カテゴリ:金融・経済・投資( 157 )

2012年 06月 13日
配当利回りならJリート!
2万円の株を買うと、毎年分配金で1700円もらえる。
20万円の株を買うと、毎年分配金で1万5000円もらえる。
利回り6~8%という驚異的な金融商品があるのをご存知だろうか。
Jリート(不動産投資信託)だ。

貯蓄から投資へという掛け声のもと、
多くの投資家が株式投資や投資信託で、
資産を半額に減らしてしまい、
多くの人たちは金利が0%だろうが、
元本が減らない預金の素晴らしさを知った。

あとはむしろ株式投資や投資信託のように、
イマサマが横行するようなギャンブルではなく、
ある意味ではとっても公平なスロットマシーン、
円高か円安を当てる丁半バクチのFX(外国為替証拠金取引)に、
シフトしている人も多いが、
さすがに丁半バクチは資産運用という意味では恐ろしい。

私も金融ライターという職業柄、
すべてに手を出してやってみたが、
株は10万円が1万円に、
投資信託は20万円が12万円にと、
金融ライターでありながら、
見事に大損ぶっこいた。

FXは豪ドルで何回かやっていたが、
負けたことはなく多分プラス3万円ぐらい。
でもこの小金を稼ぐために、
丁半バクチにかけるいは怖すぎ、
心理的にも毎日レートが気になるので、
儲かるかもしれないけど、やめた。

そしてここ数年、毎回儲かっているのが、
Jリート(不動産投資信託)である。

Jリートとは、みんなで金を出しあって、
複数のオフィスビルや商業施設やマンションなどを買い、
賃料収入で儲かった分のほとんどを、
半年に1回、投資家に分配金として還元する金融商品だ。

投資信託(ファンド)であるが、
東証に上場しているので、
株のように買える便利な商品である。

このJリートの配当利回りが大変なことになっている。
日本株市場で配当利回り上位で検索すると、
上位はほぼすべてこのJリート。
しかも6~8%と驚異的な数字である。

Jリート名/株価/配当利回り/分配金目安
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なんでこんなものすごい配当利回りになっているか。
・金融商品の中でも知名度が低く人気がない。
・株価が下がるとJリートも下がる傾向にある。
という理由だ。

株価が安いけど、不動産の賃料収入は入ってくる。
だから利回りで見るとものすごい高い数字が出ているのだ。

利回りっていいうと難しいけど、利子・金利みたいなもの。
今、銀行に普通預金で預けると0.02%。
そんな超低金利時代にJリートだと6%とか7%とかつく。

比較すると、
10万円を銀行に預けると1年間で20円の利子。
その10万円でJリートに投資すると、
1年間で6000円入ってくることになる。
なんとも恐るべき違い!
株にも配当はあるが、さすがにここまで%の高いものは皆無だ。

手数料は高いは元本から取り崩して、
分配金を出すようなイカサマ詐欺商品の、
投資信託を全部売り払ったので、
その資金でJリートにここ数年、投資するようになった。

日経平均株価が下がった時にJリートを買い、
日経平均株価が上がったら売って儲ける。

ただ株でもJリートでもそうだけど、
日経平均が下がった時に投資して、
もっと下がってしまったらどうしようという恐ろしさだ。
それを軽減してくれるのがJリートである。

私も投資した後、買った値段より下がったことは何度もある。
でも持っていれば6~8%もの分配金が、
半年に1回入ってくるから、
別に下がってもいいやと持っていられる。
でもそのうち上がってくるから、そこで売る。
そんなことを繰り返しているので、
株式投資では1/10になり、
投資信託では1/2になってしまった私が、
Jリートでは損したことがない。

もちろん投資商品なのでリスクはある。
株以上に値動きが荒いので、
もしかしたら半値とかになってしまうかもしれない。
不動産の状況が思わしくなく、
賃料収入が減れば、分配金が減って、
利回りが下がってしまうかもしれない。

そして一番恐ろしいのは地震リスクで、
首都圏とかに地震がきて、
ビルの補修工事にお金がかかったり、
賃料ががくんと下がったりしたら、
まったくどうしようもない紙切れになってしまうかもしれない。

でもだからといって10万円預けて20円しか利子がつかない、
普通預金に預けておくのなら、
預金の中のほんの一部の資金を、
「最悪0円になっても仕方がない」という覚悟のもと、
この日経平均株価の低迷時に、
Jリートに投資すると、結構おいしいと思い、
先週、株価が下がりまくったところで、
いくつかの銘柄に投資した。

今後もまだまだギリシャ、スペインをはじめとした、
欧州危機の影響で、今の株価で購入しても、
外国人投資家が資金を引き上げちゃうと、
株価は下がってしまうかもしれないが、
でも欧州危機と日本の不動産賃料市場には、
そんなに直接的な影響はないわけで、
賃料が入ってくれば株価は下がっても、
6~8%ぐらいの分配金が入ってくる。
そして何より為替リスクがないことがいい。
為替変動の影響を受けるような商品は、
まずほとんど為替でやられる。
でもJリートに為替リスクはない。

そんなわけでいくつかJリートに、
先週、今週に投資しました。
株と同じように売買できます。
もし株でも投信でもFXでも、
資産運用がうまくいかないという方は、
Jリートを試してみるといいかもしれない。

ただし投資はバクチ。
0円になっても許せる範囲のお金で、
少額で試してみるといいかと思います。

手数料は高いは、運用成績は悪いは、
元本から取り崩して分配金は出すは、
詐欺みたいな投資信託なんかに投資するより、
よっぽどもいいです。

本当は今、株式投資の取材をしていて、
いろいんな人たちの話を聞くと、
株の方がロマンがあって数倍にもなる可能性もあるので、
やりたいのはやまやまなのですが、
銘柄数が多いし、不祥事リスクとかも怖いので、
やっぱり手を出せず、
自分の慣れ親しんだJリートに振り向けることにした。

ちなみに金融機関や証券会社にいっても、
手数料がふんだくれる投信ばかり勧めて、
Jリートを勧めるところはあんまりないんじゃないかな。
自分たちが儲からないし、
そもそも株でも債券でもない、
不動産の実物投資でもない、
Jリートが何たるかを知らない金融機関の人もいるので。

Jリートのような「いい商品」の、
認知度が上がればいいのに。

Jリートとは?
http://www.japan-reit.com/page/guide01-2.html


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by kasakoblog | 2012-06-13 01:20 | 金融・経済・投資
2012年 06月 10日
日本の希望は内需企業!輸出企業の横暴に振り回されるな
「日本の景気はいいですか?」と聞かれて、
多くの人はこの20年間「悪い」と答え続けてきた。

「日本経済の先行きは明るいか?」と聞かれて、
多くの人はこの20年間「暗い」と答え続けてきた。

それを裏打ちするかのように、
低迷し続けているのが日本の株価だ。
毎日のように「株価が下がってます!」と連呼され、
日本人はまるで日本経済に未来がないような、
洗脳をされ続けてきた。

今もなお日経平均株価は低迷している。
でもそれは輸出企業が多いイカサマ指標であり、
そもそも「平均値」が下がっていても、
リーマンショックや超円高、デフレ、
長らく続く景気低迷の中、
成長を遂げている日本企業はいっぱいある。
その多くが内需企業だ。

ここで10年間の株価比較を見てみよう。

まずは日経平均。
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10年前に比べて株価は低い。
つまり右肩下がりの日本株インデックス投資なんかしていても、
儲かるわけがないのである。

輸出企業の代表格、トヨタを見てみよう。
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見ての通り、円安バブル時代は大儲けしたせいで、
いわば為替によって株価は上がったものの、
現時点では円高なので10年前と同程度の株価水準だ。

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ソニーなんかこの10年でこの低迷ぶり。

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パナソニックも円安バブル時代は株価が上がっているが、
今は10年前より下の水準。

ここまでが日々ニュースで流れる、
日本経済はダメだ洗脳論である。

そして多くの人が未だに、
既得権益の輸出企業の洗脳報道に惑わされ、
「日本経済を支えているのは輸出企業だ!」
ととんでもない勘違いをしているが、
日本は各国に比べて輸出依存度は極めて低い。
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先日、ライブドアショック、リーマンショック以前から、
株式投資を続けて、数千万円儲かっている、
ある個人投資家に話を聞いた。

「為替リスクのある輸出企業なんかには絶対に投資しない。
そもそももう成長余力が見込めない」
核心そのものズバリである。

デイトレーダーなどではなく、
長期的に成長する企業を見極めようとしている投資家は、
こんな株価低迷時代でも、
株価が上がっている優良企業を見出している。
その多くが内需企業だ。

これだけ日経平均が下がり、
日本経済はダメだダメだといわれているにもかかわらず、
10年間で株価が上がっている、
わりと一般人でもなじみのある企業をいくつか紹介しよう。

ユニクロ。
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ライブドアショックもリーマンショックも欧州債務危機も何のその。
この急成長ぶり!

ニトリ。
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ユニチャーム。
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楽天。
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餃子の王将。
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ローソン。
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山崎製パン。
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カゴメ。
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どう?
この10年間といえば、
経済ニュースが暗いものばかり。
デフレで大変な時代だったはず。
高度成長期でもない。
でもわりとなじみのある企業の株価は、
10年前に比べて2~4倍ぐらいになっている企業もある。
そしてその多くの共通点は、
輸出ではなく国内向け商売だということだ。

しかもこれらの内需企業は、
新興国の経済発展に伴い、
今後、海外進出を行い、
海外でも稼げる可能性がある。

私が2011年12月にブログで、
日経平均のような右肩下がりの平均値に投資する、
インデックス投資は終わりを告げ、
右肩下がりでもいくらでもある、
成長企業を見出してそれに投資する、
アクティブ運用が見直されると書いた。
http://kasakoblog.exblog.jp/17016291/

まさにそれを実現している直販投資信託がある。
そのファンドマネージャー藤野英人さんが書いた、
日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい」を読むとよくわかる。

日経平均は低迷し、日本経済も低迷しているのに、
2000年以降、株価が5倍以上になった銘柄は、
なんと783銘柄もあるという。
この本には、右肩下がりの時代に、
成長企業を見出すことの重要性が書かれているので、
別に株式投資をしないまでも、
日本経済を理解する上ではとても役立つ。

見ての通り、為替リスクに左右されない、
内需企業で成長している企業は意外とある。
にもかかわらず、輸出企業の権力があまりにも強く、
円高を騒ぎ立てては、ろくに効果もないのに、
政府に為替介入させて大損させ、
自分たち輸出企業は消費税を還付されるイカサマ制度があるから、
消費税増税をごり押ししたりするなど、
権力にモノを言わせて、
崩壊しているビジネスモデルの既得権益を守ろうと、
マスコミや官僚や政治家を使って、
必死になって国民を洗脳し、
「円高介入すべき」「消費税増税すべき」
というマインドコントロールを行っているのである。

※参考:輸出企業に消費税が還付されるしくみ
http://hb8.seikyou.ne.jp/home/o-shoudanren/hayasi.pdf.pdf

しかしこのデフレ時代でも、
内需企業で成長しているところはいっぱいある。
日本経済全体がダメなんじゃない。
輸出企業がダメになっているだけなのだ。

輸出依存度が40%とか50%とかならともかく、
日本はたったの17%。
輸出企業の言いなりになっているから、
どんどん借金のツケばかりがたまり、
消費税だけ増税され、
日本全体を暗い雰囲気に陥れている。

そんな輸出企業に振り回されなくても、
いっぱい成長している内需企業が多いことに、
気づいていただければと思う。

・「日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい」藤野英人著

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by kasakoblog | 2012-06-10 22:48 | 金融・経済・投資
2012年 06月 02日
ドラクマゲドン襲来か。危機に強い最強の日本円
2008年のリーマン・ショックに匹敵する金融危機が、
今年起きるのではないかと言われている。
その名も「ドラクマゲドン」である。

冗談を言っているのではない。
経済・金融情勢にうとい日本人はともかく、
今、世界中の人たちが注目しているのが、
「ドラクマゲドン」が起きるのか否かなのだ。

ドラクマゲドンとは、
ギリシャ通貨のドラクマと、
映画アルマゲドンを掛け合わせた造語で、
2011年11月にギリシャのテレビ番組で紹介されたらしい。

借金まみれでどうしようもなくなったギリシャが、
すべての借金を踏み倒してやり直しをはかるために、
欧州の共通通貨であるユーロを離脱し、
ギリシャの独自通貨ドラクマに切り替える可能性が高くなっている。
そうなるとギリシャ経済が大混乱に陥るだけでなく、
ヨーロッパのほかの借金まみれの国にも、その悪影響が飛び火。
ポルトガルやスペインの債務危機も勃発し、
ヨーロッパ経済ががたがたになり、
結果、アメリカもアジアも世界中が危機に巻き込まれるのではと、
今、世界は戦々恐々としているのだ。

なぜ人口1000万人程度の小国ギリシャが破綻しただけで、
世界中に影響があるのか。
それは今の金融資本主義経済がネズミ講みたいなものだからである。

みんなもちつもたれつでやっている。
日々、金を回し続けなければやっていけない。
誰かがその動きを止めたとたん、
すべての動きがとまってしまう。
お互いがお互いの借金を支えあえ、
お互いがお互いの物を売りつけ支えあっている。
極論すれば自立した国などないから、
どこかの経済活動がおかしくなってしまうと、
その歯車に組み込まれた国が連鎖倒産していき、
全世界に影響を及ぼしてしまうわけだ。
そうリーマン・ショックの時のように。

こんな恐ろしいドラクマゲドンが、
襲来するかもしれないというのに、
ドラクマゲドンという言葉も知らず、
のんきにスカイツリーという名のバベルの塔に、
浮かれていていいのだろうかと思うかもしれないが、
浮かれていてもいいのかもしれない。
なぜなら欧米発の金融危機が勃発した際、
日本円の現金は世界最強の資産となるからだ。

昨日アメリカの株式市場は今年最大の下げ幅を記録。
それにつられるかのようにヨーロッパ株も軒並み安値をつけた。
日本株も当たり前だけど下がっている。
日経平均が9週連続下げ続け、16%以上も下落した。
9週連続下げ続けるというのは、1992年以来20年ぶりの異常事態である。

そんなに下がっているんじゃ、
スカイツリーに浮かれている場合ではないんじゃないか!
と思うかもしれないが、安心材料がある。
危機になって超円高が進んでいるのだ。

欧米株の下落を受け、一時1ドル=77円台、
1ユーロ=95円台をつけた。
超円高の到来である。

円高になったら大変じゃないか!と思うかもしれないが、
それは一部の輸出企業が自分たちの利権を守るために、
ひたすらマスコミを使って洗脳しているに過ぎない。

円高になると大変だから政府は為替介入しろ!
とバカな国民が多いせいで、
為替介入してしまうと40兆円もの含み損を抱えてしまう場合もある。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120207/plc12020721530029-n1.htm
効果もない介入して、挙句の果てに含み損膨らましても、
大損するだけで何のメリットもない。

自国通貨の価値が強くなって何が悪いのだろうか。
しかも日本は天然資源も食糧もろくにない、
輸入頼みでないと生活ができない国だ。
輸入するには自国通貨が強い=円高の方が有利である。
資源を安く買えるからだ。

リーマン・ショック時もそう。
今回の欧州危機もそう。
欧米発の危機が起きると、
世界中の投資家がうさんくさい株式市場から資金を引き上げ、
不安定なドルやユーロから資金を引き上げ、
逃避先として日本円を買う。
よって円高が進行し、危機時に日本円を持っている人が「最強」になる。

ところが日本では金融機関がボロ儲けするために、
国民を損をさせようと、
「リーマン・ショックのような危機が、
この先、何度も起きる可能性があります。
だから日本円で資産を集中するのはよくありません。
国際分散投資しましょう」と持ちかけ、
結果、危機が起きると、分散投資した株価は急落、
さらに円高によりドル建て資産やユーロ建て資産も急落し、
危機が起きると資産を半減させてしまうというようなことが起きている。

預金金利が0%に限りなく近かろうが、
危機に強いのは日本円の現金。
もし欧米発の危機に備えるというなら、
国際分散投資なんか絶対にしたらダメで、
日本円のキャッシュを持つことが、
最強・最善の対策になるのだ。

すべての株が右肩下がり。
ショックに強いといわれる金(ゴールド)も、
換金売りでキャッシュに変える動きが多いので、
危機時には下がる場合こともある。

すべての資産が右肩下がりになる中、
唯一、危機になればなるほど右肩上がりになるものがある。
そう、それが日本円なのだ。

マスコミの洗脳によっていつも見慣れたドル円チャートは、
円高になると下がっている風に見えるので、
下がる=悪いというイメージを持ちがちだが、
円ドルチャートに置き換えるとまったく違ってみえる。
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見てください、このチャート。
日本円がどんどん右肩上がりで強くなっているのがわかると思う。
チャートやグラフなんてまやかしで、
ドル円チャートにするから円高=下がっている=悪に見えるのであって、
ひっくりかえしたら日本円がどれだけ素晴らしいかがわかるだろう。
右肩上がりする資産をわざわざ売って、
右肩下がりするドルやユーロを買う必要なんかないし、
株を買う必要もないのである。
危機対策のためには。

とはいえ日本円も万能ではない。
1つは危機がリーマン・ショック程度なら、
日本円は最強になるが、
ドラクマゲドンが全世界の経済システムを根底から覆すほど、
大きなショックになるとすると、
紙切れにすぎない通貨はすべて信用力を失い、
日本円の価値も下がる可能性がある。

もう1つは日本の既得権益を必死に守ろうとする、
政治家・官僚・企業・国民の動き。
時代や社会が変わっているのに、
今までのやり方を変えたくないから、
政治の働きかけて、
新しい動きの目を叩き潰し、
既存の崩壊するビジネスモデルが有利になるよう、
そのシステムを維持するため莫大な税金を注ぎ込んでいる。

そのため経済対策と称して税金を注ぎ込んでも、
金を使うだけで一向に経済は元気にならない。
でも未だに既得権益を必死で守る国民がいるため、
経済を元気にする新しい方向性のために税金は使われない。
しかもそのツケを消費税増税に押し付けようとしているから、
ますます経済は失速する。
結果、日本もギリシャのようになり、
日本発の危機が勃発した場合は、
日本円は最強ではなく、ドラクマのように最弱になる可能性はある。

それはそれで別のリスクヘッジを考えねばならず、
日本発の危機に備えるなら国際分散投資は、
ある程度有効性を持つ可能性はある。
ただし日本発の危機が起きたら、
ギリシャ危機どころの騒ぎではなく、
それこそすべてのペーパー資産が紙切れになるかもしれないので、
いくらリスクを分散しても、
リスクを回避できないかもしれないが。

ただ今のところは欧米発の危機=ドラクマゲドンが先。
短期的には日本円の現金を持っている人が、
世界では最強になる可能性が高い。
よって外貨建て資産や株式などのあらゆるリスク資産は、
今後も急落する可能性をはらんでいる。

万が一、世界の大方の予想に反して、
ギリシャがユーロを離脱しないことになれば、
逆に日本円の価値は弱くなり、
あらゆるリスク資産が上昇するかもしれないが、
現時点で逆張りするのは懸命ではない。
そうなったらそうなったで資産を振り向ければいいのだから。

金融危機が頻発するそのリスクヘッジと称して、
大事な日本円現金を外貨建て資産や、
株式などのリスク資産に振り向けましょうという、
あやしげな金融機関のセールストークは、
ギリシャ危機直前の今の状況にはまったくあてはまらないことを、
頭に入れておきたい。

・ロイター:ギリシャに迫る悪夢のシナリオ、「ドラクマゲドン」襲来か
http://jp.reuters.com/article/idJPTYE84J00O20120520?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0


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by kasakoblog | 2012-06-02 11:12 | 金融・経済・投資
2012年 05月 20日
世界のトップは財政再建と経済成長の両立なんて言ってる・・・世界経済崩壊のカウントダウン
ギリシャがユーロを離脱するのではないか。
もう3年ぐらいずっと引きずっている欧州債務危機。
また最近にわかに情勢があやしくなり、
日経平均株価は8600円台にまで落ち込んだ。

欧州危機を回避するため、
この世界を動かしているトップたちが集まったG8首脳会議では、
財政再建だけでなく経済成長の両立とか言い出した。

こいつら、ダメだ・・・。
こんなこと言っている連中が世界のトップだなんて。
もはや現在の経済システムは崩壊する運命にあるのかもしれない、
と思えてきた。

そんな大げさなと思うかもしれないが、
たまたま今日送られてきた本田健氏のメールマガジンには、
「2012年 金融システム崩壊後の時代を、
幸せに軽やかに生き抜く8つの秘訣」との講演の案内が。

そのメルマガには、
・ギリシャのユーロ離脱をきっかけに、
欧米の金融破綻が起こり、世界経済システムの崩壊が起こる

・その後は新しい通貨システム、
(例えばフェイスブックの「いいね!」の有料版のようなもの)

と書かれていた。

ああやっぱり見る人が見れば、
当たり前の話だけどそういう結論になるよね、
と自分の考えが間違っていないことを再認識した。

本田健氏はさておき、
なぜ財政再建と経済成長の両立がおかしいのか。
それは財政が悪化した理由が、
無駄な経済成長=景気対策政策を行い続けていたからだ。

ギリシャもそう、ヨーロッパもそう、
アメリカもそう、日本もそう。
なぜ先進国は借金まみれになったのか。
それはちょっと景気が悪くなる度に、
「景気対策をしろ!」「経済成長戦略を立てろ!」
と国民がわめき、そのために税金使って、
さまざまな景気対策、経済成長戦略を行ってきたから。

その対策が有効に機能すれば、
税金使ってもその分、景気が良くなって、
税収が増えてその対策費用を回収できるはずだが、
そうはならなかった。
だから借金だけがどんどんかさみ、
財政が悪化していき、
本来、公共が行うべき、
社会保障や教育分野が削られるという、
本末転倒なことが起こっているわけです。

なぜ先進国の経済成長戦略がうまくいかないのか。
言ってみれば70歳の病弱な老人(先進国)に、
元気がなくなったから(景気が悪くなったから)、
元気にさせなければいけないと、
税金使って大金はたいて、“麻薬”を買って、
無理やり飲ませるようなものだからだ。

それによって一時的に元気になるかもしれないが、
根本的な解決には何もなっていない。
だからまた元気がなくなる。
すると国民から借金して“麻薬”を買う。
一時的に元気になるがまたダメになる。
また借金して買う。
その繰り返し。

いつしか“麻薬”なしでは生きていけない体質になり、
借金だけがかさんで、ちっとも元気にならないどころか、
依存体質で何もできなくなるという、ひどい状態になってしまう。

それが今の先進国債務危機の本質。
でももういい加減、借金はこれ以上できなくなった。
返せるメドがないからだ。
だから辛いかもしれないけど、
もう“麻薬”=景気対策はしない。
依存体質から脱却して、
大きな成長はないかもしれないが、
残りの余生を平穏に暮らす方法に転換し、
貴重な税金は“死にそうな老人”に使うのではなく、
これからの時代を担う“子供”に使えるようにしよう、
というのが財政再建重視路線だ。

だから痛みを伴う。
景気対策の恩恵を受けてきた連中は大反対する。
今、“麻薬”がなくなったら死んでしまう。
それで自分たちが少しでも生きながらえるために、
「財政再建と経済成長の両立」なんていわせて、
また借金して“麻薬”を買おうとしているわけだ。

結果どうなるか。
一時的に危機は回避できても、
その借金のツケは若い世代に回される。
それで社会保障は減るは、年金は減るは、
挙句の果てに消費税増税するはで、
若い世代に負担を強いる。
これが今、世界のトップたちが言っている、
「財政再建と経済成長の両立」政策でしょう。

ちなみにギリシャなんて2004年にオリンピック開催した国ですよ。
バカな都知事が大金はたいて、
選ばれもしない五輪開催地に立候補し、
オリンピックやれば経済の活性化になるなんて、
未だに思っていて、そんなアホな知事が再選されてしまう。
でもオリンピックだって“麻薬”に過ぎない。
2004年にオリンピック開催した国が、
その5年後には財政破綻するかもしれないという、
危機に追い込まれている現状を見れば、
先進国で開催する五輪が、
一時的なカンフル剤になっても、
長期的な経済成長につながらないことは明らかなわけです。

でも国民にとっても企業にとっても、
身を削って借金を減らすのはイヤだ。
それならエコポイントとかエコでもなんでもない、
詐欺政策を考案して、
今の自分に恩恵があるよう、
税金ばらまいてくれた方がうれしいわけです。
それで国民や企業が、
「財政再建だけでなく景気対策もやれ!」
「経済成長戦略も作れ!」とわめくから、
政治家もそれに従うわけです。

結果どうなったかといえば、
借金まみれでにっちもさっちもいかなくなった、
先進国債務危機が起きているという状況なんです。

でももういくらなんでももたない。
ここらで経済システムを一度チャラにし、
抜本的に一から作り直さないと、
若い世代ほど損をすることになる。
だからギリシャのユーロ離脱がきっかけで、
現経済システムが崩壊することは、
短期的にはものすごいマイナスだが、
長期的にはものすごいプラス材料。

いつまでも死を先延ばしにするより、
ここで一度リセットし、
早めに蘇生できる体制にまい進した方がいい。

しかし国民も企業も政治家も、
今、痛みを伴うことをしたくないから、
経済成長の両立なんて、
また同じ失敗を繰り返そうとしている。

どんどん借金という雪だるまは大きくなる。
いつか耐えられなくなる日は近い。
逆に早く耐えられないとあきらめ、
新たな経済社会を作らないと、
ほんと大変な混乱時代になってしまうと思う。

・そんな時代に生き抜くヒント
「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」橘玲著

「2022―これから10年、活躍できる人の条件」神田昌典著


by kasakoblog | 2012-05-20 23:31 | 金融・経済・投資
2012年 02月 28日
企業年金が消えるのは当然~投資の教科書はウソだった
年金制度の不安・不満は頂点に達しているが、
報道されるのは公的年金ばかり。
しかし先日、企業から資金を預かったAIJ投資顧問会社が、
2000億円もの年金資金を消失させてしまったと大問題になった。

実は公的年金だけでなく企業年金も自分年金も欠陥的・致命的問題がある。
公的年金だけでは不安だからと、
企業や個人が投資に手を出したところ、
本来なら長期間、投資すれば、
預金金利よりも高い利回りで運用できるはずが、
今まで「投資の教科書」に書かれていたことが、
まるで通用しなくなってしまったからだ。

預金金利が超低金利でお金を預けていても増えません。
だから投資をすれば金利が高くついて、老後の生活も安心です。
これが投資のレトリックだ。

では何で稼ぐのか。
株式と債券だ。
株式は企業が紙切れを発行し、返さなくてもいいお金。
その代わり業績が上がったり、人気が出たりすると、
紙切れの値段が上がるから、上がった時に売れば儲かるのと、
業績がいいと配当が出るので、配当収入が見込めるというもの。

一方、債券は紙切れだか借用証書のため、
必ず利子をつけてお金は返さなくてはならない。
このため株式ほど儲かる可能性は低いが、
そこそこの利子を期待できる。
もちろんギリシャとか倒産企業の債券を買ってしまうと、
元本が確保できるかわからないので、
預金とは違ってリスクはある。

年金資金を確保するために、
企業年金はだいたい株式に50%、
債券に50%の割合で投資している。
債券が仮に安全だとしても、
株式が半分も占めていると、
株式の変動で大事な資金が増えるどころか、
大きく減ってしまう可能性がある。

例えば1000万円運用していて
債券500万円が10年間で650万円に増えたとしても、
株式500万円が10年間で300万円になってしまえば、
トータルで950万円。
50万円のマイナスである。
超低金利だろうが預金に預けておけば、
1000万円は確保されるわけで、
手間隙かけて手数料もとられて、
50万円マイナスなんて、なんてバカらしいことだと思うだろう。

でもなぜこんな愚かなことが行われてきたのか。
それは株価は一時的に上がったり下がったりしても、
最終的には右肩上がりになると信じられていたからだ。
e0171573_9195346.jpg

図をご覧いただきたい。
これが投資・運用の前提となっている大原則。
株式は上がったり下がったりする。
時には買った時の半値以下になってしまうことも
あるかもしれない。
でも長期的に見れば世界の経済は絶対に成長するから、
一時的に株価が下がったとしても、
20年、30年持っていれば必ず上がるという神話に基づき、
株式投資が行われてきたわけだ。
e0171573_9201742.jpg

じゃあそれは本当なのだろうか。
日本株(TOPIX)の推移をご覧いただきたい。
1985年~2012年の約27年間の変遷だが、
見ての通り、27年前の株価指数の値より、今の値の方が低い。
20~30年持ってもマイナスの可能性が多いにあるということだ。

ちなみに2012年1月末時点で、
TOPIXに推移していたらどうなるか、
というわかりやすいサイトがあるが、
それによると、
5年:100万円→48万円
10年:100万円→90万円
15年:100万円→66万円
20年:100万円→58万円
30年:100万円→181万円
となる。
http://myindex.jp/data_i.php?q=TS1047JPY

なんだ、かさこさん、30年預ければ、
81万円もプラスになるじゃないかと思うかもしれないが、
株式という非常にリスクが高い資産に預けて、
30年も預けたのに2倍にすらならないのでは、
はっきりいってお話にならない。

しかも今から30年前なら、
まだ日本が成長した時期も含まれる。
しかしこれから30年後に、
日本が成長すると思うだろうか?
そう考えた時、今までと同じように、
株式は右肩上がりだから持っていれば大丈夫なんて、
果たして思えるだろうかという話だ。
e0171573_9204930.jpg

今後、株式はどう動いていくのか。
簡単に言ったら右肩下がりのトレンドになっていくだろう。
もちろん市場なので下がるだけでなく上がる時もある。
しかし基本的には前よりもどんどん下がっていく。
つまり長期に持てば持つほど、
今までの常識とは違い、大損する可能性が高いわけだ。

こういう時代の変化が起きたにもかかわらず、
長期投資していれば株価は上がるなんて、
とんでもない幻想にしがみついて、
企業年金の多くが運用されている。
するとどうなるか。
思ったほど収益を上げられず、年金不足になるとこういうわけだ。

もし株式で収益を上げるとするなら方法は3つ。
1つは長期投資ではなく短期投資。
右肩下がりのトレンドとはいえ、
株価には波があり、下がったり上がったりする。
だからちょっと上がったら長期で持たずに売る、
ということを繰り返す。

しかし当たり前の話だが、
どこが波の天井でどこが波の底かなんて誰にもわからない。
基本的には右肩下がりの傾向にあるわけだから、
間違って高値でつかんでしまうと大損する可能性もある。
そんな危険な資産に年金資金を預けますかという話。

もう1つは売りから入る。
売りからとは単純にいうと、
「株価が下がる方にかける」ということだ。
しかしこれもそう単純にはいかない。
下がると思ったら上がってしまうこともあるからだ。

3つ目は集中投資。
株式市場全体で見れば右肩下がりだが、
数少ない企業は右肩上がりで株価が上がっているところもある。
そういう企業を探してそこに集中投資する。

しかしそんなことが果たしてできるだろうか?
例えば安定しているといわれていた電力株は、
原発事故で瞬く間にボロ株へと早代わりした。
どこか成長するか企業を見極めるのは、
言ってみれば宝くじを買うようなもの。
そこに集中投資してもしどこか1社でも、
何か不祥事かがあって業績悪化、もしくは破綻してしまえば、
大事な資金はおじゃんである。

今まではアホのごとく、
ただ株式に投資して長年持っていれば上がると思われていたが、
もはやそういう時代ではなくなった。
そう気づいている人も多いが、
運用方法を変えたところで、
確実に儲ける方法などない。
だからこそAIJのように、
高利回りをうたいながら、実際には大損してしまい、
それを虚偽の報告をして誤魔化したというような、
とんでもない事件が起きるのだ。

株式投資は楽しいがもはやギャンブル。
ギャンブルで老後の生活費を稼ぎますか?という話。
もはやこれまでの投資の常識で、
大事な年金の運用なんかできない。

お金を増やすことが無理なら、
お金支給という年金制度ではない、
老後の生活を保証する仕組みを作るしかない。

例えば住宅無償、食品無償などだ。
人口が減って空き家が増えているのだから、
住宅無料で住んでもらえば、
お金がなくてもとりあえず雨風はしのげる。
食べ物も買うお金がないなら、
大量に出ている食品廃棄物とかを、
無償で回す仕組みを作ればいい。
もしくは放射能汚染された食品を、
無料で老人限定で支給すればいい。

これまでの常識が180度変わった今、
これまでの制度の延長線上のような、
小手先の改革では無理やり延命したところで、
抜本的治療には絶対にならない。

投資の常識が180度変わった。
なのにまだ過去の常識にしがみついて、
年金が運用されている。
もしくは小手先のテクニックで、誤魔化そうとしている。
だからAIJのような事件が起きる。

もはや株式で年金を運用する時代は終わったのかもしれない。
宝くじやパチンコで年金を運用しないのと同じように。


by kasakoblog | 2012-02-28 00:56 | 金融・経済・投資
2012年 02月 19日
客に損させ罪悪感にさいなまれる投信販売員
「お客さんに何百万円も投資してもらったのに、
半値以下にさせて大損させてしまった・・・・・・」
営業成績優秀な投資信託の販売員ほど、
「客に悪いことした」と悩んでいる現状がある。

2005年、世界全体がバブルに浮かれ、
日本もその煽りを受けてバブル真っ盛り。
株式投資をはじめ様々な投資が次から次へと登場。
「貯蓄から投資へ」という大号令、
「預貯金が超低金利だから投資をすべき」というムード、
「投資は経済の勉強になる」というでまかせ、
「将来インフレになり、投資をしないと資産が目減りする」という脅し、
さらには「年金不安の今こそ自分年金づくりを」
というキャッチフレーズのもと、
多くの人がたいした投資知識もないまま、
金融機関の手数料稼ぎのために、
言われるがままに金融商品を購入していった。

その中でも圧倒的人気を誇ったのが投資信託。
「毎月お小遣いがもらえる」感覚にしてくれる、
毎月分配型投信が「年金のたしになる」と、
年金受給者に大受けし、急速に残高を伸ばしていった。

しかしみなさんご存知の通り、
2007年のサブプライムショックや2008年のリーマンショックで、
ほとんどの資産は半値以下になってしまった。

いや今は大分戻ってきているはずだが、
日本人は不幸なことに円高でダブルパンチを浴びた。
投資している海外株式や海外債券の値が、
ショックから回復してきたとしても、
空前の円高で為替差損だけで2~3割やられてしまっている。
しかも最近では欧州債務危機が騒がれ、
依然として市場は低迷気味。
もし1000万円を様々な投信に投資していたら、
今は多分500万円か600万円ぐらいになってしまっているだろう。
超低金利の預貯金に預けておけば1000万円のままだったのに!

いやでも金融機関は客が損しようが、
手数料が入ってくるから「そんなの関係ねえ」。
投資は自己責任だから投資した人が悪い。
もちろんそうなのだが、金融機関にだって善人は多くいる。
それが直接投資家に投資信託を販売した販売員だ。

販売員は金融危機前の投資の常識を信じ、
お客さんのためを思って素晴らしい商品だと思い、
お客さんに投資信託を勧めていた。

「預貯金だけじゃ楽しい老後は過ごせない。
資産分散しなければならないが、
気軽に投資ができる投資信託はいかがでしょうか」と。
そして心からお客さんのためを思って販売した人ほど、
投信を売りまくり、優秀な成績を上げた。

ところがわずか数年で潮目は変わり、
あっという間に半額以下。
それでも投信販売員たちは信じていた。

「お客様、あわてて狼狽売りしたらダメです。
きっと値段は回復しますから。
10年、20年の長期運用していれば、
きっと必ず回復しますから」と。

しかしどうもこの「長期投資」というのが、
実はでたらめなんじゃないかと販売員も気づき始めた。
それは先進国の債務危機問題で、
この先、先進国が大きな成長は期待できないこと。
また今後の成長が期待できる新興国は、
すでに株価がバブルだったため、
成長はしても株価が上昇するかはわからないこと。
投資の金科玉条だった「長期投資」が、
実はもはや通用しない世の中になってしまったのではないかと、
気づいてしまったのだ。

さらにもう1つ。
いろんな投資信託を組み合わせて買えば、
ショックに強く、急激には下がらない、
というセールストークを駆使し、
それを本当に信じていた。
ところが実はその「分散投資」という常識も崩れてしまった。
すべての資産が連動し、
下がる時はみんな下がってしまい、
分散効果が発揮できなくなったことを、
優秀な販売員たちは気づいてしまった。

そして今、客に大損させてしまった、
優秀な販売員の一部の人が罪悪感にさいなまれている。
「いい商品だと思って販売したのに、
お客さまのためになると本気で思ったのに、
私はなんてことをしてしまったのだ・・・」

まじめで優秀な販売員ほど、
自分たちがやってきた仕事に疑問を持ち、
客に損をさせてしまったことを、
自分のせいだと責めて、
今、お客さんにどう接したらいいのか、
何を勧めたらいいのかわからず、苦悩をしている。

投資の常識はあっという間に180度、変わってしまった。
誰のせいというわけではない。
でも売った販売員はお客さんに販売時に、
「ありがとうね」といわれながら、
結果、感謝の気持ちを裏切ってしまった。
「客の自己責任だ!」と言い放てる薄情な輩はいいが、
優秀な販売員ほどそんなことは思わない。
だから自分を責め、仕事の意義が見い出せず、
うつな状態に陥ってしまっているのだ。

商売って基本的に相手を喜ばせて対価を得るもの。
だから本来なら売った側も買った側も幸せになるはずだ。
しかし客が損をしても売った方だけ儲かる仕組みでは、
ハッピー・ハッピーな関係になれない場合もある。

でもそういう商売はもう続かないと思う。
投信バブルは崩壊し規制が強化され、
というかはるかに手数料が安く、
流動性もあるETF(上場投資信託)買えばいいんじゃん!
みたいな話になって、投資信託はぐんと減る可能性大。

でもETFは日本では流行らない。
なぜなら金融機関に販売手数料が入らないし、
運用会社の存在意義もなくなってしまい、
これまた仕事が減ってしまうから。
つまり金融機関の食い扶持を確保するために、
大損させた商品をバカ高い手数料で売って、
それに代わる安い商品を勧めようとしないのだ。

このようにして既得権益ができると、
消費者のためにならないことが平然と行われるようになる。
でも直接顧客と接している販売員は、
良心の呵責にさいなまれ、
商品そのものに疑問を持ち始めた。

しかし客のためにならない商品は、
一時のバブルで儲かったとしても長くは続かず、
必ず市場原理で淘汰されるだろう。
今、日本で淘汰されないのは、
はっきりいうと販売員も投資家もバカだから。
でもそれに気づき始めている人も増えている。

投信バブルはもうまもなく終わるかもしれない。
いや、もう終わっているかもしれないが、
既得権益を持つ金融機関は、
自分たちの食い扶持確保のために、
手を変え品を変え、客を「騙そう」としている。

・分配金に目がくらんで大損する投資信託
http://kasakoblog.exblog.jp/17367789/


by kasakoblog | 2012-02-19 00:43 | 金融・経済・投資
2012年 02月 18日
金融ライター・不動産ライターの仕事
2005年1月から2012年2月まで勤めていた編集プロダクションにおいて、
私は金融・経済・不動産関係の編集・執筆・撮影仕事を多くこなしていました。
私の主な執筆事例でWebに公開されているものを紹介します。

●機関投資家向け金融専門誌「Jマネー(旧ユーロマネー日本語版)」
2008年~2012年まで副編集長として、
冊子全体の進行管理ほか、特集記事などを多数執筆(撮影も)。
※「かさこ」ではなく「笠原崇寛」という名前で記事を書いています。。

・2012年冬号
機関投資家のポートフォリオ戦略
「時価総額加重ベンチマークに限界
テールリスクに備えた新しい投資戦略を」
http://j-money.jp/new_03/20120130131906/

・2011年秋号
機関投資家のポートフォリオ戦略
「次なる金融危機に備えた
リスク量配分型アセットアロケーションとは?」
http://j-money.jp/new_03/20111027192004/

・2011年春号
東日本大震災と日本経済
「サプライチェーンの再構築がカギ
堅調な外需と復興需要でV字回復なるか」
http://j-money.jp/new_02/20110721165502/

・2011年冬号
機関投資家のポートフォリオ戦略
「見直されるオルタナティブ投資
ショックに強い組み合わせは?」
http://j-money.jp/new_02/20110126045955/

●日経CRE(企業不動産)特集
日本経済新聞社のCRE(企業不動産)特集にて、
編集記事の制作を担当。直近の主な執筆&撮影記事。

・2011年11月8日[パソナグループ]
「農業の“ショールーム”と
社員の癒し、エコを実現したオフィスづくり」
http://land.nikkei.co.jp/cre/case_111108.html

・2011年9月20日 [日本ヒューレット・パッカード]
「市場成熟期に適したCRE戦略として
複数拠点の賃貸ビルから自社ビル建設へ
コスト削減と社員同士のシナジー促す」
http://land.nikkei.co.jp/cre/case_110920.html

・2011年7月13日[日本マイクロソフト]
「都内5ヵ所の拠点を品川新本社に統合
部署の垣根を超えた
社員間の交流を促すオフィスを目指す」
http://land.nikkei.co.jp/cre/case_110713.html

●J-REIT(日本版不動産投資信託)
金融+不動産商品であるJ-REITの社長インタビューや、
物件紹介記事などを執筆。

・平和不動産リート投資法人 第19期資産運用報告書
ページ4・5 社長インタビュー
ページ32 物件をたずねて
http://www.heiwa-re.co.jp/site/file/tmp-7uyYv.pdf

・ケネディクス不動産投資法人 第13期資産運用報告書
ページ3・4・5 社長インタビュー
http://www.kdx-reit.com/cms/doc_table/20120117_1430258QT51.pdf

2012年2月20日に編プロを退職しフリーになりますが、
独立後も上記のような、金融、経済、不動産系の執筆をしています。
執筆・制作依頼があればぜひどうぞ。
http://www.kasako.com/work.html


by kasakoblog | 2012-02-18 02:31 | 金融・経済・投資
2012年 02月 14日
分配金に目がくらんで大損する投資信託~金融知識のない客、販売会社が日本の資産を目減りさせる
運用益超す配当9割――。
投資信託のイカサマぶりがここまでひどいとは正直思わなかった。

投資信託(ファンド)とは投資家に代わって運用のプロが、
株式や債券など様々な資産に投資してくれる金融商品である。
例えば「インドファンド」といったら、
インドの株式に投資してくれる投資信託。
日本の個人投資家がインドの株式に投資しようと思ったら、
なかなか大変だけど、
投資信託なら、プロが代行してくれて、
かつ良さそうな銘柄を複数選んでくれるから便利というものだ。

新興国に投資するファンド。
日本株に投資するファンド。
株だけじゃなく債券に投資するものや、
コモディティ(商品)に投資するものもある。
1万円程度の少額から買えることも魅力の1つだ。

2005年頃から「貯蓄から投資へ」という大号令や、
年金不安だから自分で運用して自分年金づくりをしろ、
といった煽りから急速に売れ始めた。

ところがである。
「運用益超す配当9割」というイカサマぶりが明らかになり、
やっと金融庁が規制に乗り出した。

運用益超す配当9割とは何か。
いわゆるタコ足配当というやつだ。

例えばみなさんが100万円銀行に預けたとする。
1年間で利子が1万円つくと、
資産残高は101万円になる。

これが今の日本の投信だとどうなるか。
100万円で買いました。
1年後に10万円分配金が出ました。

この分配金の額だけ見て投資家は大喜びするわけです。
「さすが投信!預金なんかに預けているよりもいい!」

ところが100万円で購入した投信の価格は、
90万円になっていました。
つまり90万円+10万円=100万円。
単に自分の資産を取り崩しただけじゃないか!

本来、投資信託は、
100万円で運用して、
株とか債券で利益を上げて、110万円になったから、
運用でプラス10万円になった分、
分配金として10万円払いましょうというものだ。

ところが日本では分配金の金額しか、投資家の頭にない。
そこで運用しても利益が出なかったにもかかわらず、
いやむしろ損してしまったにもかかわらず、
分配金がいっぱいあるからすごいでしょ、
と見せかけるために、
投資家の資産を取り崩して分配金を出していた。
それが9割もあるというのだから、
いかにイカサマかがわかるだろう。

いや、運用ってものは波があるから、
運用成績が悪い時もある。
それは致し方がない。
ならば無理して資産を取り崩して、
分配金を出さなければいいわけだけど、
日本国民の金融リテラシーがあまりに低いことと、
そこに対して業界がきちんと教育をしてこなかったために、
見せかけの分配金の多さでちょろまかすという、
とんでもないことが行われ続けてきた。

日本は借金があっても大丈夫。
なぜなら個人金融資産が1400兆円あるから。
といわれてきたが、
こうしたまがいものの商品のせいで、
どんどん金融資産は目減りしてしまっている。

確かに預金金利は超低金利だ。
金利がゼロといっても過言ではない。
そこで「金利が低いから預金だけではダメです。
運用しなければならない」と悪魔のささやきを働きかけた。

するとどうなるか。
預金はどんなに金利が低くても、
預けた金額が減ることはない。
ところが投信などの運用商品は、
マイナスになることもあればプラスになることもある。
今の状況だとあまりにも市況が悪いのと、
投資したタイミングが2005~2007年のバブル期ということで、
ほとんどの人が資産半額ぐらいまでに落ち込んでいる。

いやそれでもこの先は上がるかもしれない。
私が問題にしているのはここ数年、
たまたま下がってしまったから悪いといっているのではない。
投信の場合、上がろうが下がろうが、
毎年マイナス1~3%引かれてしまうということを、
認識している人が少ないということだ。
なぜ必ずマイナスになるのか。
運用のプロに報酬を払うためだ。

つまり預金は低いけど0%より低くなることはない。
ところが投信は毎年必ずマイナス1~3%。
つまりこのハンディを上回る成績をあげなければならない。

さらに販売時には手数料と称して、
これまた1~3%ものの手数料が引かれる。

これ預金で考えてみればどれだけひどいかがわかる。
100万円預金を預けたら、
「口座作ったので3万円マイナスね」といわれて、
97万円になってしまい、
毎年、運用成績が良かろうが悪かろうが、
必ず3万円ずつ引かれていくわけだ。

そこまでしても運用のプロに頼んでいるのだから、
それなりの成績を上げてくれればいいわけだけど、
市場が下がっているからどうにも勝てない。
さらに日本では為替の問題があり、
海外投資している投信は、
円高で20~30%やられてしまっている。

ここまでくると投信を購入するのは、
ドブに金を捨てるようなものだとしかいいようがない。
運用成績のアップダウンがあるのは仕方がないとしても、
1:運用益が出ていないのなら分配金は出さない
2:プロのくせしてマイナスだったら報酬はとらない
3:販売手数料は高すぎるからもっと低くすべき
といった点が改善されない限り、
日本の個人資産を目減りさせる、
金融テロみたいな商品だ。

いや本来仕組みとしては素晴らしいのに、
分配金の多さでしか判断できない客、
その客に合わせるために、
損しているのに分配金が多いファンドばかりを買わせる販売会社、
その客と販売会社の圧力に屈して、
分配金が多そうに見えるファンドばかりを作る運用会社、
この悪循環の三者連合が本来の商品の良さをねじ曲げ、
日本の個人資産の富を収奪している。

もちろんこのひどい商品の仕組みをよくわからず、
購入している投資家の頭の悪さが一番の問題なのだが、
それをちゃんと説明できない販売会社=金融機関も悪い。
というか販売会社の販売員の頭も極めて悪い。
先日、販売員の話を聞くと、
「コモディティってお客さんに言われてわからなかった」
とか言っているのである。

販売員がこの程度の知識で、
まともに投信が売れるわけもないし、
客にちゃんとリスクや商品特性を説明できるわけがない。

あまりにも遅い金融庁の対応だが、
日本全体の金融リテラシーの低さをどうにかしない限り、
不動産バブルや株バブルで資産をなくしたように、
今回は投信バブル、また次は新手の金融商品バブルで、
次々と国民の資産が減ってしまうだろう。

金融機関が熱心に進める商品のほとんどはまがいもの、
と思ってもいい。
日本の金融機関も投資家とWin-Winになるような、
セールスをすべきだが、
金融機関の人材の金融知識があまりにもお粗末なのだから、
どうしようもない。

その意味では早いうちから学校での金融教育が必要だ。
それは現状行われているような、
金融機関主導の投資商品買わせる教育ではなく、
まがいものかを見分けられる目を養うための教育を。


by kasakoblog | 2012-02-14 02:01 | 金融・経済・投資
2012年 02月 07日
国家がなくなる時代がやってくる
国家という概念は10年でなくなると思っている。
ギリシャやアメリカや日本のように、
借金山盛りでで破綻するからなくなるという話ではない。
国家という概念が消滅するという話だ。

かさこマガジン2で
「日本は変わった。世界は変わった。あなたは変わった?」
と投げかけた。
多分、多くの人は「日本は変わった」というのは納得いくと思う。
震災と原発。
でも「世界は変わった」の方は、
一体何が変わるのか、よくわからない人もいるのではないかと。

私が世界は変わると思っているのは、
金融資本主義経済システムが崩壊し、
まったく新しい経済システムができることと、
国家がなくなることの2つだ。

国家がなぜなくなるか。
世界の人たちが通貨で取引せず、
ネット上のポイントで決済する時代が、
もうまもなくやってくるからだ。

イメージとしてわかりやすいのは、
フェイスブックポイントができて通貨代わりになるみたいな話。
例えばフェイスブックで私が撮影したネコの写真を販売したとする。
フェイスブックは世界とつながっているわけだから、
日本人が買うとは限らないわけで、
アメリカ人か買ったり、中国人が買ったりするかもしれない。

今までだったらそこに通貨の壁がある。
ドルで払うか、元で払うのか、円で払うのか。
為替レートはいくらなのか、両替手数料はいくらなのか。
通貨が違うことによって、余計な手数料をとられたり、
レートの変動によって、
どちらかが損をしたり得したりする可能性が出てくる。
そもそも値段を1000円とつけるのか、10ドルとするのか、
値段設定も悩ましい問題だ。

しかしこれが全世界共通の、
フェイスブックポイント1000Pだったらどうだろう?
為替レートの変動はないし、
世界共通通貨のネット上のポイントで相互に決済すれば済んでしまう。

私がネコの写真を販売して中国人から1000P得て、
その1000Pで私がアメリカの写真家の写真集を買うとする。
こうしてポイント間決済が主となれば、
円もドルも元もいらなくなる。

通貨がなくなるということは国家がなくなるに等しい。
お金を出すというのは国家を国家たらしめる、
最高の権力を持っていることを意味する。
お金を勝手に刷れる権力を持っているのが国家だ。
しかし世界共通通貨になってしまったら、
国家権力が弱体化することは目に見えている。

実際にそれが起きているのがギリシャだ。
ギリシャは国家だが、通貨はユーロ。
だからギリシャ危機が起きてしまっている。
なぜならギリシャで勝手にお札を刷れないから。
だから危機が混迷し、
その危機解決のためには、共通通貨をやめて、
独自通貨のドラクマを発行するしかないともいえる。

ネットポイントが共通通貨になれば、
日本やアメリカが自分たちの勝手な都合で、
紙幣を刷れなくなる。
とするとこれは国家消滅の第一歩だ。

そしてネットポイントにはもう1つ、
国家を消滅させてしまう要因がある。
税金だ。
国家を国家たらしめているのは、
勝手にお金を作れることと、
国民から金を奪える=税金という仕組みがあること。

しかしネットポイントになったらどうだろう?
日本人の私がネコ写真をアメリカ人に、
円でもなくドルでもなくポイントで売ったら、
消費税はどうなるのか?
日本基準なのかアメリカ基準なのか。
ポイントから税を徴収するのか。
ではそれはどこが徴収するのか。
日本人が売ったら日本に徴収権利があるのか。
では私がネパール滞在中にネコ写真を売ったら、
ネパールに税金が入るのか。
それとも国籍主義で課税するのか。

例えば私が中国で会社を設立し、
その会社がネコ写真をアメリカ人に売ったら、
中国に税金が入るのか。

今、実際こうした複雑に絡み合ったグローバル取引を、
どの段階でどこの国が課税できるのかは、
極めて難問になっている。
日本企業の中国支社がアメリカ企業に物を売ったらどうなるのかとか。

そもそも何を持って日本企業と定義するのかも、
極めて難しい。
日本に本社があれば日本企業なのか?
株主が日本人なら日本企業なのか?
従業員が日本人なら日本企業なのか?
売上比率が日本が多いと日本企業なのか?

ネットによってボーダレスになった社会において、
国という概念は極めてあいまいだ。
独自通貨も発行できず、課税もできなくなったら、
国家は消滅するしかない。

ここで書いたことは厳密に突き詰めていくと、
さまざまな論理矛盾や無理が出てくるだろう。
しかし大まかな世界の方向として、
ネットポイントが決済の主流になった時に、
起きるかもしれない世界システムの決定的変化は、
考えておかなければならないことだ。

世界共通通貨が出てきてしまうと、
国家が国債という紙切れを出して、
財政をちょろまかすという、
イカサマ金融資本主義が通用しなくなる。
すると今、国家が行っている、
財政・金融・経済政策は根本的に覆ってしまう。

細かい点でいえばいくらでも突っ込みどころ満載の話だと思うが、
ネットポイントが世界共通通貨になることで、
各国通貨がなくなり、よって国家がなくなるということは、
この10年で起きる変化として十分あり得ると思う。

今、当たり前だと思っていることが通用しなくなり、
根本的に世界の社会システムが大きく変わる、
大変革の過渡期なのだと思う。

常識の枠組みで目先のことしか考えていないと、
時代の大きな波に翻弄されてしまうだろう。

世界は今後大きく変わるはず。
だから私たちも時代の変化を先取りして、
変わらなければならない。


by kasakoblog | 2012-02-07 02:07 | 金融・経済・投資
2012年 01月 20日
経済の仕組みがよくわかる~信用がない人間(国・企業)は高金利~
2008年リーマンショック以上に、
みなさんにも大きな影響がある可能性がある、
今年最大の経済トピック、欧州債務危機を理解するには、
「信用がない人間は高い金利で借りなければならない」
というサラ金の鉄則を知る必要があります。
一体、欧州債務危機とは何なのか。
サラ金勤務経験があり、金融ライターのかさこが、
信用と金利という観点でわかりやすく解説します。

サラ金で金を借りてしまうようなろくでなしでなくても、
日本だってアメリカだってヨーロッパの国々だって、
大企業だってみんな借金している。
言ってみれば今の金融資本主義とは、
借金主義といっても過言ではない。

何か事業を行うために金を借りる。
国は税金で借金を返し、
企業は利益で借金を返す。
借金しなきゃ何もできないといっても過言ではない。

金を借りたい人(企業・国)がいっぱいいる以上、
というか金を借りないと経済が成り立たないような、
現在の経済システムである以上、
誰かが金を貸さなくてはならない。
その金の出し手の筆頭が、銀行であり、
機関投資家(生保、損保、投信会社、年金基金など)であり、
個人投資家だ。

当たり前の話だけど、誰だって大事な金を、
他人になんか貸したくない。
だって返してもらえるかわからないからだ。

そこで経済をうまく回らせるためのトリックがある。
金利だ。
100万円貸したら1年後に110万円になって返ってきます、
といわれたら、それだったら貸していいかも、
と思う人が出てくる。
これが金利のマジックだ。
こうして借金主義が経済システムの根幹をなすようになる。

ただここで問題なのは、いくらの金利=利子をつけるべきかという点だ。
100万円貸してもらって1年後に10万円の利子を払うべきか、
5万円の利子でいいのか、20万円の利子なのか。
その金額は悩ましい問題だ。

なぜなら金を借りる立場からしたら、
できるだけ利子は少なくしたい。
でも金を貸す方からしたら、
できるだけ利子が多い方がいいと思うからだ。
金を貸す方と借りる方では利害がまったく逆行する。

そこで円滑に利子を決める仕組みが、
信用力に基づいた市場原理だ。

例えばみなさんが大事な100万円を、
預金にあずけてもたいして増えないから、
誰かに貸して金を増やしたいと思った時に、

日本さんに貸すと1年後に101万円
アメリカさんに貸すと103万円
イタリアさんに貸すと105万円
ブラジルさんに貸すと107万円
ギリシャさんに貸すと200万円

みたいに、貸す相手の「信用力」によって、
利子が異なると、金を貸す相手の選択肢が広がるわけです。

信用力と利子には法則がある。
金を間違いなく返してくれそうという、
信用のある国家・企業・個人は、
誰もが貸したいと思うから利子は少なくなる。

一方ギリシャさんみたいに、借金返す見込みが薄い、
金を返してくれるのか極めてあやいう人には、
利子がいっぱいつく。
返してくれる見込みは薄いけど、
返してくれれば2倍になると思ったら、
信用力がなくても金を貸したいと思う人がいるかもしれない。

このようにして、借金させる仕組みを円滑にしているのが、
金利であり、この金利はその時々の信用力に応じて、
変わるというわけだ。

では欧州債務危機とはどんなことが起きているのか。
今までギリシャさんはそれなりに信用力のある人だと思われていた。
しかもユーロなんていう「同盟」にも加わっているから、
安心じゃないかと。
ギリシャだけだったら信用ならないけど、
ユーロの一員なら安心だろうと、
世界の投資家や金融機関や個人が、
ギリシャにお金を貸していた。

ところがギリシャがいかさま決算をしていたことがわかり、
実は財政は火の車であることが発覚してしまった。
すると「ギリシャはお金を返してくれないかもしれない」
とみんな動揺する。
こうしてギリシャの借用証書=国債価格は大きく下落してしまう。

こうなると誰もギリシャに金なんか貸したくないと思う。
でもギリシャをはじめ世界の多くの国がそうであるように、
借金しては借金を返す自転車操業をやっている。
つまり借用証書=国債を誰か買ってくれないと、
資金がつきてしまい、今、借金している金が返せなくなってしまう。

そこでギリシャさんに誰か金を貸してもいいと思えるように、
金利がどんどん上がる。
このように信用のない人間ほど金利が高いという仕組みになっている。
金利が高ければ儲かるかもしれないから、
多少危険でも貸そうかなという人も出てくる。

ただ問題は、ギリシャだけにとどまっていればいいのだが、
人の心理は「信用不安」「信用収縮」という現象が起きてしまい、
危機が連鎖してしまうことにある。

「ギリシャが借金返せなくなりそうだっていうけど、
他のヨーロッパの国は大丈夫なのか??」
「イタリアとかスペインもやばいんじゃないか?」

本当にヤバイかどうかはわからないけど、
ギリシャが返せなくなりそうになったことで、
他の国もヤバイんじゃないかと不安が広がる。
これが信用不安と呼ばれる現象だ。

「今、ヨーロッパの国に金を貸すのはやめよう」
「いや、ヨーロッパだけじゃなく、
日本やアメリカだってやばいんじゃないの?」
と連想が働くと、みんな金を貸すのはやめようと思う。
資本主義なんて所詮は貨幣の回転率にしか過ぎないわけだから、
金が回らないと景気が悪くなり、
経済が悪くなってしまう。
そう震災だから自粛だとバカなことして、
余計に被災地を苦しめたように、
お金を使わないことは資本主義では悪なんです。

こうしてギリシャ以外の国でも、
そんなに財政状態が悪いとはいえなかったとしても、
お金を貸してくれる人がいなくなってしまう。
みんな借金をして借金を返す自転車操業してるから、
借金できなくなると借金を踏み倒してしまうデフォルトの可能性が高まり、
世界は連鎖的に倒産が増えるとこういうわけだ。

さらに危機をより深刻化させる要因がある。
ヘッジファンドと格付け会社だ。

ヘッジファンドとは投資家からお金を集めて、
代わりに株式や債券などに投資して利益を上げようとする組織のこと。
ヘッジファンドがなぜ危機に拍車をかけるかというと、
危機を利用して儲けようと、
国債を売り浴びせるといった行動をとる可能性があるからだ。

投資の世界でやっかいなのは、
投資した商品が下がっても儲けられる手段があるということ。
投資に詳しくない人はわからないと思うが、
一般的には値上りしそうな株を買って、
値上がったら売って儲けるわけだけど、
それだと賭場が盛り上がらないから、
下がる方に賭けて実際に下がったら儲けられる取引もできるのだ。

だから危機に乗じて、下がると見込んだヘッジファンドなんかが、
ばんばん売り浴びせれば、どんどん国債価格は急落し、
金利は上がってしまい、危機救出が困難になってしまう可能性もある。

そしてもう1つ、危機を深刻化させるのは格付会社だ。
格付会社とは、借金たれの馬鹿者たちの信用力を、
ランキングしてくれる会社だ。
例えば日本はAだけどギリシャはCでブラジルはBとか、
トヨタはAだけど別の会社はCだとか、
そんな風にして信用力を投資家に代わってランキングしてくれる。

ところがこの格付が危機には役に立たないことが、
もうこれまで何度となくあった。
なぜかというと所詮、格付は後付けだからである。

格付のいかさまについて詳しく書かれた本、
「格付けの深層」森田隆文著には、
1997年~1998年のアジア通貨危機についてこう書かれている。

多くの市場参加者や政府当局は、この時の格付会社の対応に疑問を呈した。
最大の批判は、格付会社は危機が起きるまで事態をまったく予測できず、
起きた後は過剰反応として格付けを急激に下げすぎたというものであった。

結局、後付けなんです。
本当は財務内容が悪いのにそれに気づかず、
高い格付を格付会社がつけてしまい、
それを鵜呑みにした投資家がばんばん投資し、バブルになるが、
実は財務内容は悪かったということがバレると、
あわてて格付会社は格付を大幅に下げる。
するとそれを見た投資家が、
「こんなに低いのならヤバイ!」と思って、
誰も買わなくなり、余計に信用力が悪化してしまう。

ちなみに2008年リーマンショックの発端になった、
1年前のサブプライムローン(信用力がない人に貸し出す住宅ローン)危機も、
この格付会社が危機に拍車をかけた。

このろくでもないローン商品をまとめた投資商品を、
格付会社は高い評価をしていたために、
多くの投資家が投資した。
ところが、格付会社の読みが甘く、
住宅価格が思うように上がらなくなったり、
信用力のない人間に貸した住宅ローンだから、
当たり前の話だけど返せない人が増え、
結果、あわてて格付会社が、
サブプライム関連の投資商品を大幅に格下げし、
危機が大きくなったという混乱を招いたのだ。

こうして格付会社の後追いぶりにムカついたイタリア政府は、
昨日、格付会社「スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)」
のミラノ事務所を家宅捜索。
「格付け会社が正当でない評価をして市場を操作した疑いがある」
と捜査に踏み切ったのだ。

上記が本当かどうかはわからないが、
格付けを下げられた方にしたら、
余計に金を借りられなくなるからたまったものではない。

こうして今の経済システムは借金至上主義で成り立っている。
そしてさらにこの経済システムがミソなのは、
借金を返せなくなったら、国家だろうが企業だろうが個人だろうが、
返さず踏み倒していいことが認められていることだ。

するとどうなるか?
金を借りても返さなくていいなら、
借金しまくり、豪華庁舎をつくったり、
手当てをいっぱい作って公務員や官僚だけが儲かる仕組みを作ったり、
いりもしない原発やダムなどを、
学者やマスコミを使ってウソのデータで塗り固めて、
必要性を無理やり作り出して、
談合している企業とつるんで税金使ってボロ儲けする、
といったことが行われるようになった。
ギリシャなんかまさにこれである。

借金は踏み倒していいから、
ムダ使いに歯止めがかからない。
しかもそれでおいしい目にあえるから、
気にせず借金しまくる。

こうして借金踏み倒せることによるモラルハザードが起き、
先進国の借金は膨れ上がっているのに、
官僚や政治家や経団連のような企業団体は、
自分たちが儲けることばかり考え、
借金のツケはすべて国民の増税に負わせればいいという、
社会になっている。
これが今、世の中に起きている先進国債務危機の真実である。

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by kasakoblog | 2012-01-20 20:20 | 金融・経済・投資