日本株ほど危険な資産はない!米国株より下がりまくり
2008年 10月 20日
なぜか日本株だけ異常に下がってるってご存知だろうか?
今回の金融危機で深刻なのは、
アメリカおよびヨーロッパなのに、
日本株はアメリカ株よりヨーロッパ株より、
さらには新興国よりも下がっている。
下記のデータを見れば一目瞭然だ。
9月12日~10月11日の株価下落率
ロシア :37.0%
日本 :32.2%
ブラジル:29.2%
アメリカ:24.9%
ドイツ :21.6%
イギリス:20.4%
インド :19.1%
韓国 :16.0%
中国 :3.8%
日本は主要市場の中でもワースト2の下落率である。
金融危機の震源地アメリカよりはるかに下落している。
一般的に新興国の方が株価の乱高下が激しいと言われているが、
ブラジル、インド、中国よりも下落している。
日本は今回の危機では他国に比べて、
影響が少ないはずにもかかわらずである。
でもこの1ヵ月だけのデータだけじゃ信用ならない、
といううたぐり深い方のために、もう1つ。
2007年10月末~2008年10月10日の株価下落率を見てみよう。
上海 :66.4%
ロシア :62.0%
香港 :52.8%
日本 :50.6%
ブラジル:43.2%
フランス:41.1%
ドイツ :39.1%
アメリカ:38.4%
イギリス:35.8%
カナダ :34.4%
1年間のデータで見ても日本の下落率はひどい。
日本より悪い上海、香港は、
ご存知のように今年のオリンピックが終わったら、
下落するんじゃないかと言われていた。
ロシアは原油価格が下がれば当然下がるし、
オリンピック前後にきなくさい軍事騒動を起こした。
こうした暴落するような“危険な”株式市場と、
日本の株式市場はたいして変わらないという恐ろしさなのだ。
投資にはリスクがある。
リスクというのは変動率(ボラテリィティ)のことを指す。
ジェットコースターのように乱高下する金融商品ほど、
リスクがあるということになる。
投資の教科書的な内容でいえば、
新興国株式に比べて先進国株式のリスク(変動率)は少ないとされているが、
そんなことはまったくのいい加減だということが、
今回の事態で明らかになった。
あやしげな中国株、ロシア株ぐらい日本株は恐ろしいのだと。
もちろん裏を返せば、日本株はそれだけ、
ハイリターンが見込める金融商品ともいえる。
大損する可能性も高いが大儲けする可能性も高い商品なのだ。
そんな危険な金融商品にだよ、
「投資は投機(ギャンブル)じゃない」とか、
「日本の企業を応援しよう」とかいって、
優遇税制までつけて、国は「貯蓄から投資へ」の大号令のもと、
年金不安と社会不安をあおり、
50歳以上の世代に、
「預金だけでは老後の生活は不安だから、
いち早く日本株に投資しなさい」と煽ってきた。
だから退職金をライブドア株にほとんど突っ込んだ、
なんていう愚かな輩も出てきてしまった。
もちろんそれが愚かな行為だったかどうかは結果論に過ぎない。
ライブドアはうまく行けば大儲けした株に化けていたかもしれない。
今、株式市場が暴落し、大企業に投資しても大損していても、
5年後10年後には大儲けして、
「金融危機と騒がれ暴落したけど、
あわてて売らなくてよかった」という日が来るかもしれない。
ただ今、日本株について言える事実は1つ。
日本株ほど危険な金融商品はない。
なぜサブプライムローン問題が軽微なのに、
アメリカやヨーロッパ株より暴落してしまうのか。
なぜ日本の金融機関は欧米に比べればはるかに健全なのに、
(地銀はやばいが)
こんなに暴落してしまうのか。
その理由の1つは、外国人投資家が多いからなのだが、
外国人投資家が多いのは日本に限った話ではない。
にもかかわらず、日本株がこんなに暴落してしまうという事実は、
これを機会にしっかり直視した方がいい。
私は日本株に投資することは悪いことだとは思わない。
ただ日本株に投資することは、
競馬やパチンコに金を突っ込むより、
下手をすると危険だという事実は忘れない方がいい。
それさえわかっていれば、
退職金を全額株にぶっこんだり、
まあそれは極端としても、
預貯金や目先の生活資金がないのに、
株に多額の投資をしてしまうことはないだろう。
この先、どうなるかわからない。
今がもしかしたら絶好の買いのチャンスかもしれないし、
そうでないかもしれない。
それは誰にもわからない。
丁半バクチみたいなもんだから。
ぜひ日本株投資はギャンブルであるという認識を、
この金融危機をきっかけに持ってもらいたい。
もちろん、ギャンブルだから大儲けするチャンスはあるけど。