お米のクレープ店を原宿に出店する小麦アレルギーのパティシエ店主
2014年 02月 05日
とにこやかに話すのは梶浦恭弘さん(48歳)。
小麦アレルギーになったのは10年ぐらい前のこと。
梶浦さんはこれまでずっと飲食業一筋でやってきた。
高校卒業後、調理の専門学校に3年。
東京のフランス料理店で3年。東京のパン屋で3年。神戸のケーキ屋で6年。
パティシエとして様々な店で修業を積み、
念願かない、生まれ育った愛知県豊橋市で、
自分のケーキ店を持つことができた。
ところが店を構えた1年後。突然、小麦アレルギーになってしまった。
ケーキ屋なのに店主が小麦アレルギーになってしまうなんて……。
とはいえ自分の店を構えたばかり。
このままやめるわけにはいかないと、しばらく我慢して店を続けていたが、
アレルギーになった体で続けることは不可能だった。
「飲食業で働く人で食品アレルギーになる人は結構いるんです。
でもアレルギーになってしまうとだいたいが飲食業をやめてしまう。
でも私はそれはしたくなかった。
作るのが好き。食べて喜んでもらうのが好き。
アレルギーのために好きなことを辞める気はなかった」
小麦を使わなくてもおいしいケーキを作ればいい。
いろいろ研究を重ねた結果、お米を使っておいしいケーキを作れるようになり、
お米のケーキ屋さんをオープンさせた。
「はじめはお米屋さんと間違う人が多くいました。
店に入ってきて『なんでケーキしか売ってないんだ。お米はないのか!』って(笑)」
おいしいケーキの秘訣は、自ら製品開発を行った米粉。
小麦はもちろん、小麦に含まれるタンパク質も一切使わないグルテンフリーの食材だ。
グルテンフリーなので、アレルギーの人に限らず、
一般の人にもダイエットや健康にもいいということで評判になった。
おいしいケーキを食べても太りにくいならこんないいことはない。
梶浦さんはケーキ屋をするだけにとどまらず、
家でも気軽に調理できるよう、様々な米粉の通信販売を開始。
米粉のホットケーキミックス、米粉のお好み焼きミックス粉、
米粉のたこやきミックス粉、米粉のからあげ粉などを開発し、販売もしている。
小麦アレルギーの人にとって、おいしいケーキを食べられるのはうれしいこと。
遠くからわざわざ豊橋まで店に来てくれる人も多くいた。
はい、これでめでたし、めでたし、
とならないのが梶浦さんのおもしろさだ。
梶浦さんは思った。
「このままでは広がりがない」と。
「俺の夢は小麦アレルギーの全国の子供たちに、
安心して食べられるおいしいスイーツを提供することだ!」
という思いが大きく膨らんでいた。
もっと多くの人に小麦なしでも、
おいしいスイーツが食べれることを知ってほしい。
アレルギーの人だけでなく、健康やダイエットを気にする人にも、
グルテンフリーのスイーツを食べてほしい。
そこで思いきった決断に出た。
豊橋の店を半年間、閉め、原宿でお米のクレープ専門店を出店することにしたのだ。
「小麦なしでおいしいスイーツが食べれることを、
広く全国の人に知ってもらうためには何がいいか考え、
原宿でクレープ店を出すことにしました。
原宿という場所でクレープ店を出すことで、
店の存在自体が世の中に向けた大きな情報発信になる。
また多くの人に実際に食べてもらって、
小麦なしでもおいしいスイーツがあることを知ってほしい」
豊橋でお米のケーキ屋さんと通信販売だけをやっていれば、
ビジネス上の大きなリスクを背負わず、生活ができただろう。
にもかかわらず、あえて梶浦さんは大きなリスクをかけて、原宿に店を出す。
店は原宿駅からすぐ近く、竹下通りからも近いが、
かなりの裏路地にあるため、たまたま道を通った人が訪れる場所ではない。
妻も子供もいるが、従業員2人を連れて東京暮らしをスタートし、
店舗資金や厨房機器など様々な出費をして、店を出す。
なぜわざわざこんなことを?と私は思ったが、
梶浦さんは楽しそうにこう話してくれた。
「だってこのままじゃ、つまらないじゃないですか。
原宿に店を出すことにはもちろん不安もあります。
でもやってみなければわからない。何もしない限り、広がらない。
それに何より原宿に店を出すなんて楽しいじゃないですか。
私は今まで苦労したとか大変だったとか思ったことはない。
自分が好きで、楽しいことをしているだけ。だから不安より期待の方が大きい」
「だからね、小麦アレルギーになったけど、
今までつらいとか苦しいとか思ったことはほとんどない。
むしろ小麦アレルギーになって、お米でおいしいものが作れることを知り、
今まで以上に人生楽しくやってます」と心から楽しそうに話をしてくれた。
小麦アレルギーの子供にもおいしく食べれるものを提供したい。
アレルギーの人じゃなくても、おいしいものを食べてほしい。
より多くの人にお米クレープを知ってもらおうと、ユニークな取り組みもはじめている。
カフェやケーキ屋さんなどに、このお米クレープを、
メニューに加えませんか?という働きかけをしているのだ。
「お米のクレープ店をやってくれるフランチャイズ店も募集していますが、
フランチャイズ店というと敷居が高いじゃないですか。
そこですでに店を持っているカフェなどに、
お米クレープを1メニューとして導入しませんかと話を持ちかけています。
カフェでお米クレープをメニューとして導入すれば、
モーニングやランチ以外の時間で客の単価アップにつながる可能性がある。
私としても多くの店がメニューに取り入れてくれたら、
全国の子供たちにおいしいお米クレープを広めることができる」
ものすごいリスクを負っての出店にもかかわらず、
むしろ原宿出店を機に、大きなチャンスが広がるとワクワクしていて、
楽しそうな梶浦さんは、
「動かなければ何もはじまらない。好きなことをとことんやればいい。
失敗したら撤退すればいいだけ」と話してくれた。
梶浦さんのクレープ屋さんは2月8日(土)からオープン。
私も店の準備中に訪れて食べましたが、おいしかったです!
ぜひ一度、お米のクレープを味わってみてください。
店名:JAPAN CRAPE
住所:渋谷区神宮前1-15-1 ビア原宿1階
※かなりわかりにくいので地図をよく見て行くように。
営業時間:10~20時(年中無休)
メニュー
フェイスブックページ
https://www.facebook.com/japancrepe.harajuku
米粉の通信販売
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