金融危機をわかりやすく解説

「金融」と聞いただけで、
すごく高度なことをやっているように
思う人がいるかもしれないが、それは大いなる勘違い。
金融とは一言でいうならマネーゲーム。
競馬やパチンコと同じギャンブルに過ぎない。
「金融はギャンブルだ」ということを頭の片隅に置きながら、
今回の金融危機のからくりをわかりやすく説明します。

今回のアメリカの金融危機の引き金となったのは、
アメリカ投資銀行4位のリーマンブラザーズが破綻したから。
“投資銀行”なんていうとすごくかっこよく聞こえるが、
仕事はギャンブル、つまりギャンブラーだ。
競馬でどの馬が勝つかをあてるように、
どの企業が市場で勝つか、どの不動産が値上がりするか、
予想し、金を注ぎ込む。
それが投資銀行の主な仕事だ。

みなさんが一般的にイメージする銀行というのは、預金を扱っている。
(これを商業銀行という)
ところが投資銀行は預金を扱っていない。
日本でいうところの証券会社にあたる。

投資銀行は商業銀行のように預金がない。
つまりお金がふんだんにあるわけじゃない。
でもギャンブルで大儲けするには、
できるだけ大金をぶっこまなければならない。
そこで投資銀行が何をしたか。
借金してギャンブルをしたのだ。

借金してギャンブルすることを「レバレッジ」という。
レバレッジなんていうといかにも高度な金融手法に聞こえるが、
ようは元手に金がないのにそれ以上の金を賭けられるという、
借金ギャンブルと何ら変わりない。

借金しても勝ち馬予想が当たって儲かっていた時はいいが、
賭けていた不動産(サブプライム)が値下がりしてしまうと、
膨大な損失が膨らんでしまった。
それで経営が破綻した。

これって、借金をしてギャンブルをし、大損こいて、
自己破産するどうしようもないクズ人間と変わりないわけです。
ところが賭ける対象が馬でなく、
企業や不動産になっただけで、
まるでギャンブラーとは縁遠い、
崇高な仕事に見えてくるから不思議だ。

投資銀行の社員は、ギャンブルを仕事にして、
ものすごい高い給料をもらっていた。
外資系投資銀行の日本法人で働く人たちでも、
若い社員でも年収1000万円、2000万円は当たり前。
マネーゲームの本場アメリカの投資銀行の給料は、
一説には平均年収6000万円ともいうほどべらぼうな金額だ。

これだけ高い報酬をもらっていながら、
大損こいたから税金で助けてくれなんて、
そりゃ国民が反対するに決まっている。
たとえば日本で、競馬で損した人がかわいそうだからといって、
税金でギャンブラーを助けるバカはいない。

こうした国民世論も背景にあり、リーマンブラザーズは救済されなかった。
政府がギャンブラー(金融機関)を助けなかったために、
株式市場という名のギャンブルに参加し、大損こいている金融機関たちは、
恐ろしくなって株券を売りまくって現金に換えた。
だから株価が大暴落し続けている。

大損こいたのが投資銀行(証券会社)だけならよかったが、
国民の預金を預かる商業銀行や保険会社もマネーゲームに参加し、
今回、大損こいてしまった。
だから同じギャンブラーでもリーマンは助けなかったが、
AIGという保険会社は政府が大金注ぎ込んで救済したわけだ。

保険会社や商業銀行が経営破綻すると、国民にも実害が及ぶ。
みなさんが預けている預金がふっとんでしまう。
銀行から融資を受けている企業が、
ビジネスを行っていくための資金が調達できなくなってしまう。
本来なら実体経済とは何ら関係のないはずのマネーゲームなのに、
マネーゲームで損をこいたのが個人や一般企業ではなく、
保険会社や商業銀行だったために、
みなさんのお金にまで実害が及ぶ危険が増したのだ。
だからなんとしても税金を突っ込んででも、
金融機関を助けなければならないという議論が出ている。

そこで金融機関を助けるために、
金融機関が持っている、値下がりしてしまったいわば「はずれ馬券」を、
税金で高く買い取ってあげようと言い出した。
(これを公的資金による不良債権の買い取りという)。
もう1つは、直接金融機関に税金をつぎ込み、
金融機関の業務を円滑に行わせようというものだ。

確かに金融機関を助けなければ、
預金もなくなってしまうかもしれないし、
企業の資金調達ができなくなってしまうから大変というのはわかるけど、
なぜギャンブルをやって負けた人間を税金で救うのか。
しかもギャンブルで負けたすべての人間を救うのではなく、
金融機関だけ救うのはおかしいんじゃないかと、
国民から批判があがるのは当然だろう。

こうした世論が気になった議員たちが、
選挙を前に、金融機関だけを助ける法律なんて賛成できない。
そのためアメリカの下院で金融救済法案が一度、否決されてしまった。
それを受けてマネーゲームに参加している金融機関たちは、
危機感を募らせた。
不動産で大損こいた金融機関のお金が枯渇してしまう。
そこで持っている株をあわてて売り払い、
現金に換えようとした。
こうして売る人がいっぱいいるために、再び株価が暴落してしまった。

金融機関は株を売るだけでなく、
大損こいた分の資金をなんとか確保するため、
企業に融資するのをやめたり(貸し渋り)、
企業に融資している金を引き上げようとしたり(貸しはがし)しはじめている。
こうして企業の資金調達も困難になり、
ますます経済全体が悪くなり、株価が下がる結果となる。
まさに悪循環の連鎖。
だから株価がどんどんどんどん下がり続けているのです。
以上がここ2~3週間、アメリカで起きた金融危機の概略です。
なんとなくおわかりいただけましたでしょうか?

なぜこれがアメリカの株価だけでなく、
全世界の株価が暴落しているのか。
答えは簡単。
1つは大損こいたアメリカやヨーロッパの金融機関が、
マネーゲームで世界中の株式に投資しているから。
日本の株式市場も外国人投資家が6割占めているともいわれている。
でも外国人投資家が大損こいてしまったから、
持っている日本株や中国株やインド株やロシア株やブラジル株を売って、
現金に換えて損失を補おうとしている。
だから世界中で株価が下がるはめになってしまった。

もう1つは、多くの国々が、
アメリカ(ジャイアン)をお得意様にしていたから。
アメリカがいろんな国から買い物してくれたから、
世界中の国々が儲かって、未曾有の好景気にわいていた。
ところがその肝心のアメリカの金融がおかしくなり、
景気が悪くなり、物を買わなくなってしまった。
だからアメリカ以外の国の株も下がってしまっている。

残念ながら今の世界経済システムは、
2つの心臓で成り立っている。
1つは金融という心臓。
金融がちゃんと動かないと、
体中に血液(マネー)が行き渡らなくなり、死んでしまう。
だからどんなにギャンブルで失敗し、
高給とってとんずらしているバカな金融機関でも、
心臓なので助けなくてはならない。

もう1つはアメリカという心臓。
アメリカが世界中から買い物してくれているから、
今の世界経済が成り立っている。
だからアメリカ(心臓)の調子がおかしくなってしまうと、
体全体が悪くなってしまう。
だから嫌でもアメリカを助けなくてはならない。

ここからは私の考えだけど、
ギャンブルをやるような金融機関や、
借金まみれでいばりくさっているアメリカを中心に、
経済が成り立つ時代はもう限界なんだと思う。
私はこの機会に、経済がめちゃめちゃになろうとも、
ギャンブルして大損こいた金融機関や、
借金まみれで浪費ざんまいするアメリカを、助けるべきではない。
安楽死させるべきだ。
延命治療に金を注ぎ込んでも、
問題を先送りするだけで、
そのツケは未来にどんどん大きくなるだけだと。

この危機を仮にしのげたとしても、
またいつか同じ問題が発生する。
抜本的に資本主義のあり方、金融機関のあり方、アメリカのあり方が、
問われているのだと私は思っている。

by kasakoblog | 2008-10-09 19:14 | 金融・経済・投資

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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