もし北海道で原発事故が起きたら「風評」だろうと北海道産は売れなくなる

鼻血が風評被害だと騒いでいるが、鼻血があろうがなかろうが、
鼻血が原発事故のせいであろうがなかろうが、
目先の利益のために原発を誘致したら風評被害はつきもの。
今になって風評被害だと騒ぐのはお門違い。
そんなことは百も承知のはずだ。

原発を引き受けるということは、たとえ科学的に安全であろうとも、
自治体イメージは地に落ち、実害だけでなく風評被害ももたらす。
風評被害がイヤだったら原発なんか受け入れてはダメだ。
風評被害がイヤだったら原発再稼働なんかしてはならない。

5月15日に釧路で、5月16日に旭川で、5月18日に札幌で、
映画「シロウオ～原発立地を断念させた町」の上映があり、
上映後の監督トークを行うため、北海道に来ている。

各地で上映会をやっているのだが、その土地その土地で、
原発に対する思いや考えは微妙に違う。
そこで毎回微妙に監督トークの話す内容を変えているのだが、
釧路、旭川では漫画「美味しんぼ」の鼻血騒動直後ということもあり、
また北海道は泊原発しかなく、釧路や旭川はかなり離れているので、
今までの上映会トークとは違い、こんな話を盛り込んでいる。

「もし泊原発で事故が起きれば、たとえ本当は安全であろうとも、
北海道産のものはほとんど売れなくなる。
北海道は危険な場所だと思われる。北海道に観光に行く人は激減する。
道内の人にとっては『原発からものすごく離れているのに』
と思うかもしれないが、他県の人間から見れば、
『北海道で原発事故が起きた』＝『北海道は危険』と思うだろう。

それを『風評被害だ！』『安全なんだから食品を買ってくれ！』
なんていっても意味はまるでない。
原発とは風評リスクも含んでいるものだから。
そう。今の福島のように。
だから遠く離れても声を上げて原発反対した方がよい。
でないと『風評被害』という名の実害で下手したら立ち直れないぐらいの、
ダメージを受ける可能性がある」」

他県のことなんかみんなよく知らない。
福島で事故が起きれば福島が危険。
北海道で事故が起きれば北海道が危険。
そう思うのは当然であって、
いや浜通りと中通りと会津は違うなんて説明しても、
他県の人のほとんどは知らないし、
その３つのエリアは表立って口には出さないが、
ものすごい仲が悪いなんてことは知らない。
ただただ他県から見たら、福島は福島にしか過ぎないのだ。

映画「シロウオ」の中で徳島の蒲生田原発計画に反対した漁師の太居さんは、
「原発ができても漁はできる。
でもいくらそこでとれた魚を検査して『安全です』といったところで、
原発そばでとれた魚なんて誰も買いたくない。
買う人がいたとしても通常の半値以下ぐらいの値段にしかならない。
だから事故が起きなくても原発に反対した」
といったようなことを話していたのが印象的だった。
風評被害は想定内のリスクなのだ。

京都大学原子炉実験所の小出裕章先生の言葉も印象的だ。
「原発を立地されようとした自治体は原発が危険なんてことはわかっていた」
「でも原発にすがって生きていきたいという人は今でもいるだろうし、
かつてもいたのです」と述べている。
今さら原発が危険なんて思わなかったなんて、そんな話は通用しないのだ。

原発立地自治体は金欲しさに原発再稼働に賛成する可能性があるが、
その人たちのせいで、どんなに遠く離れても、
県全体のイメージが地獄に突き落とされるリスクをはらんでいる原発。
原発は立地自治体の問題じゃない。
他人事ではなく、自分事として原発問題を考えないと、
「風評被害」で生活ができなくなってしまうだろう。

原発は風評被害をもたらすもの。
そこを勘違いして被害者ずらしても手遅れ。
だから原発を再稼働させてはならないと思う。

・原発に風評被害はつきもの～2014．5.15釧路上映会監督トーク

https://www.youtube.com/watch?v=xT_j5lJ6bMI

・小出裕章先生インタビュー動画

https://www.youtube.com/watch?v=YdrC0H_UmqQ

・戦争と原発～お上の言うこと信じたらあかん

https://www.youtube.com/watch?v=PEA83PueKDI

＜5/18札幌での映画「シロウオ」上映会＞
・会場：札幌市教育文化会館（東西線「西11丁目」駅から徒歩5分）
・昼の部：開場13：40、上映14：00～15：45、監督トーク15：50～16：20
・夜の部：開場17：40、上映18：00～19：45、監督トーク19：50～20：20
・料金：1000円

・事前予約申込について（座席を優先確保。代金は当日払。各回150席定員）
１：参加する方のお名前をカタカナでフルネーム
２：参加する回：昼の部または夜の部
を下記メールにお知らせください。
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