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あげっぱなしじゃない義援金~お礼に牡蠣が送られてきた!~田代島にゃんこ共和国の画期的な成功例

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義援金って一方的に与えるものがほとんど。
ところが東日本大震災ではお礼付きの義援金があった。
その一つが宮城県石巻市の田代島の義援金だ。
なんとお礼に今日、牡蠣が送られてきた。
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甚大な被害にあった方のために義援金を送るのだから、
別にすべての義援金にお礼はいらないと思う。
でも結局、お金をあげたけど、その後、どうなったのかとか、
そのお金がどんな風に使われたかは、自分から率先して調べない限り、
情報としては入ってこない。

でも田代島にゃんこ共和国の復興基金は違った。
島の主要産業である牡蠣の養殖施設が津波で壊滅的な打撃を受け、
そのための復興資金としてお金を集めた。
そのお金によって牡蠣が育ち、お礼にと送られてきたわけだ。

そんな知らせがきて久しぶりに被災地のことを思い出し、
順調に復興が進んでいるのかなって思いを馳せることができ、
ホームページを見たりして今、どんな感じなのかを確認する。
また今度、田代島に行きたいなとそんな風に思える。
「お礼」の効果は物的満足よりも、その後のコミュニケーション手段になり、
忘れがちな被災地のことを思い出すきっかけとなる貴重な手段だ。

しかしこの田代島の復興基金はいろんな意味で素晴らしい成功事例だ。
もともと東日本大震災で石巻市は壊滅的な打撃を受け、
人口100人にも満たない離島の田代島の復興は後回しにされた。

そこで島独自の復興資金を集めることにした。
多くの被災地でいろんな復興資金集めや義援金募集が行なわれる中、
わずか3ヵ月で目標支援金1億5000万円を集めたのだ。
あっという間に集まったため「もう支援金は不要です」と早々と断るまでに至った。

なぜそんなことが可能だったのか。
ネコのおかげである。
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田代島は知る人ぞ知る猫が神様の島。
猫神社もあり、また島の人口より猫の方が多いという猫の島。
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猫ファンならよくご存知の島で、私も猫撮影のために、
わざわざ田代島まで二度訪れているほどだ。
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田代島が復興資金を集める際、全国の猫好きの方に呼びかけた。
復興資金の一部を猫のエサに使うことも表明した。
義援金を送ってくれた人にはお礼にまず、
田代島オリジナルの猫グッズを送ることを約束した。
このためあっという間に全国の猫好きからお金が集まり、
目標金額を達成することができたのだ。

私も東日本大震災が起きて東北地方の被害が甚大であると知った時、
何よりも真っ先に心配したのは田代島の猫だった。
猫は大丈夫だったのだろうか・・・。
幸いにして多くの猫は高台に逃げたらしい。

田代島に二度行ったことがあることから石巻市もその度に訪れていた。
なので石巻市も心配になり、東日本大震災から1カ月後、石巻市を訪れることにした。
田代島までは行けなかったが、私が被災地取材をするきっかけとなったのは、
以前に田代島を訪れていたからだろう。
何もないけどただ猫がいるだけの島に訪れていたことがきっかけで。

その後、田代島にも行き、この基金の担当をしている方にも取材した。
はじめは牡蠣の義援金にしようと思ったが、
他の被災地と差別化するために猫のことを考えたという。

「田代島はカキだけじゃない。猫が重要な観光資源だ」
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田代島では、2008年に約3200人だった観光客が、
2010年には4倍近い約1万2300人に増えた。
それは猫の島としてメディアに取り上げられたからだった。

たかが猫。されど猫。
他の地域とは違うちょっとした個性があれば、
義援金だってあっという間に集めることができる。
猫を重要な観光資源として大事にしてきたことが復興の足掛かりとなった。

復興資金集めに限った話だけでなく、今後、多くの地方の町や村は過疎化し、
町の活性化が最大の至上命題になるわけだが、
そんな時、政治家にごますり、いらないハコモノ引っ張ってきて、
短期的に建設需要で儲かったとしても、そんなものは永続しない。
しないどころか今や作ったハコモノは利用者も少なく、
維持費に金がかかるためのより町を疲弊させる。

原発がその最たる例で、町を活性化させるために、
原発を誘致したものの、交付金で作られた施設の維持管理費が財政を圧迫。
さらには原発は建設当初は儲かるが、次第に固定資産税が減ってしまうため、
原発を増設しないと町は保てなくなってしまう。
まさに原発は麻薬。
一度受け入れたら、増設し続けない限り、町は維持できない体質になってしまう。

田代島もそう。陸の孤島と呼ばれた徳島の漁村・伊座利もそう。
人里離れた山奥なのに健全財政化で少子化知らずという長野県の下條村もそう。
これらの村に共通するのは、どこもものすごく辺鄙な場所で、
たいした産業がないにもかかわらず、
お金を使うことではなく、知恵を絞ることで村を活性化させたということだ。

安易に政治や行政に景気対策や過疎対策を頼る依存心の強い住民がいるところで、
真の活性化などできるわけがない。
だから原発みたいなまがいものにすがり、最悪、死の町になる。

頭を使わず、安易に何かにすがって、
ラクして町を活性化しようなんていう腐った住民がいるから、
福島原発事故が起きても原発再稼働しようなんて、
自分たちの目先の利益のために他県の迷惑をかえりみない、
犯罪行為を行おうとするわけだ。
原発事故が起きれば200キロ先の町にまで汚染が及ぶ。
事故が起きて賠償金をもらうのは原発立地住民じゃない。
原発立地住民こそ他県に迷惑料として賠償金を支払うべきだ。

ノラ猫でも観光資源になるんです。
ノラ猫でもわずか3ヵ月で1億5000万円集めることができ、
もうお金はいらないって断られるんです。
でももらいっぱなしじゃなく、ちゃんとお礼もする。
ちなみにちゃんと会計報告もホームページに載せている。

田代島にゃんこ・ザ・プロジェクトの成功は、
様々な地域活性化のヒントを与えてくれる事例だと思う。
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※牡蠣については何といっても東北沖。
宮城県沖なので福島原発のすぐそば。
汚染の懸念はあるので牡蠣を食べることを推奨するものではありません。
なお田代島にゃんこ共和国では牡蠣を辞退することもできます。

・田代島にゃんこ・ザ・プロジェクトHP
http://www.nyanpro.com/

・2011年10月に田代島を取材したレポート
http://kasakoblog.exblog.jp/15939618/

・田代島の猫写真(震災後)
http://www.kasako.com/1110tashironeko.html

・田代島の猫写真(震災前)
http://www.kasako.com/1001tashirofoto.html

・小さな漁村の奇跡の復活劇~徳島県・伊座利地区
http://kasakoblog.exblog.jp/9913849/

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by kasakoblog | 2014-09-25 22:00 | 東日本大震災・原発

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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