例を取り上げたが、
ニュース記事の見出しにせよ、広告のキャッチコピーにせよ、
情報の発信者側が情報を受け取る側の印象をコントロールするために、
事実をねじ曲げなくても言葉を変えることで、いかようにでも操作・洗脳ができる。
広告ならまだしもニュースでこれですから。
ぜひネットのニュースなんか見る時に、
見出しの印象操作だけでニュースの中身をわかったような錯覚をしないよう、
気をつけていただければと思います。
※あとアンケート調査や世論調査なんていうのは、
いくらでも印象操作できるありがたい情報源。
調査自体がいかさまでなくても、
「回答者の半数が反対」と見出しに持ってくるか、
「回答者の半数が賛成」と見出しに持ってくるかで、
賛成・反対が50%ずつという結果をいかようにでも印象操作できる。
こういうのも要注意。
・さすがは国営放送のNHKニュース元
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131225/k10014085411000.html
<お知らせ>
・2014/1/25、映画「シロウオ」横浜鶴見で上映会開催!前売り券販売中!
http://atnd.org/event/E0021290
※2014/1/18の武蔵小金井の上映会は満席になりました。
・ミニ写真集「かさこマガジン4」年明けに無料配布!
・かさこマガジン希望の方は、
郵便番号、住所(マンション名など省かず)、お名前、希望部数を、
kasakotaka@hotmail.comまでメールください。
・過去にマガジン希望のメールを出している方は新たに申込しなくてもお送りしますが、
住所変更、希望部数変更のみ上記メールまで変更内容をメールください。
Amazonで買い物する際、下記よりお願いできればありがたいです。
・Amazon
(有料メルマガに頼らない私の方法 http://kasakoblog.exblog.jp/18718552/)
かさこツイッター(お気軽にフォローどうぞ。基本フォロー返しします)
http://twitter.com/kasakoworld
かさこフェイスブック(お気軽に申請どうぞ。基本承認致します)
http://www.facebook.com/kasakotaka