ドラえもんにたとえて世界経済をわかりやすく解説
2008年 10月 07日
今ニュースでアメリカの金融業界がおかしくなっていて、
世界恐慌の前触れだと騒いでいることぐらいは知っているかと思う。
でもどうしてそうなってしまったのか、
難しい用語でしか説明できない専門家やメディアの解説ではわからない。
そこで今、世界経済でどんなことが起こっているのか、
ドラえもんにたとえてわかりやすく解説したいと思う。
※あくまでイメージです。
ドラえもんファンの方、あくまでたとえですのでご了承ください。
登場人物
ジャイアン:アメリカ
のび太:日本
スネオ:中国
ジャイアン(アメリカ)はガキ大将という暴力をバックに、
となり町(中東)にナンクセつけて、
金品を巻き上げ、ぼろ儲けし、遊びほうけていましたが、
それだけでは飽き足らず、
のび太(日本)やスネオ(中国)に頼み、
借金をするようになりました(米国債乱発)。
のび太(日本)にしてみれば、
ジャイアン(アメリカ)が怖いので、
お金を貸してあげたのも確かだが、
お金を貯金してもろくに金利がつかないのに、
ジャイアンにお金を貸せば高い利子がとれるので、
次第にジャイアンに喜んでお金を貸すようになりました。
ジャイアン(アメリカ)は町中(世界中)の人から、
借用証書(米国債)と引き換えに、お金を借りまくり、
そのお金でぜいたく三昧していました。
スネオ(中国)から安い食べ物を買い込み、
のび太(日本)からは車や家電製品を買いまくる。
ジャイアン(アメリカ)がぜいたくすればするほど、
スネオ(中国)ものび太(日本)も物が売れるので儲かるので、
どんどんジャイアン(アメリカ)にお金を貸しました。
ジャイアン(アメリカ)は、のび太(日本)やスネオ(中国)から借りた借金で、
ぜいたくだけでは飽き足らず、今度は不動産に投資をはじめました。
ジャイアン(アメリカ)は、
「今、土地を買っておけば将来2倍3倍の価値にはねあがるんだぜ!」
といってのび太(日本)やスネオ(中国)からの借金で、
土地や住宅を買いあさりました。
ジャイアンの言う通り、土地は2倍3倍の価値に値上りしました。
これに気を良くしたジャイアンはさらに借金し、
ばんばん土地や住宅を買いあさりました。
「今、借金しまくったって、
土地が値上がれば借金返すだけでなく自分の儲けにもなる」と。
ジャイアン(アメリカ)の羽振りがいいので、
のび太(日本)はジャイアンにいっぱい車を売るため、
次々と工場を建て、
スネオ(中国)は次々と粗悪な食品を作りまくりました。
こうしてジャイアンものび太もスネオも、
町中の人たちが好景気にわいていたのです。
ところがジャイアン(アメリカ)が買った土地や住宅が、
ある時をさかいに急に価値が下がり始めました。
ジャイアンが1億円で買った土地は一時5億円にまで値上りしましたが、
いつのまにか1000万円になってしまいました。
ジャイアンは土地が値上がったお金で、
のび太(日本)やスネオ(中国)に借金を返すつもりでしたが、
土地が値下がりしてしまったため、
借金を返すメドが立たなくなってしまいました。
借金を返せなくなったジャイアン(アメリカ)は、
さすがにお金がなくなってしまい、
のび太(日本)からは車を買わなくなり、
スネオ(中国)からは食品を買わなくなりました。
ジャイアン(アメリカ)をあてにしていた、
町中(世界中)の人々は、
ジャイアンがお金を使わなくなってしまったためにさあ大変。
商売は儲からなくなり、
ジャイアンの借金(米国債)はいっぱいあっても、
返せる見込みがないため、お金も返ってこない。
町中が不景気になってしまいました。
これが今の世界経済のかなりおおまかな概略です。
さてここからは今後の世界経済の話。
ここで町中の人々が集まって相談しました。
どうやって町中の景気を回復させるか。
ジャイアンが投資に失敗して値下がりした土地は、
町のみんなのお金で高く買い取ってあげれば(不良債権の公的資金注入による買取)、
ジャイアンは借金地獄から逃れられる。
ジャイアンがまたいっぱい町中の人々から買い物をしてもらうために、
ジャイアンにまたお金を貸せばいいじゃないかということで、
のび太(日本)やスネオ(中国)は、
ジャイアンにいっぱいお金を貸しているにもかかわらず、
さらにお金を貸してあげました(米国債の購入)。
こうしてジャイアンは、投資に失敗した土地を町が買い取ってくれ、
また新たに借金することができ、
そのお金でぜいたくざんまい、浪費生活を送れるようになり、
のび太(日本)が作った車が売れるようになり、
スネオ(中国)が作った食品が売れるようになり、
町中が好景気にわきました。
めでたしめでたし・・・ってホントでしょうか?
ジャイアンが借金しまくったおかげで、
ジャイアン紙幣(ドル紙幣)の価値は急に下がり始めました。
今まで100ジャイアンドルで購入していたのび太製の車は、
1万ジャイアンドル払わないと買えなくなってしまいました。
今まで100ジャイアンドルで購入していたスネオ製のお米は、
1万ジャイアンドル払わないと買えなくなってしまいました。
町で流通しているお金の価値が暴落し、
いろいろな物の値段が高騰し始めたのです。
ジャイアンドルの価値が下がってしまったために、
のび太(日本)がジャイアンに貸していたお金の価値(米国債)も暴落。
のび太(日本)はジャイアンにお金を貸して大損こいてしまいました。
同じくスネオ(中国)も大損です。
こうして町中の人々がジャイアンに貸していたお金の価値も下がり、
100ジャイアンドル紙幣は紙くずとなり、
人々はもはやお金の価値を信用しなくなり、
物々交換でしか取引をしないようになってしまいました。
町の経済はめちゃくちゃ。お金は紙くず。
町は大恐慌に陥ってしまったのです。
今、世界経済で何が起こっているか。
アメリカ経済の何が問題なのか。
そのせいで日本はどうなってしまうのか。
おわかりいただけましたでしょうか?
かなりおおまかなたとえ話のため、
細部にやや経済的に正確でないところもありますが、
今、だいたいこのようなことが起こっていると、
考えてもらっていいと思います。
間違いなくドルは紙くずになります。
世界経済はめちゃめちゃになります。
そしてジャイアン(アメリカ)に依存していた国はバカをみます。
そしてジャイアンがガキ大将の時代が終わり、
新しい経済のルールや秩序ができるでしょう。
世界は今、大変な経済秩序の大変革期にいると私は思っています。
でも悪いことばかりではない。
このおかげでアメリカが牛耳る世界が終焉を迎えるかもしれません。
もう誰もあの田舎物の国の言うことは聞きません。
もう誰もあの横暴な国家の言いなりになる必要はありません。
経済力がなくなれば軍事力も維持できなくなり、
世界の発言権もなくなり、アメリカ有利のルールも作れなくなります。
ただ新しいルールが生まれるまでは世界は大混乱に陥る可能性があります。
今、このアメリカ秩序を維持しようと、
日本、アメリカ、ヨーロッパの政府や躍起になっているのですが、
もはや限界にきているのではないかと私は思っています。