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マグロで有名な大間に原発建設で函館が大迷惑という話

「私、函館出身なんで、地元で原発建設が進んでいて大変なんですよ!」

大阪での映画「シロウオ~原発立地を断念させた町」の上映会後のこと。
函館出身で大阪在住の方がこのようなコメントをして、一瞬「?」と思った。
函館に原発はないはずだ。しかしその後の説明でなるほど、そうだった!と思い直した。

「函館すぐそばの青森県の大間町で原発が新設されようとしているんです。
大間原発で事故があったら函館はひとたまりもありません!」
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大間といえばご存知、マグロの大間。
青森県の大間町に原発ができるのに、なぜ北海道の函館で問題に?
と多くの人は不思議に思うかもしれないが、
地図を見ていただければわかる通り、他県にもかかわらず極めて近い。
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函館から大間まで約30kmの距離。
つまり青森県の大間原発で事故があったら、
そのせいで北海道の函館が死の町になってしまう可能性があるのだ。

以前、函館旅行に行く際、地図を見て大間町の近さに驚き、
しかも函館から大間まで1時間半で行けるフェリーが出ており、船に乗って旅したことがある。
そういえば、函館と大間って近かったなと。

福島原発事故が起きたにもかかわらず、
過疎化した町の一部の住民は原発マネーにすがってラクして生きていきたいがために、
地元の原発反対派のみならず、近隣住民の意向をまったく無視して、
原発推進・原発容認に動いている。
しかし福島原発事故でもわかったように、
金にすがってあぶく銭でボロ儲けする原発立地自治体の腐った住民はよくても、
被害だけ被る周辺自治体にすればとんだ迷惑だ。

そこで函館市では大間原発差し止め訴訟に動いている。
「函館市の大間原子力発電所に対する対応について」によると、
「函館は,大間原発から最短で23km,晴天時には,工事現場が見える程の至近距離にあります」
「大間原発の50km圏内の人口は,青森側が9万人,北海道側は37万人」
と説明している。
http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/soumu/ohmagenpatsu/

そりゃ、ふざけんな!という話だ。
過疎化した自治体を助けるために、青森は9万人が犠牲になるだけで、
原発マネーであぶく銭が稼げるかもしれないが、
函館は原発マネーの恩恵もなく、事故が起きれば37万人もの被害を被るなんて、
絶対に許されないことだと考えるのは当然だ。

福島原発事故が起きたにもかかわらず、
原発新設に動いているのは、山口県の上関原発だ。
ツイッターで、この期に及んで原発新設するなんて腐った住民だとつぶやいたところ、
「過疎化した町を他にどうやって経済活性化するのか?」といった批判があったが、
いやいや、原発っていうのは過疎化した自治体を救うためにあるもんじゃないから。

そんな風に考えていたからバカ高いコストを払わされ、
必要もないのにぼこぼこ建ててしまい、
挙句の果てに原発事故が起き、日本中を被害を及ぼしてしまった。
過疎化した町を救うためなら、周辺自治体に迷惑かけてもいいのか。
そもそも原発を作る作らないは、原発立地自治体の過疎化うんぬんとは関係ない。
日本全体のエネルギー政策で見て原発が必要なら建てるだけであって、
別に過疎化した町を救うための公共事業ではない。
そもそも原発誘致しても経済発展が続くわけじゃないから。
それは福島や新潟を見れば明らかだ。

参考:原発誘致で財政危機に陥った柏崎市~原発麻薬の恐ろしさ
http://kasakoblog.exblog.jp/19004306/

※ちなみに映画「シロウオ」に登場する原発を反対した町の一つ、徳島の伊座利は、
陸の孤島と呼ばれ、何の産業もないにもかかわらず、
住民の知恵により奇跡の復活劇を遂げている。
過疎化しているから原発しかないなんて、お話にならない。
伊座利を視察にしにいけばいい。
http://kasakoblog.exblog.jp/9913849/

福島原発事故で立地自治体が死の町になったのは自業自得だとしても、
飯館村とか他県で汚染がひどい地域なんてたまったもんじゃない。
おまえらの金儲けのために関係のないうちらが犠牲になるのかと。
本筋でいえば、原発事故を起こした自治体の住民が賠償金をもらうのではなく、
原発立地自治体の住民が周辺住民に賠償金を払わなくてはいけない。
事故を起こして迷惑かけたんだから。
「いやいや東京のために電気作って犠牲になっていたんだから」
というが、それもとんだ欺瞞だったことが福島原発事故でわかってしまった。
原発麻薬に依存し、原発増設を自ら望んでいたのは、
電気の消費地ではなく、原発立地自治体そのものだった。

参考:あぶく銭で稼いだ町や人間は滅亡する~NHKEテレ「福島浜通り原発の町」を見て
http://kasakoblog.exblog.jp/21533102/

参考:あなたの電気料金で4870人の村に40億円のサッカー場オープン
http://kasakoblog.exblog.jp/18997625/

放射能汚染に県境は関係ない。
空気も海も大地もみんなつながっている。
どこかで事故が起きれば、あぶく銭に股を開いた住民だけでなく、
原発に反対している周辺自治体にまで被害を及ぼす。

映画「シロウオ~原発立地を断念させた町」では、和歌山と徳島を取り上げた。
関西と四国で一見離れているように見えるのだが、
実は地図で見ると船で1時間あまりの距離しか離れていない。
和歌山の漁師も徳島の漁師も漁場は同じ。

だからこそ徳島で原発計画を阻止した後、和歌山で原発計画が持ち上がった時、
「せっかく地元で原発阻止したのに、対岸にできたら意味ないやん!」と考え、
徳島と和歌山の住民が連携して原発反対運動に取り組んだのだ。

はじめ映画では高知、徳島、和歌山、三重の4つを取り上げる予定でいた。
地域という意味で2つを取り上げるのなら、高知+徳島か和歌山+三重になるはずだが、
対岸に原発ができたら元も子もないと考え、
海をはさんで住民が協力したというのは実におもしろいと考え、
映画「シロウオ」では徳島と和歌山を取り上げた。

県だとか町だとかそんなせせこましい、
人為的な線引きで物を判断するから間違う。
空も海も土もみんなつながっている。

原発立地自治体が原発に賛成すれば原発を動かしていいという問題ではない。
周辺自治体に大迷惑をかけるということが、福島原発事故でわかったはずだ。

「自分たちの県に原発はないから私には関係ない」では済まされない。
もし事故が起きれば、原発のない県、原発から遠く離れた場所にも被害が及ぶ。
だから金をちらちかされて股を開きそうになっている、
原発立地自治体だけで判断させてはならないと思う。

・映画シロウオ公式サイト
http://www.kasako.com/eiga1.html

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by kasakoblog | 2014-03-25 22:52 | 東日本大震災・原発

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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