自分がバカだから自分よりバカを見つけて大喜びする~ツイッター炎上の論理
2014年 01月 06日
今年もグリーン車発言炎上騒動があった。
その度に不思議に思うのは、有名人の発言ならともかく、
よくもまあこんなフォロワー数の少ない「一般市民」のつぶやきを、
わざわざ発見してくる人がいて、わざわざ拡散する人がいて、
それに群がって「バカだ」「死ね」だ、
批判になってない低能なコメントで叩く人が多いよなということだ。
政治家の失言とか芸能人の非常識行為とかなら、
多くの人が発見し、拡散するのはわかるけど、
どこぞの誰とも知らないバカッターを見つけてきて、
祭り上げる心理って何なんだろうなと思うわけです。
そこで思うのが、日本が軍国主義へと突っ走った過程を、
政治学者の丸山真男氏が解き明かした「抑圧委譲の論理」ということだ。
自分は常に抑圧されている。
例えば上司とか会社とか親とかに。
でもそれに逆らうことができないし、
自分で努力して力をつけて、
そいつらを見返してやろうとか、そういう気力はない。
でも抑えつけられているから心理的不満がたまる。
そこでそのフラストレーションを解消するために、
自分より弱い立場や愚かだと思われる人間を見つけて、いじめることで、
「自分は最底辺じゃない。自分よりバカで愚かな人間がいる」と安心するわけだ。
これがまさに抑圧委譲の論理だ。
バカッターの炎上に群がる群衆がいるのと並行し、昨年から顕著になった傾向は、
中国・韓国を叩く記事を載せると週刊誌が売れるという話だ。
日本社会の中で暮らしていても自分は能力もなく、
たいしたこともできず、最底辺の人間だ。
でも「中国人や韓国人のような野蛮で愚かでバカな人種がいる」と思えば、安心できるわけだ。
まさにこれが丸山真男氏が指摘した、
国民が軍国主義の促進した「抑圧委譲の論理」で、
欧米には勝てないけど、アジア人より俺たちは上だという意識が、
アジアへの侵略戦争を国民自ら進んで行ったのではないかという推論である。
ツイッターでおかしな発言を見つけたら、
そいつを「バカだ」「アホだ」「死ね」「知能がない」などと叩くことで、
自分はバカだけど、自分よりバカなやつがいたと安心する。
だからバカはスルーできない。
なぜなら自分が優越感に浸れる唯一の救いだからだ。
自分が「バカ」だとか能力がないとか思うなら、
死の物狂いで努力し、必死で頭を使って考え、
失敗覚悟でいろいろチャレンジし、この閉塞した状況から抜け出せばいい。
でもそれは大変だし、面倒だ。
だから例えば自分が3の力しかなかったとしたら、
それを5や7に上げようとする努力は放棄し、
5や7の人間がミスしたら叩きまくって、
自分と同じ3に引き下げようと必死に努力したり、
もしくは自分より愚かな2や1の人間を見つけると、
「ほれ、俺よりバカなやつがいるぞ!」とみんなに知らせるために、
徹底して叩くことで、自分はマシな人間だと認めてもらいたい。
そういう心理がバカッターを発見し、叩き、炎上させる原動力となっているのではないか。
会社なんかでもよくいるじゃないですか。
自分の営業成績を上げることはしないくせして、
他人のミスを声高に叫んで、人の足を必死に引っ張ろうとする人が。
そういう心理構造だと同じだと思う。
ただ恐ろしいのは、こういう人たちが、
自分よりバカなやつを叩くだけでは不安心理が払しょくできず、
何か権威あるものにすがろうとすることだ。
最も簡単なのは「国のため」と称して戦争に駆り出すこと。
そういえば小説家の石田衣良氏が右傾化エンタメ作品ばかりが売れると分析していたが、
右傾化って自分では自立できない人間が、何かにすがりたい裏返しではないか。
バカを見つけて喜んでいても、
自分がバカなことからは抜け出せない。
他人のミスや失敗を見つけて大騒ぎしたところで、
自分の能力は何も上がってはいない。
そんなことに労力を使うのなら、大変かもしれないけど、
他人がどうのといってないで、自分が成長するために労力を使えばいい。
そしたらバカをバカだと叩いて喜ぶような、
何の生産性もない無駄な行為はしなくなるはずだ。
炎上案件が増えているのは、自分がバカだと思う人が、
努力してバカではなくなるのは面倒だから、
自分よりバカを見つけて自尊心を満たしているだけではないかと思う。
他人の足を引っ張っている暇があったら、
自分の能力を向上させることに力を向けてほしい。
・“負け組”から右傾化・カルト思想が生まれてくる~元オウム・上祐氏の話
http://kasakoblog.exblog.jp/20573644/
・他人の足を引っ張ることで自己満足に浸る人たち
http://kasakoblog.exblog.jp/21375753/
・「かさこマガジン」無料配布!
・かさこマガジン希望の方は、
郵便番号、住所(マンション名など省かず)、お名前、希望部数を、
kasakotaka@hotmail.comまでメールください。
Amazonで買い物する際、下記よりお願いできればありがたいです。
・Amazon
(有料メルマガに頼らない私の方法 http://kasakoblog.exblog.jp/18718552/)
かさこツイッター(お気軽にフォローどうぞ。基本フォロー返しします)
http://twitter.com/kasakoworld
かさこフェイスブック(お気軽に申請どうぞ。基本承認致します)
http://www.facebook.com/kasakotaka