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円安でボロ儲けした輸出企業~円高は家計の味方~

自国の通貨が高くなって危機だと騒ぐのは日本ぐらいか。
今、多くの国は自国の通貨が急落し、
安くなっていることに深刻な危機感を募らせているのに、
日本は何十年たっても円高で危機だと、
バカの一つ覚えのごとく騒ぎたてている。
円高で危機だと騒ぐメディアや評論家は、
経済を知らない人間の言うことだと思った方がいい。

<円高がなぜ危機ではないのか>
・長らく続いた円安バブルで、
輸出企業はこの7年間、円安のおかげでボロ儲けしてきたから、
今、円高で損をしたって、十分すでに儲けている。

・日本の輸出依存度は16%に過ぎず、各国に比べて低水準。
輸出企業がダメでも日本経済全体への影響は16%に過ぎない。

・円高により、物価高で苦しむ国民にとっては、
食料品やガソリンなどが安くなる。

円高になると輸出企業は大打撃を受ける。
トヨタ自動車の場合、1円円高で年間350億円の営業利益が吹き飛ぶという。
だから大変じゃないかというのはアホの言うことだ。
逆に考えれば1円円安なら、
350億円利益が転がりこんでくる。

ここ7年間、空前の円安バブルだった。
110円ー120円でほぼ推移し、
輸出企業は円安バブルでボロ儲けし続けてきた。

本来なら貿易黒字を続ける日本の実勢レートは、
とっくの昔に1ドル=100円が妥当な水準ではないか。
もしそうだとするなら、
トヨタで考えればこの7年間、10円円安だった分、
350億円×10円×7年間で、2兆4500億円もの営業利益を、
何の営業努力もなく、ただ円安なだけで、
儲けてきたことになる。

本来とっくの昔に円高になるはずが、
なぜ空前の円安バブルが続いていたかというと、
日本が預金者泣かせの超低金利を続けてきたからだ。
この円の信じがたいというか犯罪的な超低金利が、
世界の金余りに拍車をかけ、
今回金融危機を招いたように、
投機熱を煽った一因となっている。

円なら1%ぐらいで金を借りられる。
だから世界中の機関投資家や金融機関が、
1%の低金利で円を借りて、外貨に換え、
それを5%とか10%の利回りが期待できる金融商品に投資する。
そうすれば労せずしてボロ儲けできる。
この円キャリートレードが長らく続いたことで、
本来なら円高になってもおかしくないのに、
ずっと円安が続いていたのだ。
そのおかげで輸出企業もさんざんボロ儲けしてきた。

それがこの金融危機で、
ギャンブル(投資)を手仕舞いして、
換金しなくちゃならなくなった世界中のギャンブラー(投資家)が、
円キャリートレードをやめたからどんどん円高が進んでいる。

今、確かに円高は異常ですよ。
だって円はどの通貨に対しても全面的に高くなっている。
こんなこと本来あるはずはないのに、
なぜそのようなことが起きたかというと、
日本が国民をバカにした超低金利を続けてきたから、
世界中が円を借りていたからだ。

たとえば今、大問題になっているアイスランドでは、
一般庶民が円で借りて住宅ローンを組んでいた。
なぜか。
円で借りれば空前の超低金利だからだ。
こんなことが世界中で行われていたからこそ、
円安がずっと続いていて、それが今、終わろうとしている。
だから急激に円高が進んでいる。

だから円高になるのは当然だ。
円高になって輸出企業が大変かもしれないが、
日本経済における輸出依存度はわずか16%に過ぎず、
各国に比べて極めて低水準だ。

上場企業に輸出企業の割合が多いために、
株価が急落し、日本経済全体がひどい目にあっているように見えるが、
輸出依存度は16%に過ぎないわけだから、
あとの84%は円高なんか関係ないわけである。

さらに国民にとっては、
円安より円高の方がはるかにありがたい。
石油の自給率はほぼ0%、食料自給率が40%の日本にとって、
円高になればなるほど、石油も食料も安く買うことができ、
最近、急激な物価高で国民の生活を圧迫していたものが、
円高によってやわらぐことができるのだ。
はっきりいって円高になれば、
何の景気対策もしなくても、
輸出企業はともかく、国民生活は楽になるのだ。

円高がすべてメリットだけではないが、
円高のデメリットだけを強調するのは、明らかにおかしい。
こういうおかしな円高危機論調を鵜呑みにしないよう気をつけたい。

by kasakoblog | 2008-10-28 19:08 | 金融・経済・投資

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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