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映画監督になりたいと思ったことは一度もない~手段が目的化するから間違える

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1/25に横浜鶴見で行われた映画「シロウオ~原発立地を断念させた町」上映会には、
予想をはるかに超えて約250名の来場者に来ていただきました。
上映終了後の、かさこ監督トークをYouTubeにアップしましたのでご覧ください。

http://www.youtube.com/watch?v=x3JXNiZKacE

<下記はテキスト>※動画での言い回しとは若干異なります。

みなさん、こんばんは。
映画「シロウオ~原発立地を断念させた町」の監督のかさこです。
私の映画初監督作品いかがでしたでしょうか?

ここにいらっしゃるみなさんの中には、私を以前から知っている方も多いと思います。
そうした方にとっては「えっ、かさこさんが映画監督?何かの冗談?」
と思っている方もいるかもしれません。
また「ああ、かさこさん、また新しいこと始めちゃった。
仕方がないからどんなものなのか見てやるか」というあたたかいファンの方もいると思います。

私は映画の初監督どころか映画製作に携わるのがはじめてです。
しかもすごくいろんな映画を見ているわけではありません。
そんな私が一番好きな映画は何かというと、これは多くの人に勧めているのですが、
「クレヨンしんちゃん、嵐を呼ぶ、モーレツ!オトナ帝国の逆襲」です。
私がクレヨンしんちゃん映画を真顔になってぜひ素晴らしいので見てくださいというと、
大概の人はきょとんとします。
というのもクレヨンしんちゃんは幼児向けのわりと下品なアニメなんです。
親御さんが幼稚園児に見せたくないアニメナンバーワンみたいなアニメです。
その映画版を勧めるなんて、この人、冗談で言っているのだろうかと。
いや、冗談じゃないです。
ぜひみなさん、今日、家に帰る際に、レンタルビデオ店によって、
クレヨンしんちゃんの「オトナ帝国の逆襲」を借りてみてください。
アニメの方は子供向けですけど、この映画は子供より大人が見た方が断然おもしろい。
特に団塊の世代の方がみると、涙流してみれる映画だと思います。
昭和な時代と家族愛を描いた物語ですのでぜひご覧いただければと思います。

そんなわけで原発をテーマにしたドキュメンタリー映画の監督トークなのに、
クレヨンしんちゃんの映画を勧めるというちょっとおかしな展開になりましたが、
何を言いたいかというと、そのぐらい私は映画とは縁がなかった人間だということです。
そんな私がなぜ映画監督になったのか。

私は原発事故が起きる前から原発に反対していたわけではありません。
原発は必要悪だと思っていました。
ちなみに私が大学卒業して2年間働いていたのはサラ金です。
高い金利で金を貸す仕事。
世間からは非難する声もありましたが、私はサラ金に勤めてみて、
これは必要悪なんだと思いました。
原発もサラ金も同じ。ない方がいいけど、必要なものだと。

しかし2011年3月11日に東日本大震災が起きました。
まさかこの日本で起きるとは思いもしなかった、
広範囲に被害を及ぼす原発事故が福島で起きました。
はじめは津波被災地の取材をしていましたが、次第に原発事故のすさまじさを感じ、
原発取材へとシフトしていきました。

一般の人が立入禁止となっている放射線量の高い福島原発20キロ圏内にも取材に行きました。
そこで感じたのは見えない恐怖の恐ろしさ。
ガイガーカウンターを持参し、数値がどんどん上昇し、
普段なら0.0いくつのはずの場所がなんと最高40マイクロシーベルト/時もある。
しかしそんな異常な危険な空間にいても、
気分が悪くなるわけでもなく、鼻血が出るわけでもない。
この見えない恐怖こそが原発の恐ろしさだと体感しました。

原発取材をメインにしようと、新潟県柏崎刈羽原発の反対運動を取材するツアーに参加しました。
そこで私はカメラマンともライターとも名乗らずに参加していたのですが、
原発を前に写真を撮っている私に、こんなぎょっとする声をかけられたのです。
「君、プロなんじゃないの?カメラのプロでしょ。構え方が違う」
振り返るとそこにいたのが今回映画のプロデューサーを担当した矢間秀次郎さんでした。
これが矢間さんとの運命的な出会いです。

しかしその時、矢間さんとはそれっきりで終わっていた。
ところが2013年の正月に突然、矢間さんから電話がかかってきました。
「かさこさん、映画監督やってみませんか」。
正月休みで寝ぼけているのか酔っ払っているのかと思ったのですが矢間さんは本気でした。
でもなぜ私を映画監督に?
何か新手の詐欺なんじゃないか。
映画監督にするから出資しろとか、そういう話なんじゃないかと思って警戒しました。
でもそうではありませんでした。
矢間さんは私が毎年年賀状代わりに、
名刺交換させていただいた方や、希望者に配布している「かさこマガジン」を見て、
この編集力、構成力は素晴らしい。
映画制作に活かせるのではないかと考え、私に声をかけてくれたのです。
こうして矢間さんと私と、カメラマンである中井さん、
録音・編集の田辺さんという2人の映画のプロフェッショナルをスタッフに加え、
4人で1年間かけて、和歌山、徳島に何度も足を運び、この映画ができました。

先週、映画シロウオの初上映が武蔵小金井でありました。
約350名の方にご来場いただき、アンケートが約170通返ってきました。
アンケートで映画について、よかった、普通、つまらなかったの3択で答えていただいたのですが、
よかったが146通、普通が13通。
圧倒的多くの方に映画はよかったとまるをつけてもらったわけですが、
つまらなかったが1通あった。
たった1通というのが逆にものすごく気にかかった。
そこのコメントになんと書いてあったのか。

「監督は本当に映画を撮りたかったのだろうか」

私ははっとしましたね。
ある意味、本質をついている。
というのも私は映画を撮りたいと思ったこともないし、
映画監督になりたいと思ったこともない。
じゃあなぜこの映画を作ったのか。
原発再稼働を止めたいから、風化する原発問題を考え直してほしいからこの映画を作ったのです。

映画や映画監督に憧れてそのために原発を題材に選んで映画を作ったわけではありません。
原発を止めるために、原発問題を広く多くの人に知っていただくために、
その目的のために映画を作ったのです。

本日配布した「かさこマガジン4」の32~33ページに
「方法や手段は何だっていい。手段が目的化するから間違える」という文章があります。

原発とはまさに手段と目的が混同しているものなのではないかと。
電気が必要だから原発を動かすんじゃない。
原発を動かしたいから電気が足りていようが原発を再稼働させようとしているのです。

なぜ原発立地地域の人たちが原発の増設を要求するのか。
原発麻薬の交付金や固定資産税が目減りし、新しい原発を立てないと経済がもたないからです。
電気の需給など一切関係ない。
まさに目的と手段が混同している例ではないでしょうか。

映画監督になってほしいとプロデューサーの矢間氏から声をかけられたのが1年前です。
その時、私はこの原発立地を止めた町というテーマを描くにあたり、
真っ先に考えたことは、映画で表現する必要はあるのだろうか?ということでした。
なぜなら私の本業は文章を書き、写真を撮り、書籍を出版することなので、
そちらの方がたやすいことだからです。

でも矢間氏とロケハンに出かける中で、このテーマは文章より映像の方がいいかもしれないと思いました。
今日見ていただいたような、原発を止めた町の自然の美しさとか、
徳島の牧場の米山さんのあの激怒する様子とか、
最後のシーンに出てきた民宿の濱さんの奥さんの、
心の底から原発を止めてよかったという表情とかは、文章と写真では限界がある。
映像なら人々の言葉だけでなく表情とか町の風景がありありと伝わる。
だからこれはルポより映像の方がいいんじゃないかなと思い、映画にしようと思ったのです。

この映画はまだ上映2回目です。
もしこの映画がよかったと思ってくれた方がいらっしゃいましたら、
こんな映画があるよと知人の方にお伝えください。
またブログやツイッターやフェイスブックなどをしている方は、
ぜひ映画の感想をネットにアップしていただければ幸いです。
あらためて今日ご来場いただいたみなさま、誠にありがとうございました。

※映画上映後のアンケート速報
回答数186名、よかった149名、普通23名、つまらなかった1名、未回答13名

・自主上映してくださる方を募集しています!
上映の貸出条件は5万円+(動員数×500円)※上限10万円
詳細
http://www.kasako.com/2013eiga5.html

・映画「クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲
・エンディングテーマ曲収録「魂の歌
・もっと詳しく原発の反対運動を知りたい方におすすめ。
原発を拒み続けた和歌山の記録
・武蔵小金井での監督トーク
http://www.youtube.com/watch?v=yo3sSmXS0WU

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※すでに6人の参加申込みありました。
http://www.sanctuarybooks.jp/eventblog/index.php?e=739

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郵便番号、住所(マンション名など省かず)、お名前、希望部数を、
kasakotaka@hotmail.comまでメールください。

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by kasakoblog | 2014-01-26 04:19 | 東日本大震災・原発

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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