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大学3年で100万部の大ベストセラー作家となった人が語る「マスコミはヒーローを作り叩いて儲ける商売」

普通の大学3年生の若者が出版した本が、1年間で126万部の大ベストセラーとなり、
ドラマ化、映画化されるなど、1964年(昭和39年)に東京オリンピックと並ぶ、空前絶後の大ブーム。
一躍、時の人となった――。
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その方は河野實(まこと)さん(今年で73歳)。
河野さんは高校卒業後、浪人中に病院で大島みち子さんとの運命的な出会いをする。
みち子さんことミコさんは顔面の軟骨肉腫という不治の病。
病と闘うミコさんと河野さん=マコさんは3年間、約400通もの文通を行ったが、
ミコさんは21歳の若さで亡くなってしまった。

「なぜ、あんなに美しく、素晴らしい若い女性が、命を落とさなければならないのか!」
マコさんは悔しくて悔しくてならなかった。
町を歩けば、生の尊さも感じず、のほほんと生きている人が許せなかった。
なぜよりにもよって彼女の命を・・・・・・。
怒り、悔しさ、悲しさ、絶望。
やり場のないこの気持ちをどこへ持っていけばわからなかったが、
「ミコのかたき討ちをしたい」との思いから、手紙のやりとりを出版しようと考える。
こんなに素晴らしい女性がこの世にいたことを、
こんなに素晴らしい女性が若くして亡くなってしまったことを、
多くの人に知ってほしいと思ったからだ。

両手に約400通もの手紙を紙袋に入れて、大手出版社を回った。
どこに行っても門前払い。手紙の中身すら見てもらえない。

そんな時、大学の寮で一緒だった友人がこんなアドバイスをしてくれた。
「大手出版社なんかおまえなんか相手にするわけがない。
吹けば飛ぶような小さな出版社を回った方がいい」
そのアドバイスに従い、そこで当時は民家で営業していた大和書房を訪れた。

「これはすごい!ベストセラーになるに違いない。すぐ出版しよう!」
同郷だった創業社長の大和岩雄氏がすぐさまGoサインを出した。
感動の物語はものの見事に大ベストセラーとなった。

「当時は変装して歩かなければならなかった」と河野さんはそのフィーバーぶりを振り返る。
純愛のヒーローとして大学3年生にして脚光を浴びたのだ。

「でもマスコミはヒーローを称えるより、ヒーローを叩いた方が売れるんです。
というより消費者がそれを望んでいる。
だってそうでしょう?
多くの人にとって見たいのは、他人の幸せより他人の不幸。
他人の不幸こそ、自分にとっての幸せなんです。
有名であればあるほどいい。
その人が地に落ちた姿を見て『ざまみろ!』というのが快感なんです」

純愛のヒーローとして河野さんを祭り上げたマスコミは、
ベストセラーによる印税で儲けた河野さんを叩くようになる。
「週刊誌なんていうのがその典型でね。
有名人の酒と女と金にまつわる話を書けば、バカな国民は飛びついて買う。
国民をバカにしてるんですよ。でも俗物主義的な内容ほど売れるのが事実」
印税で儲けたという批判記事が相次いだ。

当時、印税で3400万円手に入れたという。
今の金額で換算すると5億円ぐらいになるのではないか。
「すぐさま国税局の人がきましてね、
確定申告する際は職業欄に作家と書くなと。学生と書けよと。
なぜだかわかりますか?
作家ならいろんなものが経費となるが、
学生となれば本業でないから、ほとんど経費と認められない。
とれるところから税金をとってやろう。そんな感じでしたよ」
最高税率約65%がかけられた。さらに翌年、市民税も最高税率で課税される。

「血縁者や近所の人もすごかったですよ。
あいつは印税で儲かっているから、公民館の修理代を出させようとか、
何かと寄付をさせようとか」
思いもよらない印税は周囲の目を変えた。
欲にくらんだ大人たちが「河野から1円でも多くむしりとれ!」と群がるようになったという。

彼女の無念の死を多くの人に知らしめる「かたき討ち」はできたが、
想定をはるかに超えた大ブームは反動も大きかった。

また出版から5年半後に結婚したことも、絶好のマスコミの餌食となった。
「早すぎるマコの結婚」などと書かれ、叩かれた。

「でも“地に落ちたヒーロー”を喜ぶ国民がいる限り、
週刊誌はおもしろおかしく書きたて、ヒーローを八つ裂きにすることで、金儲けを続けていく。
マスコミとはヒーローを作り上げて儲け、
今度はそのヒーローを叩き潰すことで儲けるアコギな商売。
言論の自由をはき違えている」と、自らの経験をもとに語る。

そんな河野さんのその後の人生もおもしろい。
中央大学商学部に入学していたが中退した。
ずっとカメラマンになりたいと思っていた。
税金でかなりとられたとはいえ、思わぬ大ベストセラーとなり、
入ってきた印税で、写真の専門学校に入学し、カメラの勉強に励んだ。
そのままフリーランスになった。

はじめは仕事がなかなかなくて大変だったというが、
ひょんなきっかけから、仕事が入るようになる。
「河野さんって、あの大ベストセラー書いた人だよね?」
「はい、そうです」
「じゃあ文章も書けるよね。写真撮影だけじゃなく文章も書いてよ。
そしたら記者とカメラマン、2人派遣しなくてコストが浮くからさ」

河野さんはこうして文章も書けるカメラマンとして仕事を増やしていき、
10数年、フリーランスとして活躍した後、大手経済専門誌の会社に入社。
副編集長、常務取締役出版局長、副社長を歴任した後、1990年に再び独立したのであった。

今年でもう73歳になる。
今は講演活動や著作活動を続けるほか、家庭菜園に楽しむ日々を送っている。

それにしてもカメライターで中央大学の先輩でもあり、
経済関連の記者もやり、海外渡航関連の本も書いているという、
非常に私と共通点が多いところも驚きだった。

「わが人生に悔いなし!」
そういって豪快に笑う、今も元気な河野さん。
フェイスブックも使いこなしているという。
河野さんのように人生に悔いなしと断言できる大人でありたいなと思った。

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by kasakoblog | 2014-02-16 22:16 | 生き方

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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