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ミスチルライブレポ・横浜アリーナ4.5

希望の光を心に灯してくれる、とってもあたたかなライブ

行ってきました!ミスチルライブ、横浜アリーナ4月5日!
いやーもうほんとよかったです。
「素晴らしい」「素晴らしい」と桜井さんがライブで連呼したように、
本当に素晴らしいライブでした。
そして何より、ミスチルライブのなかでも、
これほどあたたかなライブはないのではないかと。

どの曲を聴いても、
そこに希望の光が灯っていて、
日常に流されてしまいがちな私たちに、
希望の光をそっと灯してくれる。

嫌なことがあったり、悩んだり苦しんだり、
とても息苦しい日常で、
嫌なニュースばかりの世の中だとしても、
きっとそこには希望があり夢があり救いがある。
そんなことを感じたライブでした。

アルバム「HOME」でめざしていたミスチルの音楽は、
実はその次回作「SUPERMARKET FANTASY」で成就した。
とにかくあたたかで前向きになれるエネルギーを注入してくれる、
「今の世の中、捨てたもんじゃない」
「自分の心の捉え方次第で、世の中バラ色の人生にも変わる」
そんなことを強く感じたライブでした。

というわけでここからはネタバレありのレポートです。

・・・
まずはセットリストから。

01.終末のコンフィデンスソング
02.everybody goes
03.光の射す方へ

04.水上バス
05.つよがり
06.ロックンロール
07.東京
08.口がすべって

09.ファスナー
10.フェイク
11.掌
12.声
13.車の中でかくれてキスをしよう
14.HANABI

15.youthful days
16.エソラ
17.innocent world
18.風と星とメビウスの輪
19.GIFT

~encore~
20.少年
21.花の匂い
22.優しい歌

セットリスト見てもらってわかるように、
久々にアルバムツアーらしいセットリストでした。
22曲中12曲がアルバム「SUPERMARKET FANTASY」から。
「SUPERMARKET FANTASY」でやっていない曲は2曲のみ。
昨年のHOMEツアーではアルバム「HOME」からの曲が、
非常に少なく、ベストヒットメドレー的ツアーでしたが、
今回は正真正銘のアルバムツアー。

そのような意味では、
「名もなき詩」「終わりなき旅」「彩り」「蘇生」
「CENTER OF UNIVERSE」「Worlds end」「しるし」など、
あんな曲もこんな曲もやってない!と思う人もいるかもしれませんが、
アルバムツアーらしく、今回のツアーだからこそやる曲が、
多く聴けて、個人的には非常によいセットリストだったと思います。

特にアルバム「SUPERMARKET FANTASY」がほんとどの曲も素晴らしいので、
セットリストのなかでも「SUPERMARKET FANTASY」の曲の方が、
とてもしっくり聴けました。

このセットリストのなかでとにかくすごかったのが、
「youthful days」「エソラ」「innocent world」の怒涛の3連発と、
それに続く「風と星とメビウスの輪」「GIFT」の流れ。

いやーすさまじかった!
この流れのすさまじさは、これまでのツアーのなかでも、
最上級ではなかったか。
この5曲、しびれました!

ではセットリスト順に簡単に解説を。

<しょっぱな>
01.終末のコンフィデンスソング
02.everybody goes
03.光の射す方へ

やっぱりこれでしょ!という感じで、
ツアータイトルにもなっている「終末のコンフィデンスソング」。
一発目って何やっても盛り上がる反面、
まだ客があったまってない固さがあるので、
一発目にツアータイトルであり、
かつアルバム1曲目のこの曲選びは非常にいいんじゃないでしょうか。

「おっ、ついにはじまったぞ!」って感じで、
なんかこう、桜井さんが歌っているだけでもうそれで幸せっていうのを、
存分にかみしめられる曲です。

さて、2曲目からエンジンかける曲で、
何が来るんだろうかと思いきや、
なんと「everybody goes」!

「everybody goes」は最近はあまりやっていなくって、
でも昔のツアーでは盛り上がるタイミングでの後半戦には、
必ず入っていた曲。
「おお、久しぶり!」といううれしさと、
昔から何百回と聴いている曲だけに、
歌詞もリズムも体に刻み込まれている曲なので、
会場のボルテージがこれで一挙に上がった感じ!
いや~にくい演出です!意外なだけに喜びもひとしお。

そしてまたもや意外な選曲「光の射す方へ」!
これもここ最近はやってないけど、
これまでのツアーには欠かせない曲。
これまた意外性と久しぶり感と、
でもよく知っていると3拍子そろって、
とってもいい感じのスタートでした。

<スローダウン>
04.水上バス
05.つよがり
06.ロックンロール
07.東京
08.口がすべって

最近のツアーは4~5曲、テンション高いのをぶっ放した後に、
聴かせるスローな曲に行くことが多かったんだけど、
今回は早くも4曲目から聴かせる曲に。
しかもその前に桜井さんのMCが入る。
早めにMCが入るとなんかほっとしますね。
そして桜井さんのにこやかな表情とともに、
曲紹介してくれたのがいい。

「横浜の赤レンガが舞台」「川が出てくる」
という紹介のもと「水上バス」を。
CDで聴くとある意味ではパンチがない、
ゆったりとした曲でもライブ会場だと、
激しい曲やるより桜井さんの声が響き渡るんです。

それと同じ流れで「つよがり」。
ほんとこの曲、名曲です。
「水上バス」よりさらに桜井さんの声が際立って聴こえる。
「つよがり」を聴いていると、
みんな手拍子も何もかも忘れて、
会場が静まりかえって、
桜井さんの歌声を一言も聞き漏らすまいと、
固唾を飲んで聴く感じ。
こういう曲がボディブローのように、
心に響いてくるんです。

この2曲が終わってまたまたMC。
しかも結構長いMC。
ミスチルツアーではあまりない。
それだけになんか観客とステージの距離の近さを感じ、
ライブのあたたかさを感じたMCだった。
桜井さんの歌ももちろん聴きたいけど、MCももっと聴きたい!
そう思っているファンも多いんじゃないか。

「つよがり」が“店長のおすすめ”という、
洒落っけたっぷりで紹介した後、
次の曲紹介ではこんなことを。

「今の自分には満足しているけど、
でも別の人生もあればいいなと思うことありませんか?」

ロックスター。
酒と女と薬に溺れて、それをエネルギーに音楽をやる生活。

「環境問題や社会問題なんかに取り組んだりせず」
という桜井さんのMCが笑えた。
桜井さんでも、今の音楽人生とは、
まったく別の音楽の道への志向があったんだなと。

でもロックスターになれなかった自分を歌った、
「ロックンロール」を歌っている姿が、
なんか一番、桜井さんが楽しそうで、
心の底から本音で語っている曲のようにすごく感じた。
でもそんなロックスターになれなかった自分を、
歌にこめて歌えるぐらいの今の自分を、
実は一番喜んでいるんじゃないか。

ミスチルがこれだけブレイクしたのは、
ロックからポップへとシフトしたことが、
何より大きかったはずではないかと。

そして「東京」!
待ってました!鳥肌立ちました!
これは、ほんと名曲中の名曲!
「エソラ」と対をなす「SUPERMARKET FANTASY」の核となる曲。
いやある意味では、
ミスチルが自分たちが音楽活動をやっている意味がわかったという、
「彩り」と双璧をなす、ミスチル代表曲なんじゃないか。

「東京」という息苦しい日本社会を描きながら、
夢を叶えられるのはほんの一握りと現実を歌いながら、
それでもその日常にこそ、
希望や光や救いがきっとあるはずと歌った、
今の日本に生きる人たちに向けた最上のメッセージ。
「東京」がライブで聴けてよかった。
文句ばかりいわず、明日からがんばろう!
そんな気持ちにさせてくれる曲です。

そして今度もまたもや「SUPERMARKET FANTASY」から「口がすべって」。
この曲もいいですね~。
あたたかい。
日常のなかで希望を与えてくれる曲。
リズミカルで口笛吹いているような曲調で、
とっても楽しく聴ける。
なので歌詞にひっかけた戦争の映像とかが、
やや違和感があった。
確かに歌詞は民族紛争とか出てくるけど、
それがテーマじゃないから、
もっと日常のシーンでいいのになと。

<ハードな曲へ>
09.ファスナー
10.フェイク
11.掌
12.声

「SUPERMARKET FANTASY」からあたたか曲群が、
軒並み演奏されて、さあ次はどう来ると思った時に、
意外や意外だけど、実にこのセットリストのなかでは、
存在感があって見事なつなぎ役をこなしたのが「ファスナー」。

アルバム収録曲で決してパンチのある目立った曲ではない。
でもすごく耳にひっかかるのがこの「ファスナー」。
そしてこのセットリストのなかでは、
あたたかほんわかムードから、
激しいハードな曲モードへ見事に橋渡しした曲。

いやーお見事!
この「ファスナー」がすごい効きました。
妻と一緒にコンサートに行って、
終わった後に感想聴いたら「ファスナーがよかった」と、
まず言ったので、「あんたはミスチルのことよくわかってる!」
と思わず感動してしまいました。

にくい曲です。
この「ファスナー」から「フェイク」「掌」という、
このツアーでは唯一のハードな曲。
いつものミスチルツアーは中盤の「狂夜モード的曲群」が多いんだけど、
今回はこの2曲。
確かになんかとにかく雰囲気が前向き・あたたか・ポジティブなので、
この2曲ぐらいで十分だったかも。

「フェイク」はこれまでのツアーでいうところの
「ニシエヒガシエ」的位置付けとして最近は重宝されている感じ。
アルバム「HOME」のなかで唯一激しい曲だし。
でもこの側面があるからこそ、
単に夢や希望を歌うだけのアーティストとは違う、
ミスチルらしさがあるんだと思う。

「掌」は昨年のapfesでも歌い、
最近になって重宝しだした曲。
多分この曲をどうしても入れたいのは、
「1つにならなくてもいいよ」という、
桜井さん自身が今の社会に、
最も伝えたいメッセージだからではないかと推測している。
「世界はひとつ」とか「みんなひとつ」とか、
経済のグローバル化が進んで、
すべての価値観がマネー・経済成長率という数値だけに、
置き換えられているなかで、
でもそれが破綻したからこそ世界同時不況が起きていて、
でもまだ未だに各国は過去の価値観をひきずり、
みんなで経済成長することがいいと、
1つの価値観、1つの「宗教」にしがみついているなか、
「本当にそれがいいのか?」というメッセージをこめて、
きっとこの「掌」を最近になって、
歌うようになったのではないか。

2曲で狂夜モードは終わって、
その流れのなかでの「声」もむちゃくちゃ良かった!
個人的にアルバム「SUPERMARKET FANTASY」のなかで、
すごく好きな曲。
サビが「イエーイ」と叫ぶので、非常にライブ向きの曲だなと思っていたけど、
やはりすごくライブには合う曲。

ポジティブ全面のあたたか曲群とはやや違って、
ネガティブな感じなんだけど、
そこに数少なくてもポジを見出していく、
力強さを感じさせる曲で、
ある意味ではこれまでのミスチル曲調の王道を行く曲。
こういう曲が生きにくい世の中だからこそ、
すごく勇気を与えてくれるんです。

<怒涛の終盤戦!>
13.車の中でかくれてキスをしよう
14.HANABI

15.youthful days
16.エソラ
17.innocent world

18.風と星とメビウスの輪
19.GIFT

狂夜モードが終わってまたもやMCでクールダウン。
ちょうど今年でミスチルが結成20周年で、
一番数多くライブをやっているこの横浜アリーナも20周年とのこと。
そんなわけでデビュー当時の非常に若々しい、
ミスチルの写真が画面にぱっと出て、会場はとてもなごやかな雰囲気に。

デビュー当時のミスチルからは、
今のミスチルは到底想像できない。
どこにでもいそうな、ちょっとオシャレでさわやかな若者たち。
それがここまで日本の音楽シーンに存在感をもたらすほど、
しかもいい意味で音楽性をシフトさせていき、
今では逆にデビュー当初に曲調を、
パワーアップして回帰しているようなバンドは、
極めて珍しいんじゃないか。

人は変われる。
そんな思いをいただきながら、
デビュー前に作った曲でアルバムに収録された、
「車の中でかくれてキスをしよう」を。
なんかこの曲がそんな前に作った曲とは思えず、
最新アルバムに入っていたって何もおかしくはない。
そう感じさせる懐かしい名曲だった。

そろそろ終盤にもなって、
ほとんど最新主要シングル曲演奏してないんじゃないか?
といった不安も忘れた頃に、
ここで来ました、一発目「HANABI」。

「HANABI」も「声」と同様、
基本的にネガなんだけど、
そこからポジを見出すという、
かつてのミスチルスタイルを踏襲した王道的曲で、
だから聴いていて涙が出てくるような哀愁がある。

「誰もみな問題を抱えている だけど素敵な明日を願っている」

ほんとこれに尽きると思う。
昨日、絢香さんの結婚会見と病気告白の日記で書いたけど、
誰もがみな問題を抱えながらも、
前を向いて歩いていく。
その「覚悟」が必要なんじゃないか。
そんなことを一人一人に思い至らせてくれる曲。

そしてここからの怒涛の3連発がすごかった!
「youthful days」!
この曲が、ライブのなかで一番盛り上がり、
観客とステージが一体化した瞬間ではなかったか。
あたたかな曲、ハードな激しい曲でもなく、
ノリノリになれる曲。
疾走感がたまならいんです、この曲。
すごかったです。
この曲で会場の雰囲気が一変しました!

そんな最高潮に盛り上がったなかで、
もうこれ以上はない盛り上がりを持ってきたのが「エソラ」!
すごい!すさまじい!すごすぎる!楽しすぎる!

「エソラ」。
この曲、聴いた時、ほんとしびれた。
これまでのミスチルとはまったく違う曲。
100%ポジティブで明るい曲。
モノクロな目の前の世界が、
すべてカラフルな魔法によって色とりどりのカラーに変わっていくような、
元気や明るさを与えてくれるすごい曲。
「エソラ」をライブで聴ける幸せ!
ほんと最高です!

そしてさらにさらになんと「innocent world」!
もうこの3連発は、ミスチルコンサート史上に残る、名シーンでしょう。
もう盛り上がりすぎてわけわかんないけど、
とにかく楽しくて頭が真っ白みたいな感じ。
やばすぎです。このセットリストの流れ。
DVDになって見てもこの3連発は何度となくやられてしまいそうです。

これで一瞬、終わりかなと思いつつ、
ミスチルの傾向として盛り上がりっぱなしで終わるということはなく、
ある程度、クールダウンさせて終わるのが常と思っていたら、
ここで予想外にうれしい「風と星とメビウスの輪」。

この曲もぜひライブで聴いてみたかった曲のひとつ。
この壮大な曲はCDよりライブでこそ光る曲ではないか。
はじめはゆったりとしたスタートなんだけど、
どんどん曲のボルテージが上がってきて、
後半一挙に盛り上がるという見事な曲構成で、
この曲のスケールの大きさ、懐のでかさは、
ライブで聴くと一段と大きく感じることができます。

そして次は予想通りの「GIFT」。
きっとこの曲がアンコール前のラストの曲になるだろうなと思っていたし、
そしてまたCDの曲順からいっても「メビウス~」から、
「GIFT」に行く流れがすごくいい。

「GIFT」。
シングル発売当初、聴きまくって、
テレビでまくりで何度もこの曲をやっていたので、
しばらくあまり聴かなかったんだけど、
最近この「GIFT」が気になって何度も何度もリピートして聴いていた。

すごくクールダウンしたなかで、
きちんとメッセージを受け取れる曲。
それがこの「GIFT」の魅力ではないか。
桜井さんから発せられる一言一言の歌詞をかみしめながら、
しっかり聴ける曲がこの「GIFT」ではないかと思う。
ここでひとまず終了となる。

<アンコール>
20.少年
21.花の匂い
22.優しい歌

そしてアンコール。
これまた意外な3曲だった。
「SUPERMARKET FANTASY」中心のセットリストで、
ここまで来てやっていない「少年」「花の匂い」はやらないのかな、
と一瞬思っていたんだけど、
ここにもってくるとは!

「少年」はいいですね。ほんと。
あの力強さが。
アンコール一発目といわず、中盤の「狂夜モード」で、
もってきてもよかったんじゃないかなと思う。
こういう曲があるからこそミスチルは飽きない。

そして「花の匂い」。
この曲もほんといい曲です。
セットリストに入れるにはすごい難しい曲だろうなと思う。
これで終わっちゃうとさみしい感じもするし、
でもきっと昨年の桜井さんの気持ちが一番詰まった曲は、
きっとこの曲なんだろうし。

そして最後の最後、何が来るんだろうと思っていたら、
意外だけど素晴らしい選曲だった「優しい歌」。
ミスチルがネガからポジに大きく転換したのは、
私はこの「優しい歌」からではないかという気がしている。
この曲からすごく前向きな曲調にシフトしていっている。
「おお、今度のミスチルはこうくるか!」
と「優しい歌」を聴いた時には結構衝撃があった。

いいです。明るく前向きででも力強い。
意外な名曲「優しい歌」で見事にしまった、
本当に素晴らしいライブでした。

明日からがんばろう。
文句ばかりいってないで、
日常に希望を見出してがんばろう。
そんなメッセージやエネルギーをふんだんにもらった、
あたたかいライブでした!


これまでのライブレポ
http://www.kasako.com/mr.files/tour.html

by kasakoblog | 2009-04-05 23:22 | ミスチル

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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