2008年 10月 14日
インド=経済成長はウソ?中国にはほど遠いインド
今、経済急成長を遂げる代表的な国をご存知だろうか?
その筆頭はBRICs(ブリックス)と略され、
ブラジル、ロシア、インド、中国の4ヵ国だ。
BRICsファンドなんていうのも2~3年前から登場していて、
「貯蓄から投資へ」という国の大号令のもと、
資産運用にめざめた日本の一般国民も、
将来儲かるのではと思い、こうしたファンドに投資している。
(私もちなみに1万円だけ勉強のため買いました)

インドといえば日本ではバックパッカーぐらいしか興味がなかったのに、
今や書店に行くとインド経済本やインド投資本がずらりと並ぶ。
特に、インドと中国は人口10億人を超える超大国。
将来、経済大国になる筆頭としてかなり喧伝されている。

インドの経済成長率は、9.1%(2005年)、9.8%(2006年)、9.3%(2007年)。
中国は、10.1%(2005年)、11.6%(2006年)、11.9%(2007年)。
10%近い経済成長率を毎年記録している国は、
世界中を見渡してもなかなかない。

ところが、先日インドに9年ぶりに訪れ、がく然とした。
見た目には9年前と町の様子がほとんど変わっていないのだ。
とても経済高成長を遂げている国とは思えなかった。

私は中国はほぼ毎年のように訪れているけど、
経済成長しているのが旅行者の目からも明らかにわかる。
次々とできる高層ビル、高層マンション。
次々とできる高速道路や空港。
古い商店や住宅街はつぶされ、真新しいショップが次々とできる。

しかもこの変化は、首都北京や経済都市上海だけではない。
各地方都市もその「経済成長」の波は確実に押し寄せ、
その地方都市からチベットに行くような、
かなり「奥地」にもその効果が波及している。
すごい経済成長、経済発展だなと、すぐにわかるのだ。

インドには見た目にはまったくそれがない。
首都デリーの道路すら、未だにちゃんと舗装されておらず、
でこぼこの道があったりする。
デリーとアグラーをつなぐ道路は一般道で、
高速道路をつくる気配はない。
やはりそこも相当なでこぼこ道だ。

中国のように高層ビル、高層マンション、ショッピングセンター、
デパート、スーパーのような建設現場もとんと見当たらない。
9年前に訪れたのとさほど変わる様子はないのである。

経済成長をする中国では、自動車や家電製品が売れている。
しかし未だに首都ですらでこぼこ道で、
かつ道路には牛のふんが撒き散らされているようでは、
仮にお金があっても自動車は買いたくないんじゃないか。
だって新車なんか買ってもすぐ汚れちゃうし、
渋滞もひどく、でこぼこ道だから、
その性能を活かせないまま終わってしまいそうだ。

中国なら中級ホテル程度なら、
クーラーもあれば冷蔵庫もあるが、
インドではよほど高級ホテルに泊まらない限り、
まともなクーラーはないし、冷蔵庫なんかない。
そもそも電気がちゃんとくるんだかまだ怪しいインドで、
最新の家電製品なんか消費電力が多くて、
使えないんじゃないかと思う。

もちろん、経済成長の萌芽も見られる。
アグラー行きの長距離バスに乗った時のこと。
私の隣に座った20代の若者は、
写真も撮影でき、音楽も聴ける携帯電話を見せてくれた。
確かにこうした面は、9年前とは違う変化だが、
乗ったバスのオンボロさは9年前と変わらず、
運転席のドアがないとか、
ところどころ窓がないとか、
もちろんクーラーなんかついているわけもない。
この辺が中国とは決定的に違う点だ。

経済成長率のデータを見る限り、
インドは9%台、中国は10%台でその差は1%あまりだが、
経済の発展段階には10年20年の差が感じられる。
とてもじゃないけど、インドの経済成長はまだまだという感じがした。

それともう1つインドの場合、経済成長の大きな足かせになるのは、
カースト制度だろう。
カースト制度は複雑なこともあり、私には正確な理解はできいないが、
ともあれ固定身分制度の影響が強いインドでは、
自由資本主義経済の発展に大きな悪影響を及ぼすのではないか。
資本主義経済が発展するには、
大量消費してくれる国民が必要だが、
カースト制度が邪魔をする可能性があると考えるからだ。

よくニュースや新聞、雑誌などで、
新興国としてインドと中国をひとくくりにしているけど、
百聞は一見に如かず。
とてもじゃないけど経済発展段階が違い過ぎる。
インドの本当の経済成長はまだまだ遠い未来だと、
実際に行ってみて思った。

ただ、経済成長している中国が良くて、
まだ発展途上のインドが悪いというつもりはまったくない。
そもそも今、ギャンブル資本主義が崩壊し、
新しい経済体制が必要とされる過渡期である。
従来型の経済成長することが、
国民幸福の良し悪しの尺度にはなりえない時代になっており、
経済を比べて、中国が進歩し、インドが遅れているから、
インドも中国や日本などの先進国に追いつくべく、
経済成長すべきとは言いがたいのだが。


by kasakoblog | 2008-10-14 19:12 | 金融・経済・投資


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