就活負け組から劇団四季の主役に!2000冊仮予約で本を出版する人材育成トレーナー佐藤政樹さん
2014年 11月 14日
明治大学理工学部ながらも就職氷河期でまったく内定をもらえず、
フリーターになったが何を思ったか23歳から劇団四季をめざし、
なんと27歳に入団することができ、主役まで務めたという、
“奇跡”を実現した男、佐藤政樹さん(39歳)。
しかし主役を務めたことで完全に燃え尽き症候群になり、
2012年に劇団四季を辞め、今は人材育成トレーナーとして活動をしている。
そんな異色の経歴に基づく壮絶な経験を本に出そうと思ったが、
「佐藤さんの伝えたいことは、佐藤さんだからできることであって、
一般の読者は共感しない」 とどこの出版社からも門前払い。
一蹴された悔しさから、自身で2000冊の仮予約を集め、
11月20日に本が出せることになった。
就活負け組がなぜ劇団四季の主役にまでなれ、
辞めた後も本を出版するなど不可能を可能にしたのか、話を聞いた。
(取材日:2014年11月13日)
1:就職氷河期で就職できずミュージシャンをめざすも挫折
佐藤さんが生まれたのは1975年。私と同じ年生まれ。
この年代はとばっちり世代、ロスジェネ世代とも呼ばれ、
バブルに浮かれた時代から一転し、就職氷河期が訪れたせいで、
思うように就職ができなかった世代だ。
明治大学理工学部に合格にしたにもかかわらず、
就職や仕事にこれといった目的もなく、就職活動を迎えてしまい、
漠然と名だたる大企業を受けても落とされまくっていた佐藤さん。
「就職なんかせず、オレは好きなことを仕事にするんだ!」と、
得意だったギターでミュージシャンになろうかとも思ったが、
周囲の友達が次々と就職していく姿に焦りを覚え、
あっさりあきらめ再び就職活動を再開。
しかしまったく受からず、どんどん青ざめた顔に。
見るに見かねた寮の方がコネで浜松の地元の企業を紹介してくれ、
内定が決まったものの、「やっぱりここは自分の居場所じゃない」と、
せっかく紹介してくれた寮の人に泥を塗るような形で、就職をやめた。
大学卒業し無職。
「オレは好きなことを仕事にするんだ!」と、
再びミュージシャンをめざすも、
またしてもあっさり3ヵ月であきらめてしまった。
マンションの管理人室の一室を間借りする、
家賃2万7000円の部屋で暮らしながら、
無目的のままただその日暮らしのフリーター生活に突入した。
大学合格まではよかったものの、
その後は絵に描いたようなダメダメ人生だったのだ。
2:死んだ目をした自分に愕然。劇団四季に衝撃を受け入団をめざす
フリーター生活が約1年が過ぎ、23歳の誕生日になった日。
鏡で見ると死んだ目をした自分がいて、
「このままじゃヤバいのではないか」という強烈な恐怖感に襲われたという。
親にも迷惑をかけた。会社を紹介してくれたのに内定を蹴ってしまい、
寮の人にも迷惑をかけた。
このままじゃいけない。誰かに認められたい。
たまたまその時、俳優養成所の広告が目に入り、
「ここで自己研鑽をしよう!」と養成所に通うことに。
そこで出会った友達から劇団四季の舞台を見に行こうと誘われ、
出演者の魂のこもったパフォーマンスに衝撃を受けた。
その後、劇団四季でバレエの指導をしている、
先生のレッスンを見に行くことになり、そこでまた再び衝撃を受ける。
夢に向かって真剣なまなざしで汗を流す若者たち。
「自分もここに通って自分を磨き直したい!」
そんな思いからレッスン通いが始まり、
衝撃を受けた劇団四季の入団をめざすようになった。
3:主役オーディションに合格も2度も大失敗し舞台に立てず
23歳からの無謀な挑戦。
これまで舞台経験もないのに、日本のトップクラスの劇団入りをめざすなんて。
でももうダメダメな自分ではいたくない。
迷惑かけた人に立派な姿を見せて認めてもらいたい。
そんな思いから、バイトしながらのレッスン通いが始まった。
修行を続けて約5年。27歳、2002年の時に劇団四季に合格した。
前代未聞の奇跡的な出来事だった。
しかも劇団入団の修行のかたわら、
何か国家資格も取りたいと考え、劇団四季の入団が決まった年に、
7回目にして気象予報士の資格試験にも合格するという快挙を成し遂げた。
「夢が叶った!しかもダブルで!」
しかし劇団に入ってからが大変だった。
「入ることより残ることの方が難しい」と佐藤さんがいうように、
入ってからもその中で熾烈な争いがある。
半年ごとの契約で、更新されなければ退団になってしまう。
「不器用だし、素人あがりのへたくそだけど、
でもコツコツ地道にしっかりやっている」との評価から、
主役になれることはなかったが、劇団に所属し、食べることはできた。
しかし劇団生活が7~8年過ぎた頃から疑問を持つようになる。
「このままその他大勢の役だけやっていても先がない」
そこで劇団内の主役オーディションに応募することにした。
主役オーディションは激烈な戦いだ。
ただ佐藤さんが応募した「人間になりたがった猫」という作品は、
佐藤さんはすでにこれまで何度となく端役を務めており、
「主役のセリフも歌も全部覚えていた」という。
その成果があり、厳しいオーディションで勝ち上がり、
主役の配役が決定したのだ!
すごいサクセスストーリーと思いきや、その後のオチがつらい。
舞台1日前。本番前の舞台稽古で緊張のあまり大失敗。
「そんなんじゃ主役は務まらん!」と、射止めた主役を落とされてしまった。
ただもし主役に何かあった場合の代役としてのポジションをもらえた。
そして3カ月後にチャンスが訪れる。
しかしここでも大失敗。
劇団内の信頼を失うだけでなく、佐藤さん自身も自信を喪失してしまった。
ただ運命とは不思議なもので、もう二度とチャンスが訪れないと思っていたのに、
その後、主役の人が声が出なくなることがあり、急きょ代役に抜擢。
1カ月間、その人に変わって主役を務めることができたのだ。
4:燃え尽き症候群で目的喪失から講演家として独立
しかし主役を1カ月務めた後、佐藤さんは燃え尽きてしまった。
もう心も体も動かない。
「結局、今まで自分自身のための目標ではなかったんだと思います。
就職活動に失敗したことから、ただひたすら誰かに認められたい。
その一心でやってきた。
だから劇団四季に入団し、主役を務めることができ、
もうそれでいいやと燃え尽きてしまったんだと思います」
人から認められたいという思いだけで突っ走ってきた。
だからその目標が達成できたらその後の目標がない。
こうして劇団四季を退団することにした。
でも佐藤さんには次なるステップとなる、
自分の目標となるものが生まれつつあった。
講演だ。
劇団四季を退団する前、人生初めての講演依頼があった。
ワタミの渡邉美樹氏が理事長を務める郁文館夢学園での講演だった。
「子供たちの前で夢を語ってほしい」と。
フリーターから劇団四季に入団し、主役にまでなれたという、
あり得ない奇跡の夢物語を話し、どんなに他人から無謀と言われようとも、
あきらめなければ夢は叶うという話をしたところ大きな反響があった。
講演を聞いた子供の一人が、
「大人になってから夢を叶えることができるのなら、
僕は何でもできるのではないかと思った」との感想があり、
「これまでの経験をもとに講演を主に活動していこう」と決めたのだ。
2012年で独立。
もちろんはじめは講演だけでは食べていけず、
飛び込み営業の仕事をしながら講演活動も並行していった。
これまで舞台で磨かれたパフォーマンス力や伝える力により、
講演は口コミで広がり、今は営業職の仕事はやめ、
講演や企業の研修などの仕事をメインにしている。
5:本を出したい一心で2000冊の仮予約を集める快挙で出版決定!
講演を本業とする中で、本を出して多くの人に伝えたい、
という思いもあった。
はじめは本の出版など楽勝だと思っていた。
フリーターから劇団四季入団という快挙を成し遂げ、
しかも主役まで務めたなんて申し分ない経歴だ。
ところが、出版社に回れど回れどぜんぜんダメ。
そこで「出版前に1000冊仮予約集めれば出せるのでは!」と思い、
コツコツ思いを語り、なんと1000冊の仮予約を。
ところがだ。ある出版社からこんな風に一蹴された。
「佐藤さんの伝えたい事は、
佐藤さんだからできることであって一般の読者は共感しない」
異色の経歴ゆえに読者の共感なんか得られないという強烈な一言。
1000冊も仮予約を集めても本を出せないのか・・・。
そんな時、出版社のカリスマ編集長に出会い、
今の2倍の「2000冊仮予約する」というのを条件に再び全国を奔走。
講演をし、応援してくれる人を集い、なんと2000冊の仮予約を達成。
ついに本を出せることになったのだ。
佐藤さんは「エリート」ではない。順調な成功者でもない。
どん底からはいあがってきた負け犬からの逆転人生だ。
しかもはいあがってきたプロセスにトリッキーなことをしていることはない。
ただただ人からどんなに無謀と言われようと、
そんなものできるわけがないと言われようと、
目の前のことをコツコツ夢に向かって努力してきた。
その賜物がフリーターから劇団四季の主役にまで上りつめることができたのだと思う。
11/20に出版される「幸運は、なぜ「むこう」からやってくるのか」を読んだのだが、
すさまじい経歴を中心とした話ではなく、
負け組でも夢が持てない人でも自分に自信がない人でも、
どうやって人生をいい方向に持っていくか、
極めてわかりやすく誰もが実践しやすいよう書かれている。
ほんと世の中いろんな人がいる。
自信がないとか才能がないとか自分には無理なんてあきらめていないで、
佐藤さんのように目の前のことを愚直に真剣にやることの積み重ねが、
人生を切り拓く秘訣なのではないかと思う。
みんな、あきらめるの早すぎ。
努力もしないでラクして成功しようとしすぎ。
・「幸運は、なぜ「むこう」からやってくるのか」
・佐藤政樹さんホームページ
http://satomasaki.com/
・おもしろい生き方・働き方インタビュー
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