転職して良かったこと
2008年 10月 15日
就職先に迷いませんでしたか?
私も迷った。
だって卒業時点で特殊技能があるわけでもなく、
特別な資格を持っているわけでもない。
どうしてもやりたいことなんてない。
・ノルマが厳しくなく、激務でない会社
・安定していてそこそこ給料がもらえる会社
それが多くの人の本音ではないだろうか。
でも面接で「楽してそこそこ給料がもらえる、
安定した仕事がいいです」なんて口が裂けても言えない。
そこではりぼての志望動機を作り出す。
そんなこともあって私が大学卒業後に就職したのは、
消費者金融のアイフル。
今でこそサラ金は“斜陽”産業だが、
私が入社した今から約10年前は、
従業員3000人以上、全国500店舗以上、新卒採用は約300人!
東証1部上場を控え、急成長を遂げる、“優良”企業だった。
とりたてて特殊技能もなく、やりたいことがない私にとって、
最適な職場だったといえるかもしれない。
そこで私は何を間違ったか、入社当初から、
先輩社員を追い抜き、営業成績でトップに躍り出てしまう。
アイフルにいたのは2年半ぐらいだが、
ほぼずっとトップセールスを誇っていた。
だから私が旅に出たいから会社を辞めるというと、
もったいないという声が聞かれた。
このまま行けば出世頭じゃないか。
最年少課長とかも夢じゃないんじゃないか。
急成長を遂げる上場企業で、
一早く課長になれるっていったら、
それはやっぱり捨てがたい魅力があった。
しかし今にして思うと転職して良かったと思う。
サラ金業界は、上限金利を29.2%から18%に下げられてしまい、
しかも過去にさかのぼって利息を返せという話になり、利益は急減。
ネット化の荒波もあり、店舗や人員もリストラの嵐。
つぶれることはないにせよ、
未来に希望がもてる成長産業ではなくなってしまった。
もう1つ、転職して良かったと思うのは、
手に職が身につけられたこと。
アイフルをやめた後、編集業界にもぐりこむことができ、
今は編集プロダクション3社目だけど、
万が一、会社に何かあっても、
編集業、ライター業、カメラマン業として、
個人でもやっていけるだけの技量を身につけることができた。
就職や転職で迷っている方も多いと思う。
私のこのような経験から言えることは、
・今、流行っている業界、成長している業界を選んでも、
10年先どうなっているかは誰にも予想しがたいので、
はやりすたりで業界を選ばない方がいいということ
・できれば会社に頼らず、
個人の技量がつくような業界・職種に転職すること
以上の2点を考え、就職先、転職先を選んでみてはどうか。
私は今でこそ、写真集や書籍を出すまでになったけど、
10年前まではどこにでもいる普通の人に過ぎなかった。
別に編集・ライター・カメラマンなどの専門学校に行った経験もない。
そういう人でもうまく転職が成功し、
自分自身の力をつけていけば、
うまく世の中わたっていける可能性がある。
政治家も官僚も企業もあてにならない時代。
どんなことが起こるかわからない時代。
だからこそこれからは、
個人一人一人が何ができるかを問われる時代になる。
シビアな未来から目をそらさず、
自己防衛するために、
大樹の庇護でぬくぬくと過ごすことも1つの手だが、
大樹がなくなった時に、自分だけでも、
生きていける力を身につける手段・方法を、
考えてみてはいかがだろうか。
ただ、単に儲かるからとかだけでなく、
その仕事が楽しいと思えるものだと、
さらにハッピーだけど。
今の会社でいいのか。
今の職種でいいのか。
今の業界でいいのか。
立ち止まって考えてみてはいかがだろうか。