嘘つきインド人との戦い!~インド旅行記
2008年 10月 08日
何度となく聞かされている話かもしれないが、
はじめて聞く人はきっと驚くと思う、
嘘つきオートリキシャー(自動三輪タクシー)の騙しのパターンを紹介しよう。
■1:通常の2倍、3倍は当たり前
バススタンドからホテルまで行こうとした時のこと。
ガイドブックの地図で見る限り3~4kmとそう離れていない。
ところがはじめのドライバーは「300ルピー」(約750円)を提示。
「そんなバカな」と私はこのドライバーを見限る。
すると別のドライバーが「150ルピー」(約375円)を提示。
なんと一挙に半額である。
それでも高いんじゃないかと思った私は、
「100ルピーでどうか」と持ちかけるが、
相手に根負けし、150ルピーで行くことにした。
■2:料金以外にガソリン代を請求するパターン
さてこの半額提示の運転手。
運転がてら「300ルピーなんて高いよ、あいつら!」
などと私に同情ふりをして、ガソリンスタンドに直行。
そしてガソリン代は別だと言わんばかりに「50ルピー払え!」とまくしたてる。
この手はすでにデリーでもやられた。
もちろん払う必要は微塵もない。
「150ルピーと言っただろう。あんた」
と冷たくあしらえば、大概はあきらめる。
ちなみにバススタンドーホテル間を150ルピーで行ったわけだが、
翌日、逆区間に乗ると70ルピーだった。
さらに半額。
おそるべしインドである。
どれだけぼったくられているか、わかったもんじゃない。
まあぼったくられることもバクシーシ(喜捨)と考えられなくもないが。
■3:料金交渉した値段に後から上乗せ請求するパターン
何人ものリキシャーと交渉し、何度となく値段交渉し、
やっと50ルピーで行くと決まった。
ところが降りる頃になって、
「60ルピーだ」「遠かったから」などという輩もいる。
これもインドの常套手段。
まったく払う必要はない。
この手のパターンが一番ムカつくので、
「50ルピーと言っただろうがドアホ!」
と日本語で怒鳴ってやるのがよい。
■4:行き先が閉館・閉鎖していると嘘をつくパターン
さらに恐ろしいのが嘘である。
目的のホテルに行こうとしたら、
「そのホテルは閉鎖した」と運転手がいう。
一瞬、信じてしまいそうになるが、やはり嘘だった。
ちゃんとホテルは営業していた。
なぜこのような嘘をつくのか。
自分が紹介料をもらえるホテルに連れて行くためだ。
そのために、行こうとするホテルの、あることないこと嘘八百を並べる。
「そこのホテルは閉鎖した」「そこのホテルは危ない」
「そこのホテルは汚い」「そこのホテルは高い」
ホテルだけでなく観光名所も休館日も平然と嘘をつく。
デリーのある世界遺産に行こうと、その場所を伝えると、
「そこは金曜日、土曜日は休みだ」という。
嘘をつくのはわかっているので、
「嘘言うな」というと、彼は自信たっぷりにこう言うのだ。
「別にオレは困らない。
あんたをその場所に降ろすだけで金がもらえるんだから。
しかしあんたにとっちゃ、時間のロスだぜ。
行って閉まってたなら。それでも行くかい?」
こうまでして自信たっぷりに言われると、
本当なのかもしれないと思ったが、
こういうあやしげな輩は避けて、
別のオートリキシャーを捕まえていくと、
何のことはない、普通にオープンしていた。
■5:安い値段提示をし、セット料金で儲けようとするパターン
これは2度あった。
値段交渉していると1人だけずば抜けて安い金額をいうリキシャがいる。
この距離で50ルピーとは随分安いなと思い、
安いリキシャーに乗ると、
しつこくこの後の予定を聞いてくる。
目的地に到着し50ルピー払おうとしても、
「お金はまだいらない。オレの話を聞け」
とばかりに、勝手に観光ルートをつくり、
「この後、こことここも合わせて回ってやる。
いくらでも時間は待ってやる。
それでトータルで料金を払ってくれればいい」という。
つまり安い値段でつっておいて、
後の面倒もすべて見てトータルで儲けようというパターンだ。
こういう姑息な手を使う輩は、
後でまたもめる原因。
第一、彼にここで待ってもらわなくても、
リキシャーなど町中に腐るほどいる。
待ってもらう必要はなく、
一回50ルピーで乗せたらはい終わり。
しつこく追いすがってきたが、
こういう輩ほど後がやっかいなどでバッサリ切った。
■6:つりをごまかす輩
これはリキシャではないが、ホテルのフロントでのこと。
600ルピーの請求に対して、私が1000ルピー札を出すと、
200ルピーしか返してこない。
あまりにその態度が堂々としているので、
自分が間違えたのかなとか思うが、そんなことはない。
「釣りが足りない」
彼はニヤニヤしながら「そうでしたっけ、だんな」ってな具合に、
ポケットからいやいやもう1枚、100ルピー札を取り出す。
ここで魂胆が読めた。釣り銭をくすねる確信犯だ。
「足りないっていってんだろうが!」
怒鳴ったところで百戦錬磨のインド人である。
「仕方がねえな。まだ足りないってか?」
とまるで私が悪いかのような態度を平然ととり、
今度はしわくちゃの50ルピー札1枚を差し出す。
「だから足りないだろう、まだ!」
まったくこういつは日本人のくせして金にうるせえ奴だ、
といわんばかりにやっとこ最後の50ルピー札を取り出し、
なんとか400ルピーの釣りを受け取る。
インドではぴったりお金を出す。
釣りを期待しようものなら、
こうした面倒な交渉がいることを頭に入れておきたい。
ちなみに、同じインドでもラダックにいる時は、
このようなことは一度もなかった。
インド人のぼったくりって、
ずる賢い小役人みたいなもの。
言葉巧みになんとかくすねようという、
せこい役人的根性がうかがえる。
逆に言えば、強硬手段に出てこないのは安心。
たとえば屈強な男が何人も取り囲むとか、
銃で脅すとか、睡眠薬を飲ませるとか、
そういうのはほとんど聞いたことがない。
その代わりしつこい。
だから小賢しい小役人根性を叩きのめすべく、
そんな時はビシっと言ってやらねばならない。
でないといつまでもお目こぼしをいただけると、
すりよってくるので。
ちなみにインドの名誉のために言っておくが、
こういう嘘をついたりぼったくろうとするのは、
リキシャ、タクシー運転手、ホテル、観光名所のみやげ物店、
自称ガイド野郎などが主であって、
普通の人はとても親切だ。
バスで隣になったおじさんは、ピーナッツをおごってくれたり、
写真を撮ってあげたら金物屋の兄ちゃんは、
どこからかジュースを買ってきておごってくれたり、
旅行客が普段直接絡まない人たちはおおむね親切なので、
インド人=嘘つきと思わないように。