2009年 01月 09日
5年前から車は売れていない
金融危機で自動車が売れなくて大変だ!と騒いでいるけど、
日本では5年も前から、すでに自動車は売れていない。
国内の新車販売台数は5年連続減少している。

つまり日本に限っていえば、
別に金融危機が起きようが起きまいが、
自動車離れは間違いなく進んでいるのだ。

また日本で新車販売が減少している背景には、
日本車の性能が“優秀”だからだ。
乗用車の平均耐用年数は11.67年で、
10年前に比べて2年も延びている。
長持ちするいい車だから、買い換える頻度が減っている。

技術の進歩で耐用年数が延びているなら、
本来、喜ぶべきことだが、
企業の利益や経済成長を考えた時には、
マイナスに働いてしまう。
まさに経済成長と社会の幸福が一致しない典型的な例だろう。
経済成長重視なら、わざとすぐに壊れる車を売った方が、
買い換え需要が起きるということだ。

これはやや極論だけど、トヨタ自動車なんて国内では、
自らの足を食って生きている、
タコ足商売に過ぎないんじゃないかとも思える。
だって従業員が自分で作った車を、
自分たちや家族や親戚で買い支えているわけでしょう。
車を作る工場に通うために。

それって極論すれば商売じゃない。
何万人もの従業員が、車でしか通えない工場に働きに行くために、
自社の車を買って喜んでるって、まったくおめでたい話。

たとえば私が自分の本を自分で1000冊買って、
「1000冊売れて印税が入ってきました!」
って喜んでも、それは自分の金を回しているだけに過ぎないわけで、
それを売れたとはいわないし、
商売としては成り立たないわけです。

そういう比率が異様に多いのが、
トヨタを筆頭とする自動車産業ではないか。
じゃあなぜ自動車が今まで好調だったかというと、
海外で売れていたから。
たとえば新興国なら、まだ自動車を持っていない人はいっぱいいる。
だけど高度経済成長しているから、
給料が上がって持っていない車を買えるようになる。
だから海外販売台数は伸びて、
それで荒稼ぎしているわけです。

でも日本人だって高い値段の新車を、
おいそれと買えないように、
金融危機で景気が悪くなれば、
車がなくて車が欲しい人でも、
買うのをためらうのは当たり前の話で、
売れなくなるのは当然なわけです。

さらに、先進国ではこれからカーシェアリングが、
どんどん進んでいく可能性がある。
カーシェアリングとは1台の車を、
複数の人で共有し合うこと。
レンタカーに似た仕組みだと思っていただければいい。

地球環境的にも、家庭のコスト負担を考えても、
よほど頻繁に車を使う人以外は、
わざわざ車を保有しなくても、
レンタカーでいい、カーシェアリングでいい、
という人が今後どんどん増えれば、
ますます車は売れなくなるだろう。

つまり、自動車産業は、
そもそも先行きの明るい産業ではないということだ。
今は海外で売れているとはいえ、
欲しい人が買ってしまい、
耐用年数が10年以上もあるなら、買い換え頻度は低く、
爆発的に車が売れる時代は、
日本国内のようにいずれこなくなる。

自動車がなくなることはないとは思うが、
20年、30年先を考えた時、
自動車産業が果たして有望な産業であるとは、
私には思えない。
そんな業界に終身雇用を期待して、
仮に社員として就職できたとしても、
中年になってリストラされ、路頭に迷うのがオチだろう。

そんな産業に派遣切りするなとか、
終身雇用せよなんて無理な話。
100年に1度の金融危機だから、
海外では車は売れなくなったが、
日本では金融危機に関係なく、
すでに車は売れなくなっているという事実は、
頭の片隅に置いておいた方がいいだろう。

最期の頼みはガソリン車の販売禁止と、
電気自動車の買い換え需要のみ。
それであと10年ぐらいはもつかもしれないが、
いずれにせよ自動車産業は厳しい業界ではないだろうか。
そもそも電気自動車になれば、
自動車メーカーだけじゃなく、
電機メーカーだって参入してくる可能性があるわけで、
競争はより一段厳しくなるんじゃないか。

アメリカのビック3が潰れるように、
日本の自動車メーカーも潰れないにせよ、
斜陽産業になるきっかけとなったのが、
今回の金融危機で明らかになっただけではないだろうか。


by kasakoblog | 2009-01-09 02:09 | 金融・経済・投資


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