すべての問題は借金に通ず~国家破綻も個人破綻も~
2008年 10月 27日
先日ニュース番組でアメリカ人のライフスタイルについて、
驚くべき特集が放送されていた。
アメリカ人の多くがクレジットカードのリボ払いで、
借金しまくって生活し、消費しまくっていたというのだ。
ある程度、予想はしていたが、ここまでひどいとは・・・。
なんと今、アメリカ人の自己破産者急増で、
教会で「収入の範囲内で生活しましょう」
「収入の最低1割は貯蓄しましょう」と、
日本人なら小学生でもわかる、
当たり前のことを教わっているという。
しかもそれを大の大人が知って、
目からウロコのごとく喜んでいる。
私はサラ金の著書のなかで、
一貫して主張し続けているのが、
サラ金より悪いのはクレジットカードだということ。
借金でつまずく多くの人間がクレジットカードだ。
あたかもATMで自分のお金を引き出せるかのような、
超高金利のキャッシング。
毎月一定額さえ払えば、どんだけ借金しても構わないという、
恐ろしい仕組み・リボルビング払い。
借金問題というのはこのカードキャッシングと、
カードのリボ払いがほとんどの諸悪の根源だ。
なぜなら借金している感覚を本人に感じさせないからだ。
サラ金から借りれば誰でも後ろめたさがあり、
借金したから返さなければという、
当たり前の感覚になるが、
カードは借金している感覚がない。
まるで自分がVIPになったような錯覚さえ覚える。
だから投資教育ばかりで貯蓄教育されていない、
マヌケなアメリカ人は、クレジットカードを10枚も持って、
あちこちで借金して買いまくり、
ついにこの金融危機で、
首が回らなくなった人が急増したというのだ。
日本人からしたら信じがたい感覚だが、
アメリカ人では当たり前だという。
こんな借金主義が横行しているから、
サブプライムローンなんていう、
日本でいったら多重債務者や無職者やフリーターに、
20%の高金利で2000~4000万円ぐらい融資し、
住宅ローンを組ませるというとんでもないことが起こった。
これが今回の金融危機の火種の一つである。
ただアメリカ人の借金主義のおかげで、
日本製の車や商品が売れていたわけだ。
日本だけでなく中国をはじめとする新興国も、
このアメリカ人の借金主義のおかげで、
これまで空前の経済成長を遂げてこれた。
しかしアメリカ人はやっと気づき始めた。
収入以上の支出をしてはいけない。
むやみやたらに借金してはいけない。
カードではなくなるべく現金を使う。
収入はすべて使ってしまうのではなく、
将来のために少しは貯蓄しようと。
そのおかげでアメリカで物が売れなくなった。
だから世界中の景気が悪くなった。
でもそれって正常な状態に戻っただけじゃないか。
資本主義経済で恐ろしいのは、
借金を踏み倒すことが合法的に認められていることだ。
個人なら自己破産すれば、借金を踏み倒すことができる。
会社なら倒産すれば、同じく借金を踏み倒すことができる。
そして国家も破綻してしまえば、借金を踏み倒すことができる。
アメリカ人は自己破産して家だけ売って、
またのうのうといつも通りの生活をしている。
そしてアメリカという国家は、
この重大な金融危機を解決する最終手段として、
ドルを刷りまくるか、国家破産して、
借金を踏み倒すという方法も視野に入れている。
そうなれば米国債を買いまくっている日本は大損こくことになる。
米国債なんて紙くずに投資している個人ももちろん。
日本という国家だって恐ろしいですよ。
財政赤字の問題をほったらかしにして、
未だにバラマキやってるのは、
最終手段として増税しまくって、
そこから財政赤字を返済するか、
もしくはいざとなったら国家破産して、
国民の借金を踏み倒そうという選択肢も視野にあるからだろう。
そんなバカなと思うかもしれないが、
そんなバカなことがこの100年に1度の金融危機をきっかけに、
起こるかもしれない。
結局、この金融危機にしても、
国の財政問題にしても、
すべてはサラ金問題と同じ、
借金問題にいきつくわけです。
借金するから国がおかしくなる。個人がおかしくなる。
世界がおかしくなる。
借金して投資したから金融機関が破綻した。
借金があるから金目当てで人を簡単に殺してしまう。
社会をおかしくする大きな原因は、
借金問題に起因するんじゃないか。
そして借金を踏み倒してもいいという、
とんでもないルールが合法とされているから、
借金したもんがちみたいな、おかしな風潮になっている。
多分、この金融危機で資本主義経済は崩壊する。
新しい経済ルールを作らなければならない。
社会主義や共産主義が見直されるかもしれない。
イスラム社会の金融ルールが見直されるかもしれない。
新しい経済体制は、
国家も会社も個人も借金禁止社会になる。
そういう可能性も秘めていると私は思う。
もしかしたらその方が社会はよくなるかもしれない。
もう経済成長なんかする必要ないんだから。