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中間貯蔵施設「最後は金目」発言批判のなぜ。原発誘致したのはカネでしょ!

石原伸晃環境相は16日、東京電力福島第1原発事故の除染で出た汚染土の中間貯蔵施設に関し、
建設に向けた地元との調整について「最後は金目でしょ」と述べた。

建設候補地の福島県大熊、双葉両町など地元自治体が施設受け入れの是非の判断を今後迫られる中、
住民らへの配慮を欠く発言として批判を招く可能性がある。
同相はこの直後、環境省内で改めて記者団の取材に応じ、
「お金で解決すると一度も言ったことはないし、解決できる話ではない」と釈明した。


時事通信より

なぜこの発言をわざわざニュースで大々的に取り上げ、
まるで大臣が失言したかのように扱うのかがまったくわからない。
っていうかさ、原発誘致した住民は、金のために誘致したんでしょ?
仕事欲しさに誘致したんでしょ?
危険だとわかっていながら多額の賠償金もらえるから誘致OKしたんでしょ?
交付金という名の事前賠償金をたらふくもらえるから誘致したんでしょ?
それで今まで町が栄えてきたんでしょ。
危険より金を選んで。

危険、高コスト、管理もできない原発を推進しているのは、すべては金。
その意味で大臣の発言は正しい。
最後は金。
金になびいた人間が原発施設を受け入れる。
ただそれだけだ。

しかし原発マネーにたぶらかされた住民ばかりではない。
原発が危険であることを察知し、原発計画がありながら、
原発計画を阻止した町は全国に30以上もある。
30ですよ。
1つや2つではない。
原発マネーにたぶらかされなかった住民はいっぱいいたんです。

その中で原発マネーを拒否し、原発計画を葬り去った、
和歌山県日高町と徳島県阿南市を取り上げたドキュメンタリー映画が、
私が監督をした「シロウオ~原発立地を断念させた町」だ。

日高町も阿南市の椿町・椿泊町も決して裕福な都会的な町ではない。
そんな中、原発誘致してくれたら金をやると、
多額の金額提示もされたにもかかわらず、彼らは拒否した。

徳島県椿泊町の漁師の太居さんは当時を振り返ってこう語った。
「長い目で見たら、そんな一時金、1000万、2000万円のお金をもろうて合わんでな」

徳島県椿町の民宿を営む岡本さんは、
「原発が来たら道が広がるとか、いろいろ言ってくれだけどね。
道が広がっても人間が住めなんだらしょうがないけんね」と話してくれた。

和歌山の漁師の濱さんはこんな風に語ってくれた。
「原発が来たら、たくさんのお金をくれるから、町が豊かになるんやとか、
補償金をもらったら、一軒一軒、今まで見たことないようなお金をくれるんやとか、
お金をもらったらようなるよというような話ばっかりされてですね、
僕らにもいろいろ誘惑に来たですよ。
でも僕らはそういう話には全然乗らなかったですね。 
お金をもらったって一時のもんでしょう。どれだけのお金をもらってもね。
やっぱし毎日毎日こつこつ、こつこつ働いて、
稼いでお金を儲けたお金がよっぽどありがたいと思ったですね。
それに、原発が安全なものだったら、こんなに賛成、反対ってもめないと思います。
原発は不安をいっぱい抱えた怪物やからね」

もともと原発推進派で福島の原発立地を視察したこともあり、
その後、反対に転じた和歌山県日高町長の志賀さんはこんな風に語ってくれた。
「双葉町ですか、福島の。あそこも行って、見てきました。
それは立派な、やっぱり交付金でいろいろなされてるんで、さすがにいいなと思いましたよ。
双葉町の町長なんかは、反対派の人は町内におらんでもええのやと。
そういう話も出ましたよ。それはもう建物はいい。道はいい。
水道だの、農業の耕地整理はしている。全部三法交付金でできたということでね。
それは大体の人は皆、賛成するよ。
これはやっぱり原発に来てもらわにゃということで意気揚々と帰ってきたんですよ。

ほやけど、公民館という教育関係の仕事をやって、公民館結婚があったわけですね。
そうしたら、兄弟来ない、親来ない、親戚来ないということになってきた。
原発推進派と反対派が分かれていたせいで。
こんなことじゃいかんということで、
とにかく町は貧しくても1つになろうと考えて、
私が原発反対で町長選挙に出たんです」

金の誘惑はあった。
でも金に負けない住民が多かった町は、原発を追い出すことができた。
金の誘惑に負けた住民が多かった町は、原発を受け入れた。
そして原発を受け入れた町はどうなったか。
死の町になった。
一時の金の誘惑のために、故郷を売ったために。

もう取り返しはつかない。
そのせいで故郷だけでなく日本全国、世界各地を汚染させた。
にもかかわらず貯蔵施設はイヤだと。
じゃあどこに持ってくんだよ?
原発誘致してさんざんおいしい思いをして、
たらふく交付金という名の事前賠償金をもらっていながら、
事故を起こした汚染土を、汚染されていない町にまき散らすというのか。

原発はカネにまみれた事業。
だから危険だし、高コストだし、トイレのないマンションと揶揄されたように、
原発から出たゴミ問題も解決策がないのに、
金欲しさに魂を売った連中が原発を推進してきた。
その結果がこれだ。

だから大臣の「最後は金目でしょ」という発言はなんもおかしくない。
金で判断したから原発なんて危険なものを推進した。

でもこれだけは言える。
多額の金を積まれながら、故郷を守るため、自然を守るため、
家族を守るため、土地を守るために、原発マネーにたぶらかされず、
原発計画に反対し、阻止した住民たちがいたことを。

福島原発事故が起きる前。
チェルノブイリ事故が起きる前にもかかわらず、
彼らは原発の危険性に気づき、いつか事故が起きると察知し、断固として反対した。

彼らがなぜ反対したのか。
彼らの住民の生の声を聴いてほしい。
そんな思いでドキュメンタリー映画「シロウオ~原発立地を断念させた町」を作った。
映画を見もしないで「こんなこと言うなんて福島の人がかわいそうだ」
という輩もいるが、見もしないで批判する前に映画を見てほしい。
原発マネーにたぶらかされず、
原発計画を阻止した住民の声を聞けば、今までの認識が変わるだろう。

上映予定
・6/22(日)横須賀生涯学習センター大ホール。
上映14:00~15:45。終了後、かさこ監督トーク。17時終了予定。
入場券1200円。
申込 http://sirouoprojectyc.jimdo.com/
問合せ:今井080-8055-7589

・6/28(土)ティアラこうとう大会議室。上映18:30~20:15。
終了後、かさこ監督トーク。21時終了予定。
前売1000円、当日1300円。
問合せ:伴03-3647-3386
http://plaza.rakuten.co.jp/toshi19730112/diary/20140510/

・8/9(土)ベルブ永山5Fホール。上映18:45~。
終了後、かさこ監督トーク。東都生協会員800円、一般1000円。
予約:東都生協水を感じる会・豊間根042-338-0956
東都生協国立センター042-580-1750

・映画紹介動画

http://www.youtube.com/watch?v=FxL9ZYqRZNE

・映画公式ホームページ
http://www.kasako.com/eiga1.html

・ちなみに石原氏といえば「福島原発サティアン発言」が問題になったが、
この発言も十分正しい。
http://kasakoblog.exblog.jp/18855303/

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by kasakoblog | 2014-06-17 12:11 | 東日本大震災・原発

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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