2008年 12月 13日
瀕死の企業を助ける必要ある?
目の前に死にかけた人がいます。
誰もが助けたいとは思っています。
ただ残念ながら治療しても助からないそうです。

ただ延命させる方法はあると言います。
毎日100万円の注射を打ち続ければ、
生きられるというのです。

しかしあなたは100万円しか持っていません。
もし瀕死の人を助けるために、
毎日100万円支払ってしまったら、
自分自身が生活できなくなってしまいます。

そこにサラ金業者が現れました。
「瀕死の人を助けたいですよね?
1000万円を金利(消費税)10%で貸しましょう」

さてあなたは借金して助けますか?
それとも死を受け入れますか?

アメリカの自動車大手を税金で助けるかもめている。
また日本では中小企業の資金繰り対策と称して、
金融機関からの融資を保証協会が100%保証する、
緊急保証制度が10月末にスタートした。

瀕死の企業に、高い治療費(税金)であっても、
それによって助かる見込みがあり、
かわりに立て替えた治療費(税金)を、
元気になったらきちんと返してくれるなら、
誰もが助けた方がいいと思うだろう。

しかし高い治療費(税金)を払っても、
1日ぐらいしか延命させることしかできず、
しかもその治療費が返ってこない可能性が高いとなったら、
どう思うだろうか?
ならば仕方がない。
死を受け入れようと考える人も多いのではないか。

政治が困っている企業を助けたいと思うのは、
立派な心がけだが、
その企業に税金を投入して、助かるかどうか、
企業の経営状況を診断する専門家でもない政治家が、
企業に税金を投入のを判断すること自体に、
そもそも無理があるわけです。

しかも税金を投入することで、
企業が完全に元気になるのか、
4~5年は元気にやっていけるようになるのか、
それとも1~2カ月だけ、倒産をまぬがれるだけなのかも、
政治家には判断できないわけです。

税金で企業を助けたのはいいものの、
結局3~4カ月後に倒産したら、
融資した税金も戻ってこなくなってしまう。

問題はそれだけではない。
企業がなぜ瀕死になってしまったのか、
その原因が単に金融機関の貸し渋りのせいなのか、
金融機関がその企業の事業に将来性を感じず、
融資をしなかったのか。

はたまた、アメリカの自動車メーカーのように、
近年、バクチ(投資)に興じて、
大損してしまったせいなのか、
そもそも製品(車)に魅力がないのか、
経営者が何十億円もの報酬をとっていたからなのか、
その原因はわからないわけです。

実際、日本の中小企業への保証融資もそうだし、
東京都が中小企業融資のために、
立ち上げた新銀行東京でもそうだけど、
保証融資詐欺みたいなことで、
ブローカーが暗躍したりとかが起こるわけです。

つまり税金で企業を助けることには無理があるから、
基本的には辞めた方がいいと私は思う。

日本のようなエセ資本主義なら、
公的資金で企業を助けるのは許されるかもしれないが、
自由資本主義を標榜してきたアメリカが、
自動車企業を救済したら、
もう資本主義のルールもへったくれもなくなってしまう。

「自動車企業が潰れたら、
多くの人が失業しちゃうから助けるべきだ」

という意見があるが、これは正しいだろうか?
ならば、自動車企業は助けて、
外食企業はなぜ助けないのかとか、
アメリカは地方銀行は倒産しても助けないのに、
おかしいじゃないかとか、収拾がつかなくなってしまう。

資本主義が限界にきているとはいえ、
金融危機を理由に景気対策と称して、
企業に税金をばら撒いたツケは、
すべて国民が払わされることになる。

安易な企業救済をしてはいけないと私は思う。
死ぬべき企業が死なないと、
新しい企業は生まれてこれなくなるし。


by kasakoblog | 2008-12-13 13:45 | 金融・経済・投資


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