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水曜どうでしょうサイコロ1ヒストリー

めちゃくちゃおもしろいテレビ番組「水曜どうでしょう」ですが、
昨年、再放送分をずっと見続けていたので、
どうやらこれまでの放送分をほとんど見てしまったみたい。
う~ん、残念!
でもおもしろいから、DVDを見直そうと思い、
「サイコロ1」をもう一度見直してみました。

見返してみるとこれがまたおもしろい!
「サイコロって交互に振るのがルールじゃなかったんだ」とか、
「いきなり深夜バスで四国に行ったんだ」とか、
これまでの放送分を見ているからこそ楽しめる要素がいっぱいあった。

というわけで、今回は「水曜どうでしょう」の原点となった、
放送第一回、第二回の「サイコロ1」をご紹介します。

●サイコロ1 ☆☆☆(放映日1996.10.9、10.16)(DVD第二巻収録)
ファンにとってはたまらない資料的映像!
振り返ってみると番組の原点が詰まっている

「水曜どうでしょう」記念すべき、第一回・第二回放送の企画。
しょっぱながいきなりサイコロの旅っていうのが、
この番組のすごいところと改めて思う。

ただ内容的には、黄金時代のおもしろさはなく、
ファンの方は必見ですが、
水曜どうでしょうを見ていない方は、
これから見るのはやめた方がいい。
だってビデオ版、DVD版に収録されている前枠・後枠で、
大泉洋自身から、「恥ずかしい!」「おもしろくない」
と言っているほど。

「黄金のカルテットが様子見だった」(大泉洋)
と言っているように、
まだ水曜どうでしょうスタイルが確立されていなかったからだろう。

ただ、ファンにはたまらないです。
ほんと、貴重映像。
すべてはここからはじまり、
すべての番組の原点はここにあり、
ブレイクする萌芽が感じられるからだ。

ロケ57時間中、乗り物に乗っている時間がなんと48時間30分!
「移動にすべてを注ぎ込む番組」は、
まさに第一回放送からはじまっていた。

<ストーリー>
アンルイスの新曲プロモーションのため、
東京までの旅費を持つから取り上げてくれないか、
というレコード会社の依頼に、
「北海道から離れて遠くへ行く番組を作りたい」
と考えていた藤村Dの思惑に合致。
アンルイスインタビューを終えると、
札幌に帰るまで、サイコロを振って決めようという、
伝説の企画がスタートする。
もちろん、この時、大泉洋は知らされていなかった。

・第一の選択で四国へ
驚くべきことにボードには、
行き先が隠されていて、バスの名前しか書いていない。
「ラフォーレ」「Weライター」「ドリームふくふく」など。
そしてサイコロは基本的に鈴井さんが振る役で、
当初は交互に振っていたわけではなかった。

記念すべき第一投で決まったのが、
深夜バス「オレンジライナー」で四国・松山。
彼らはこの後、何度となく四国を訪れることになるわけだが、
まるでそれを運命づけるような結果だった。

サイコロの企画を考えたのは鈴井さんだが、
「だって何の楽しみもないんですよ」と早くも弱音を吐くあたりが、
水曜どうでしょうならではのおもしろさだ。

・サイコロを蹴っ飛ばす!大泉の謀反
早朝、道後温泉に到着。
風呂に入っただけで早くもサイコロ。
振るのはまたもや鈴井さん。
「謎のまち・臼杵」という九州・大分が出る。
「風呂に入っただけだぞ、四国で、オイ!」(大泉洋)
番組のおもしろいさを形作る大泉洋のボヤキが聞こえてくる。

臼杵の後、九州脱出を願うも、
再び九州・小倉の目が出た瞬間、
大泉洋がサイコロを蹴っ飛ばすのは名シーン!
この時より「鈴井さんはろくな目をふらない」
というイメージが定着し、
大泉さんが第四投目にしてはじめてサイコロを振ることに。
小倉から新幹線で新大阪に戻る。

「こんな気心の知れない4人と旅をしてね」(大泉洋)
気心の知れない4人が、いつしか、
日本で最高の爆笑バラエティ番組を作る、
黄金のカルテットになるとは、誰が想像
しただろうか?

・自由席が1枚・・・
1日移動に費やし、疲れきった出演陣。
それでもサイコロを続け、出たのは寝台急行で新潟へ。

駅での待ち時間、大泉洋は、
「こんな小汚い待合室でも地べたが動かないと思うとほっとする」
と発言。
そりゃそうだろう。
なんたって、ロケ57時間のうち48時間30分が移動という、
人間離れした移動の旅なのだから。

しかしここで思わぬ悲劇が起こる。
寝台券が3枚しか取れず、
普通のイスで自由席で9時間、
大泉洋が座るハメになったのだ。

この時、次回企画につながる大泉発言。
「ぼくは痔です」
「長い時間、座ってはいられないんです」
その発言虚しく、大泉さんが普通自由席へ。

・北海道の目が出て喜ぶも・・・
新潟早朝。
これから1日、まだサイコロの旅が続くと覚悟していた出演陣だが、
なんと一気に北海道の目が出る!
大喜びする大泉洋と鈴井さんに、藤村Dが一言。
「ただ・・・」「フェリーです」「18時間です」
喜びも一転、18時間フェリーの旅で、
無事にサイコロ1が終了となる。

いやー、実に貴重な作品。
このサイコロでおもしろさを確信したディレクター陣が、
今後、次々と移動の旅企画を生み出していく。
その原点がまさにこの作品だ。

●企画2:粗大ゴミで家をつくろう!(1996.11.6、11.13)☆☆ (DVD第二巻収録)
ハイテンションの鈴井さんの姿は、
どうでしょうの歴史を物語る!

粗大ゴミを集めて家をつくってしまおうという、
やや社会派的で皮肉のきいた企画なのだが、
何はともあれ異様にテンションの高い鈴井さんの姿が、
なんともどうでしょうの歴史を感じさせる一幕だ。

水曜どうでしょう企画第二弾にして、
早くも大泉さんから、
「今日もヤダ」
「いけてるんでしょうかね?この企画は?」
と懐疑するところからスタートする、
自虐的番組の要素の片鱗が感じ取れる。

はじめこの企画を見た時は、
かなりイタイな~と思ってたんだけど、
どうでしょう全企画をほぼ見終えて、
再びこの作品を見ると、なんともいとおしく思えるから不思議。

「スタッフ働くのかと思ったら、僕らだけだよ」(鈴井さん)
とぼやくように、出演者の2人をいじめて遊ぶ、
というスタイルの原型もこの頃からすでにはじまっているようだ。

●企画3:闘痔の旅(1996.12.4、12.11)☆☆☆ (DVD第二巻収録)
これぞ、どうでしょうスタイルの原点!
藤村Dの声が入り、基本、車の移動の絵!

どうでしょう3作目にして早くも「企画がつまった」ところで、
「温泉でもいきてえなあ」という不純な動機と、
「サイコロ1」で寝台券取れずに、普通自由席を嫌がった大泉さんが、
思わず「僕は痔なんです」と言った言葉を思い出し、
大泉さんの痔を治すため、
24時間温泉に入りまくろうという、
実に安易な、行きあったりばったりの企画の作り方ながら、
この「闘痔の旅」こそが、長らく続くどうでしょうスタイルの、
原点を確立した貴重な作品といえる。
なんと、この作品から藤村Dの言葉や笑い声が挿入されているのだ。

「藤村さん、ちょっとテレビ出過ぎですよ」(大泉洋)

第一夜は、わりと温泉メインで紹介していこうという姿勢が見られるが、
第二夜が、どうでしょう魂炸裂!
ほとんど真っ暗なだけの車窓の画に、
時折、字幕が出るスタイルが、
この作品からはじまり、
第二夜から藤村Dの声がいくつか挿入されていく。

これぞ旅番組ならぬ移動番組どうでしょうスタイル。
どうでしょうの原点はここにあり!という作品だ。

・薬師温泉
なぜか鈴井さんも温泉に。
「鈴井さんはどこ治すの?」(大泉洋)
「なんかもうぜんたい~」(鈴井)


・二股ラヂウム温泉

・平田内温泉
露天風呂に浸かるおばさんたちのため、
なかなかロケができず


・水無海浜温泉
これぞ名シーン!
海に水没した露天風呂で、
波をかぶる大泉さんの入浴シーン!
ここで藤村Dの爆笑の声が入る。


・酸ヶ湯温泉(八甲田山)
北海道ローカル局だからといって、
北海道の画ばかりじゃつまらない、
という藤村Dのどうでしょう魂からか、
なぜかフェリーに乗って青森へ。

八甲田山へ行く不気味な道。
「ライト消してみようか」と大泉さんがライト消灯し、
真っ暗な画が表れる。
これがなぜか大爆笑してしまうから不思議。


・恐山の温泉
行ってみたところ閉山。
まだこの頃は、閉山していることに対して、
藤村Dへの文句は聞かれないところが、初々しい。

水曜どうでしょう全国放送状況
http://www.htb.co.jp/suidou/map.html

※ちなみに、どうでしょうファンの人、必見なのが、
「クイック・ジャパンVol.52」。
2004年1月に発売されたものですが、
水曜どうでしょうの全企画解説や、
4人のインタビュー、どうでしょう用語辞典など、
どうでしょうを楽しむための情報が網羅されてます!
どうでしょうファンの方は必見です!!

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by kasakoblog | 2009-01-25 21:39 | 書評・映画評

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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